2026年2月7日土曜日

アガサ・クリスティー 2026年オフィシャルカレンダー(Agatha Christie Official Calendar 2026)- その11

2025年に英国の HarperCollinsPublishers 社から出版された
「アガサ・クリスティー 2026年オフィシャルカレンダー」のうち、
2026年9月のカレンダーに描かれている
エルキュール・ポワロシリーズの長編第19作目いち、にい、私の靴の留め金を締めて」(1940年)-
クイーンシャーロットストリート58番地にあるヘンリー・モーリー歯科医院での診療を終えて、
建物の外に出たエルキュール・ポワロは、そこでタクシーから降りて来た女性の患者とすれ違い、
その際、彼女が落とした靴の留め金(バックル)を拾って渡すが、
このことが、後々、事件解決のための重要な手掛かりとなる。
2026年9月のカレンダーには、この画面が描かれている。


アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)の作品を出版している英国の HarperCollinsPublishers 社から、2026年オフィシャルカレンダーが出ているので、前回に引き続き、順番に紹介したい。


2026年カレンダーの場合、カレンダー用に新たに描き起こされたエルキュール・ポワロシリーズのイラストが使用されており、デザインについては、Diahann Sturge-Cambell が、また、イラストに関しては、Mr. Stephen Millership / Central Illustration Agency が担当している。


10番目は、2026年9月のカレンダーに該る「One, Two, Buckle My Shoe(いち、にい、私の靴の留め金を締めて)」(1940年)である。


アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第28作目に該り、エルキュール・ポワロシリーズの長編のうち、第19作目に該っている。


「いち、にい、私の靴の留め金を締めて」の場合、米国版のタイトルは、「The Patriotic Murders(愛国殺人)」が使用されている。


エルキュール・ポワロ(Hercule Poirot → 2025年10月11日付ブログで紹介済)がクイーンシャーロットストリート58番地(58 Queen Charlotte Street → 2016年5月29日付ブログで紹介済)にある歯科医ヘンリー・モーリー(Henry Morley)の待合室に居るところから、物語が始まる。


エルキュール・ポワロは、
英国の Orion Publishing Group Ltd. から2023年に発行されている
「エルキュール・ポワロの世界」と言うジグソーパズルの中央に立っている。
<筆者撮影>


流石の名探偵ポワロであっても、半年に一回の定期検診のために、歯科医の待合室で診療を待つのは、自分の自尊心を大いに傷つけられるのであった。ようやく診療を終えて、建物の外に出たポワロは、そこでタクシーから降りて来た女性の患者とすれ違った際、彼女が落とした靴の留め金(バックル)を拾って渡した。

そして、フラットに戻ったポワロを待っていたのは、ついさっき自分を診療したモーリー歯科医が診療室で拳銃自殺をしたとのスコットランドヤードのジャップ主任警部(Chief Inspector Japp)からの連絡であった。


ポワロの後に、モーリー歯科医の待合室にやって来た患者は、以下の3名であることが判る。


(1)マーティン・アリステア・ブラント(Martin Alistair Blunt)/ 銀行頭取

(2)アムバライオティス氏(Mr Amberiotis)/ インドから帰国したばかりのギリシア人 → モーリー歯科医の患者で、元内務省官僚のレジナルド・バーンズ(Reginald Barnes)は、「アムバライオティスは、スパイである上に、恐喝者だ。」と、ポワロに告げる。

(3)メイベル・セインズベリー・シール(Mabelle Sainsbury Seale)/ アムバライオティス氏と同じく、インド帰りの元女優


モーリー歯科医の死が自殺ではなく、他殺の可能性もあると考えて、捜査を開始したポワロであったが、その後、アムバライオティス氏が歯科医が使用する麻酔剤の過剰投与により死亡しているのが発見される。

モーリー歯科医は、アムバライオティス氏の診療ミス(=注射する薬品量の間違い)を苦にして、拳銃自殺を遂げたのだろうか?


続いて、メイベル・セインズベリー・シールが行方不明となり、アルバート・チャップマン夫人(Mrs Albert Chapman)という女性のフラットにおいて、彼女の死体が発見される、しかも、彼女の顔は見分けがつかない程の有り様だった。

チャップマン夫人がメイベル・セインズベリー・シールを殺害の上、逃亡したのだろうか?ところが、モーリー歯科医の診療記録によると、発見された死体は、メイベル・セインズベリー・シールではなく、チャップマン夫人であることが判明する。


ポワロが診療を終えて去った後、モーリー歯科医の診療室において、一体何があったのであろうか?ポワロの灰色の脳細胞がフル回転し始める。 


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