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| キングストリート18番地に建つ「オークハウス」(その1) <筆者撮影> |
アガサ・クリスティー作「スペイン櫃の謎(The Mystery of the Spanish Chest)」は、短編集「クリスマスプディングの冒険(The Adventure of the Christmas Pudding)」(1960年)に収録されている一編である。
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英国の HarperCollinsPublishers 社から以前に出版されていた アガサ・クリスティー作短編集「クリスマスプディングの冒険」のペーパーバック版の表紙 |
裕福な独り者であるチャールズ・リッチ少佐(Major Charles Rich)が、クレイトン夫妻(Mr and Mrs Clayton)、スペンス夫妻(Mr and Mrs Spence)とマクラーレン中佐(Commander McLaren)という長年来の友人5人を、自宅のフラットへ食事に招く。
ところが、直前になって、招待客の一人であるクレイトン氏に、急な商用でスコットランドへ出かける必要が生じて、食事会に参加できなくなった。マクラーレン中佐と一緒にクラブで一杯飲んだ後、クレイトン氏は、駅へ向かう途中、事情を説明するために、リッチ少佐のフラットに立ち寄ったが、生憎と、リッチ少佐は外出していた。
そこで、クレイトン氏は、リッチ少佐への伝言を残すべく、リッチ少佐の執事バージェス(Burgess)に居間へ案内してもらう。バージェスは、キッチンでの準備のため、クレイトン氏を居間に残したまま、その場を後にするが、リッチ少佐への伝言をしたためた後、クレイトン氏が立ち去るところを見かけていなかった。10分程して、リッチ少佐が帰宅し、バージェスを使い走りに外出させた。
その後、クレイトン氏を除いた残り5人で、食事会は滞りなく終わったのであるが、翌朝、居間の掃除をしていたバージェスは、部屋の角に置いてあるスペイン櫃の蓋を開けると、櫃の内には首を刺し貫かれたクレイトン氏の死体が入っていたのである。スコットランドに居る筈のクレイトン氏が、スペイン櫃の内に居たのか?そして、彼は櫃の内で何をしていたのか?
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| キングストリート18番地に建つ「オークハウス」(その2) <筆者撮影> |
リッチ少佐は、クレイトン氏殺害の容疑で、警察に逮捕される。リッチ少佐はクレイトン夫人に魅かれており、リッチ少佐にとって、クレイトン氏は邪魔な存在だったと、警察は推測する。そして、食事会の直前、帰宅したリッチ少佐は、居間で彼への伝言をしたためているクレイトン氏に出会い、口論の末、クレイトン氏を刺し殺して、スペイン櫃内に押し込んだ単純明快な事件だと、警察は考えたのである。
クレイトン夫人と共通の友人経由、クレイトン夫人から依頼を受けたエルキュール・ポワロは首をひねった。刺し殺されたクレイトン氏の死体をスペイン櫃内に押し込んだまま、リッチ少佐は、その櫃がある居間で残りの招待客4人と一緒に食事会を行い、翌朝、執事のバージェスがクレイトン氏の死体を発見するまで、そのまま死体を放置していたことになる。リッチ少佐は、それ程までに愚かなのだろうか?ポワロの灰色の脳細胞が動き出す。
英国のTV会社 ITV1 で放映されたエルキュール・ポワロシリーズ「Agatha Christie's Poirot」の第3シリーズ / 第27話「スペイン櫃の謎」(放送日:1991年2月17日)において、クレイトン夫妻の家はルーメインガーデンズ(Roumaine Gardens)にあると言う設定になっているが、実際には、ロンドンの特別区の一つで、ロンドン南西部郊外のリッチモンド・アポン・テムズ区(London Borough of Richmond upon Thames)のリッチモンド(Richmond → 2018年3月17日 / 3月24日付ブログで紹介済)内に所在するリッチモンドグリーン(Richmond Green → 2026年7月24日付ブログで紹介済)と呼ばれる大きな緑地帯の南側、南北に延びるオールドパレステラス通り(Old Palace Terrace)と東西に延びるキングストリート(King Street)が交差する場所に建つキングストリート18番地(18 King Street)の「オークハウス(Oak House)」が、撮影に使用されている。
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| リッチモンド内のリッチモンドグリーン南側の地図(Google Maps から抜粋)- ピンク色の蛍光ペンで囲った建物が、キングストリート18番地に建つ「オークハウス」。 |
なお、アガサ・クリスティーの原作上、クレイトン夫妻の家は、スローンストリート(Sloane Street)近くのカーディガンガーデンズ(Cardigan Gardens)にあると言及されている。







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