2025年4月22日火曜日

ロンドン ホルボーン地区(Holborn)- その2

リンカーンズ・イン・フィールズ66番地の建物
(66 Lincoln's Inn Fields, London WC2A 3LH)


アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)作「エッジウェア卿の死(Lord Edgware Dies → 2025年3月19日 / 3月29日付ブログで紹介済)」(1933年)の場合、リージェントゲート(Regent Gate → 2025年3月23日付ブログで紹介済)に住むエッジウェア卿(Lord Edgware - 第4代エッジウェア男爵ジョージ・アルフレッド・セント・ヴィンセント・マーシュ(George Alfred St. Vincent Marsh, 4th Baron Edgware)/ 美術品のコレクター)が殺害された夜、妻のジェーン・ウィルキンスン(Jane Wilkinson - 米国出身の舞台女優)は、晩餐会に出席していた。


筆者がチジックハウス(Chiswick House)で購入した
イングリッシュヘリテージ(English Heritage)のガイドブック


その晩餐会は、テムズ河(River Thames)畔のチジック地区(Chiswick → 2016年7月23日付ブログで紹介済)にあるサー・モンタギュー・コーナー(Sir Montague Corner)邸において開催された。



リンカーンズ・イン・フィールズ内の庭園(その1)


一方、英国の TV 会社 ITV 社による制作の下、「Agatha Christie’s Poirot」の第47話(第7シリーズ)として、2000年1月19日に放映されたアガサ・クリスティー作「エッジウェア卿の死」のTV ドラマ版( → 2025年3月24日 / 3月26日 / 3月31日 / 4月1日 / 4月3日 / 4月5日付ブログで紹介済)の場合も、ジェーン・ウィルキンスンは、晩餐会に出席していた。

その晩餐会は、テムズ河畔のチジック地区ではなく、ロンドンのホルボーン地区(Holborn → 2016年9月24日付ブログで紹介済)にあるサー・モンタギュー・コーナー邸において開催されている。


リンカーンズ・イン・フィールズ65番地の建物
(65 Lincoln's Inn Fields, London WC2A 3AA)

リンカーンズ・イン・フィールズ65番地の建物外壁に掛けられているブループラーク


ホルボーン地区は、ロンドンの中心部シティー・オブ・ウェストミンスター区(City of Westminster)の北側に位置するロンドン特別区の一つであるロンドン・カムデン区(London Borough of Camden)内にある。


リンカーンズ・イン・フィールズ61番地の建物
(61 Lincoln's Inn Fields, London WC2A 3JW)-
現在、クラブ クォーターズ ホテル リンカーンズ イン フィールズ
(Club Quarters Hotel Lincoln's Inn Fields)が営業している。

リンカーンズ・イン・フィールズ内の庭園(その2)

「ホルボーン」の名前は、古製英語で(1)「窪地/盆地(hollow)」を意味する「hol」と(2)「小川(brook)」を意味する「bourne」が合わさったものに由来すると言われている。実際、ホルボーン地区辺りには、昔フリート川(River Fleet)が流れていたことに起因してる。

一方で、フリート川に流れ込んでいた古い川を意味する「Old Bourne」に由来するという説もある。

ホルボーン地区は、「Holborn District」(1855年)→「Metropolitan Borough of Holborn」(1900年)→「London Borough of Camden」(1965年)という変遷を辿っている。


リンカーンズ・イン・フィールズ内の庭園(その3)

リンカーンズ・イン・フィールズ内の庭園(その4)

ホルボーン地区の真ん中を、ピカデリーサーカス(Piccadilly Circus)とシティー・オブ・ロンドン(City of London → 2018年8月4日 / 8月11日付ブログで紹介済)を結ぶハイホルボーン通り(High Holborn)が東西に貫いている。

19世紀頃には、ハイホルボーン通りには宿屋や居酒屋(パブ)等が多く建ち並んでいたが、現在はオフィスビルやホテル等が増えてきている。スーパーマーケットのセインズベリーズ(Sainsbury's)の本社が入居しているビルも、上記の中に含まれる。

近年、シティー内に流入する企業が増加しており、シティー内におけるオフィス供給に限界があるため、シティーに隣接するホルボーン地区内での不動産開発(特にオフィスビル)が進んでいる。オフィスビルやホテル等が建ち並ぶに従って、レストランや小売業のチェーン店等も通り沿いに集まってきている。


リンカーンズ・イン・フィールズ29番地の建物
(29 Lincoln's Inn Fields, London WC2A 3EG
→ 2017年4月2日付ブログで紹介済)

リンカーンズ・イン・フィールズの北東角から北へ延びる
ニューマンズロウ(Newmans Row)側にある
リンカーンズ・イン・フィールズ29番地の建物外壁に、
設計者(左側)と建設業者(右側)が刻まれている

TV ドラマ版の場合、晩餐会が開催されたサー・モンタギュー・コーナー邸がホルボーン地区のどこに所在しているのかについては、言及されていないが、前述の内容やサー・モンタギュー・コーナー邸だと言うことを考えると、リンカーンズ・イン・フィールズ(Lincoln’s Inn Fields → 2016年7月3日付ブログで紹介済)内に所在しているのではないかと推測される。 


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