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日本の出版社である講談社から 江戸川乱歩推理文庫の1冊(第18巻)として 1989年に第1刷が発行された 江戸川乱歩作「緑衣の鬼」の裏表紙 <装画:天野 喜孝 装幀:安彦 勝博> |
主にデヴォン州(Devon)を舞台にした田園小説、戯曲や詩作で既に名を成した英国の作家であるイーデン・ヘンリー・フィルポッツ(Eden Henry Phillpotts:1862年ー1960年 → 2022年2月6日 / 2月13日付ブログで紹介済)が1922年に発表した推理小説「赤毛のレドメイン家(The Red Redmaynes → 2022年6月12日+2025年4月20日 / 4月21日 / 4月23日付ブログで紹介済)」の登場人物と、明智小五郎シリーズ等で有名な日本の推理作家 / 怪奇・恐怖小説家 / アンソロジストである江戸川乱歩(1894年ー1965年)が、同作の筋書きをベースに、日本向けに翻案 / 脚色 / 再構成して、「講談倶楽部」の1936年(昭和11年)1月号から12月号まで連載した長編小説「緑衣の鬼」の登場人物の間では、設定上、以下のような差異がある。
<探偵役>
(1)
<赤毛のレドメイン家>
マーク・ブレンドン(Mark Brendon):スコットランドヤードの刑事 / 35歳
<緑衣の鬼>
大江 白蛇(おおえ はっこう):探偵小説家 / 35、6歳
(2)
<赤毛のレドメイン家>
該当なし
<緑衣の鬼>
折口 幸吉(おりぐち こうきち):大江 白蛇の友人 / 帝国日日新聞の警視庁詰めの社会部記者 / 30歳前後
(3)
<赤毛のレドメイン家>
ピーター・ギャンズ(Peter Ganns):米国人 / アルバート・レドメイン(後述)の友人 / ニューヨーク市警察の元刑事
<緑衣の鬼>
乗杉 龍平(のりすぎ りゅうへい):夏目 菊太郎の友人 / 警視庁捜査課の元刑事 / 40歳前後
<事件関係者>
(4)
<赤毛のレドメイン家>
ジェニー・ペンディーン(Jenny Pendean - 旧姓:レドメイン(Redmayne)):オーストラリア南部のヴィクトリア州に住むジョン・レドメイン(John Redmayne)の長男:ヘンリー・レドメイン(後述)の娘で、マイケル・ペンディーン(後述)の妻
<緑衣の鬼>
笹本 芳枝(ささもと よしえ - 旧姓:絹川):折口 幸吉の妹 伸子(のぶこ)の女学校時代の友人 / 夏目 菊三郎(後述)の娘で、笹本 静雄(後述)の妻
(5)
<赤毛のレドメイン家>
マイケル・ペンディーン(Michael Pendean):元貿易商 / ジェニー・ペンディーンの夫
<緑衣の鬼>
笹本 静雄(ささもと しずお):童話作家 / 笹本 芳枝の夫
(6)
<赤毛のレドメイン家>
ヘンリー・レドメイン(Henry Redmayne):ジョン・レドメインの長男 / 英国に父親の代理店を設立して、羊毛販売を営む / オーストラリアへ向かう船旅の途中、船が沈没し、妻と一緒に死亡
<緑衣の鬼>
夏目 菊三郎(なつめ きくさぶろう):夏目三兄弟の末弟 / 笹本 芳枝の父 / 借財だけを残して、妻ともども、既に死去
(7)
<赤毛のレドメイン家>
アルバート・レドメイン(Albert Redmayne):ジョン・レドメインの次男 / 書籍蒐集家 / 現在、引退して、イタリアに居住。
<緑衣の鬼>
夏目 菊太郎(なつめ きくたろう):夏目三兄弟の長男 / 粘菌学者 / 現在、和歌山県の人里離れた洋館に居住。
(8)
<赤毛のレドメイン家>
ベンディゴー・レドメイン(Bendigo Redmayne):ジョン・レドメインの三男 / 貨物船の元船長 / 現在、引退して、デヴォン州(Devon)に居住。
<緑衣の鬼>
夏目 菊次郎(なつめ きくじろう):夏目三兄弟の次男 / 数社の会社の大株主で、名義上の重役も務める / 配当生活者
(9)
<赤毛のレドメイン家>
ロバート・レドメイン(Robert Redmayne):ジョン・レドメインの四男 / 元大尉
<緑衣の鬼>
夏目 太郎(なつめ たろう):夏目 菊次郎の息子 / 27、8歳 / 緑色を偏愛しており、服装や所持品を全て緑色としている / 笹本 芳枝に対して、思いを寄せている
(10)
<赤毛のレドメイン家>
ジュゼッペ・ドリア:ベンディゴー・レドメインのモーターボート操縦士 / イタリア / トリノ(Torino)の旧家の出身 / ギリシア彫刻のような美貌の持ち主
<緑衣の鬼>
山崎(やまざき):夏目 菊次郎の秘書 / 笹本 芳枝の護衛係 / ギリシア彫刻のような美貌の持ち主

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