アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)の作品を出版している英国の HarperCollinsPublishers 社から、2026年オフィシャルカレンダーが出ているので、前回に引き続き、順番に紹介したい。
2026年カレンダーの場合、カレンダー用に新たに描き起こされたエルキュール・ポワロシリーズのイラストが使用されており、デザインについては、Diahann Sturge-Cambell が、また、イラストに関しては、Mr. Stephen Millership / Central Illustration Agency が担当している。
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| 2023年に英国の HarperCollinsPublishers 社から出版された アガサ・クリスティー作「ハロウィーンパーティー」の 愛蔵版(ハードカバー版)の表紙 (Cover design by Sarah Foster / HarperCollinsPublishers Ltd. Cover images by Shutterstock.com) |
11番目は、2026年10月のカレンダーに該る「ハロウィーンパーティー(Hallowe’en Party)」(1969年)である。
アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第60作目に該り、エルキュール・ポワロシリーズの長編のうち、第31作目に該っている。
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アリアドニ・オリヴァーは、 英国の Orion Publishing Group Ltd. から2023年に発行されている 「エルキュール・ポワロの世界」と言うジグソーパズルの中央に立つ エルキュール・ポワロのすぐ右側に居て、 肘掛け椅子に座っている。 <筆者撮影> |
女性推理作家として有名なアリアドニ・オリヴァー夫人(Mrs. Ariadne Oliver)は、ロンドンから30ー40マイル程離れた町ウッドリーコモン(Woodleigh Common)に住む友人のジュディス・バトラー(Judith Butler)宅に滞在していた。
ウッドリーコモンの中心的な存在であるロウィーナ・ドレイク夫人(Mrs. Rowena Drake)が、学校の生徒達のために、ハロウィーンパーティーを主催することになり、オリヴァー夫人やジュディス・バトラーも、準備作業を含めて、参加する運びとなった。
ハロウィーンパーティーを晩に控えた午後、ドレイク夫人宅「リンゴの木荘(Apple Trees House)」において、学校の生徒達が準備の手伝いをしていた。その際、生徒の一人である13歳のジョイス・レイノルズ(Joyce Reynolds)が、突然、「ずっと前に殺人を目撃したことがある。ただ、当時は、それが殺人だと判らなかった。(I witnessed a murder once, when I was little. I didn’t understand what was going on at the time.)」と言い出したのである。
ジョイス・レイノルズの話を聞いた他の生徒達は、日頃から彼女が人の関心を惹くために、いろいろと嘘をつくので、彼女を全く相手にしない。ドレイク夫人宅に準備の手伝いに来ていたオリヴァー夫人も、ジョイスが推理作家である自分の気を引こうとしているものと思い、彼女の話を本気にしなかった。
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| エルキュール・ポワロは、 英国の Orion Publishing Group Ltd. から2023年に発行されている 「エルキュール・ポワロの世界」と言うジグソーパズルの中央に立っている。 <筆者撮影> |
ドレイク夫人宅において、ハロウィーンパーティーが行われた日の翌日の晩、オリヴァー夫人が、ロンドンのエルキュール・ポワロ(Hercule Poirot → 2025年10月11日付ブログで紹介済)のフラットに電話をかけてきた後、慌ててやって来る。オリヴァー夫人は、ポワロに対して、ヒステリー気味に話を始めた。
ハロウィーンパーティーが終わった後、以前殺人を目撃したことがあると言っていたジョイス・レイノルズが、ドレイク夫人宅の図書室において、リンゴが浮かぶブリキのバケツに頭を押し込まれて、溺死しているのが見つかったのである。
オリヴァー夫人から話を聞いて、ハロウィーンパーティー前の発言のために、ジョイス・レイノルズが口封じされたものと考えたポワロは、早速、行動に移った。
ポワロは、古い友人であるバート・スペンス元警視(ex Superintendent Bart Spence)の元を訪れる。偶然にも、スペンス元警視は、引退後、夫を亡くした妹のエルスペス・マッケイ(Elspeth McKay)と一緒に、ジョイス・レイノルズが殺害された町ウッドリーコモンに住んでいたのである。
