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日本の出版社である東京創元社から、 創元推理文庫として出版されている イーデン・フィルポッツ作「赤毛のレドメイン家」(旧訳版)に付されている地図 - 事件の舞台となる英国デヴォン州と イタリアのコモ湖畔が記されている。 |
プリンスタウンのステーションコテージ3号に住むジェニー・ペンディーン(Jenny Pendean)から話を聞いたスコットランドヤードの刑事であるマーク・ブレンドン(Mark Brendon - 35歳)がプリンスタウン(Princetown)警察署に戻ると、車が待機していたので、事件現場であるフォギンター採石場跡へと向かう。そこには、ハーフヤード署長が待っていた。
ジェニー・ペンディーンから「夜半になっても、叔父ロバート・レドメイン(Robert Redmayne)と夫マイケル・ペンディーン(Michael Pendean)が、フォギンター採石場跡から戻って来ない。」と言う相談を受けたハーフヤード署長は、フォード巡査達を採掘場跡へ派遣。慌てて戻って来たフォード巡査によると、「バンガローが文字通り血の海です。」と言うことだった。
フォード巡査の報告を聞いたハーフヤード署長は、車でフォギンター採石場跡へ向かった。バンガローの台所になる予定の部屋は凄まじく、台所へ入る裏口の横木にまで、血が飛び散っていたのである。
ジェニー・ペンディーンの話を総合すると、彼女の叔父であるロバート・レドメインが彼女の夫であるマイケル・ペンディーンを殺害したものと思われたが、マイケル・ペンディーンの死体は発見できず、また、ロバート・レドメインの行方は杳としてしれなかった。
マーク・ブレンドンは、プリンスタウン警察署に協力し、彼の精力、創意工夫の才、そして、経験を総動員の上、2人の発見に努めたが、どちらの生死も判らないままだった。
夫のマイケル・ペンディーンが行方不明となり、一人になったジェニー・ペンディーンは、2番目の叔父であるベンディゴー・レドメイン(Bendigo Redmayne - 貨物船の元船長)の元で世話になっていることが判った。
貨物船の船長を既に引退していたベンディゴー・レドメインは、デヴォン州(Devon)ダートマス(Dartmouth → 2023年9月6日付ブログで紹介済)の先にある家「烏(カラス)の巣」に住んでいた。
ジェニー・ペンディーンからの手紙を受け取ったマーク・ブレンドンが、指定されたキングスウェア(Kingswear)のフェリー乗り場で待っていると、モーターボートが迎えに来る。
ジェニー・ペンディーンは、ベンディゴー・レドメインと彼のモーターボート操縦士であるジュゼッペ・ドリアの2人に世話になっていた。ジュゼッペ・ドリアは、イタリア / トリノ(Torino)の旧家の出身で、ギリシア彫刻のような美貌の持ち主だった。ジェニー・ペンディーンに想いを寄せていたマーク・ブレンドンは、自分のライバルとなりそうなジュゼッペ・ドリアに対して、競争心を掻き立てられる。
そんな最中、ベンディゴー・レドメイン邸「烏の巣」近辺に、赤毛のロバート・レドメインが姿を見せ、彼に海岸の洞窟へと呼び出されたベンディゴー・レドメインが殺害された。
マーク・ブレンドンは、ダートマス警察署のダマレル署長に協力して、事件を捜査するものの、またもや、ロバート・レドメインは行方知れずのままだった。
身を寄せるところを失ったジェニー・ペンディーンは、レドメイン家で唯一残った1番目の叔父であるアルバート・レドメイン(Albert Redmayne - 書籍蒐集家)の世話になることに決まり、 イタリアへと旅立った。
2つの事件を未解決のままで残したマーク・ブレンドンは、休暇を終えて、ロンドンに戻り、難事件を見事に解決し、翳りが見えた名声をある程度復活させたように思えたが、彼の自尊心は全く回復せず、心の内で熱く燃え盛る恋の炎も、小さくなることはなかった。
数ヶ月後の3月下旬のある日、マーク・ブレンドンは、海外から小さな三角形の包みを受け取った。荷物を開けてみると、中には一切れのウェディングケーキが入っていた。ジェニー・ペンディーンは、彼のライバルであるジュゼッペ・ドリアと結婚していたのである。そして、彼ら2人は、アルバート・レドメイン邸で一緒に暮らしていた。マーク・ブレンドンは、大きなショックを受け、落ち込む。
更に驚くことには、イタリアのグリアンテ(Griante)のコモ湖(Lago di Como)畔に建つアルバート・レドメイン邸の近辺に、ロバート・レドメインが姿を現したのである。
事件を解決できず、苦戦するマーク・ブレンドン。事件の解決には、アルバート・レドメインの友人(米国人)で、ニューヨーク市警察の元刑事であるピーター・ギャンズ(Peter Ganns)の登場を待つ必要があった。

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