スペンス元警視の場合、ウッドリーコモンに住み始めて、それ程長くはないものの、彼の妹であるエルスペス・マッケイは、彼よりも長く、ウッドリーコモンに住んでいるので、ポワロは、2人の協力を得て、過去数年間にウッドリーコモン周辺で殺された人物、あるいは、殺害された可能性のある人物のリストを作成してもらい、一つ一つ捜査を進める。
(1)ルウェリン=スマイス夫人(Mrs. Llewellyn-Smythe):
富豪の未亡人である彼女(ロウィーナ・ドレイク夫人の夫が、彼女の甥に該る)が突然亡くなり、彼女の遺言書(codicil)により、彼女の屋敷で働いていたオルガ・セミノフ(Olga Seminoff - ヘルツェゴヴィナ(Herzegovina)出身 / 外国語の勉強を目的として、家事手伝いをしながら、外国の家庭に住まわせてもらう制度を利用していた女性(au pair girl))が彼女の遺産相続人として指定される。ところが、後に、その遺言書が偽造と判明し、オルガ・セミノフも失踪して、行方不明となる。
(2)レスリー・フェリアー(Leslie Ferrier):
ルウェリン=スマイス夫人の顧問弁護士であるジェレミー・フラートン(Jeremy Fullerton)が経営する法律事務所(Fullerrton, Harrison and Leadbetter)の事務員として働いていたが、ある夜、パブ(The Green Swan)からの帰り道、何者かに背中を刺されて死亡(当時28歳)。当時、彼は、パブの経営者の妻と不倫関係にある上に、他の女性との関係も噂されていた。
(3)シャーロット・ベンフィールド(Charlotte Benfield):
店員として働いていたが、採掘場(quarry)近くの森の小道において、頭部に複数の傷を負って、死亡しているのが発見される(当時16歳)。2人の男性が容疑者として疑われたものの、決定的な証拠が挙がらなかった。
(4)ジェネット・ホワイト(Janet White):
エルムズ学校(Elms school)の教師として働いていたが、学校から自宅への帰り道において、何者かに首を絞められて死亡。彼女と同居していた同じく教師のノーラ・アンブローズ(Nora Ambrose)によると、ジェネット・ホワイトは、1年程前に、交際していた男性と別れたが、その男性が、彼女に対して、しつこく脅迫の手紙を送ってくることに悩んでいた、とのこと。ただし、残念ながら、その男性が誰なのかについては、ハッキリしなかった。
果たして、この中に、ジョイス・レイノルズが目撃したと言う殺人事件が含まれているのだろうか?
次に、ポワロは、エルムズ学校を訪ねて、ハロウィーンパーティーに参加していた教師であるエリザベス・ウィッテカー(Elizabeth Whittaker)に面会した。
エリザベス・ウィッテカーによると、パーティーの途中、廊下に出た際、階段の一番上に居たドレイク夫人が、手に抱えていた花瓶を突然落として割ってしまう現場を目撃した、とのこと。手に抱えていた花瓶を落として割ってしまった際、ドレイク夫人は、階段の上から図書室(ジョイス・レイノルズが殺害された部屋)の方へ視線を向けており、エリザベス・ウィッテカーとしては、「ドレイク夫人は、図書室を出入りした誰かを目撃したのではないか?」と答えた。残念ながら、エリザベス・ウィッテカーが居た場所から、図書室の方を見ることはできなかったのである。
ポワロが、ルウェリン=スマイス夫人が住んでいた屋敷の様子を見に出かけた際、造園師である美青年のマイケル・ガーフィールド(Michael Garfield)に出会う。彼は、亡くなる前のルウェリン=スマイス夫人からの依頼を受けて、彼女が所有していた元の採掘場(quarry)を非常に美しい庭園へと造園していた。
エリザベス・ウィッテカーの話に基づいて、ポワロは、ドレイク夫人に対して、「図書室を出入りした誰かを見たのか?」と尋ねるが、ドレイク夫人は、「何も見ていない。」と答えるのみであった。
その後、ジョイス・レイノルズの弟で、ここのところ、妙に金まわりがよくなったレオポルド・レイノルズ(Leopold Reynolds)が、小川において、溺死体で発見される。
レオポルド・レイノルズの溺死体を発見された後、ドレイク夫人がやって来て、ポワロに対して、突然、花瓶を落とした理由について、「図書室から出て来たレオポルド・レイノルズを見かけたからだ。」と告白するのであった。
果たして、ジョイス・レイノルズと彼女の弟であるレオポルド・レイノルズの2人を殺害した犯人は、一体、誰なのか?
また、これらの殺人は、過去に発生したルウェリン=スマイス夫人、レスリー・フェリアー、シャーロット・ベンフィールド、そして、ジェネット・ホワイトのうち、いずれの事件と関連しているのだろうか?





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