2023年7月24日月曜日

英国ロイヤルバレエ団初演「ロミオとジュリエット」(Romeo and Juliet performed by The Royal Ballet)- その1

今回は、イングランドの劇作家 / 詩人であるウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare:1564年ー1616年)作の悲劇「ロミオとジュリエット(Romeo and Juliet)」(1595年ー1596年)を題材にしたバレエ作品について、紹介したい。

それは、英国ロイヤルバレエ団(The Royal Ballet)が1965年に初演した「ロミオとジュリエット」である。


ロイヤルオペラハウスにおいて行われた
英国ロイヤルバレエ団による演目「ロミオとジュリエット」のプログラムの表紙
(筆者がロイヤルオペラハウスにおいて購入)-
写真は、アイルランドのバレエダンサー / 振付家で、
英国ロイヤルバレエ団の創設者である
ディム・ニネット・ド・ヴァロワ(Dame Ninette de Valois:1898年ー2001年 /
本名:エドリス・スタナス(Edris Stannus))。


「ロミオとジュリエット」は、英国ロイヤルバレエ団が、米国公演において上演するために企画したもので、


音楽:セルゲイ・セルゲーエヴィチ・プロコフィエフ(Sergei Sergeyevich Prokofiev:1891年ー1953年 / ロシアの作曲家、指揮者、ピアニスト、指揮者)


フランスの画家である
アンリ・マティス(Henri Matisse:1869年ー1954年)による
セルゲイ・セルゲーエヴィチ・プロコフィエフの自画像
(上記のプログラムから抜粋)

振付:サー・ケネス・マクミラン(Sir Kenneth MacMillan:1929年ー1992年 / 英国のバレエ振付家)


サー・ケネス・マクミランの写真
<撮影:Mr. Anthony Crickmay>
(上記のプログラムから抜粋)

舞台美術と衣装:ニコラス・ジョージアディス(Nicholas Georgiadis:1923年ー2001年 / ギリシアの画家、舞台美術家、衣装デザイナー)


の下、1965年2月9日に、ロイヤルオペラハウス(Royal Opera House → 2015年8月29日付ブログで紹介済)において、英国ロイヤルバレエ団によって初演された。


ボウストリート(Bow Street)の南側から見たロイヤルオペラハウス
(筆者が撮影)


英国ロイヤルバレエ団から「ロミオとジュリエット」の振付を依頼されたケネス・マクミランは、ジュリエット・キャピュレット(Juliet Capulet)役にリン・シーモア(Lynn Seymour:1939年ー2023年 / カナダのバレエダンサー、振付家)を、そして、ロミオ・モンタギュー(Romeo Montague)役にクリストファー・マイケル・ゲイブル(Christopher Michael Gable:1940年ー1998年 / 英国のバレエダンサー、振付家、俳優)を据えて、振付を行なった。

にもかかわらず、興行上の理由から、初日(1965年2月9日)の主役は、ディム・マーゴ・フォンティン(Dame Margot Fonteyn:1919年ー1991年 / 英国のバレエダンサー)がジュリエット役に、そして、ルドルフ・ヌレエフ(Rudolf Nureyev:1938年ー1993年 / ソ連のバレエダンサー)がロミオ役に決まった。マーゴ・フォンティンとルドルフ・ヌレエフの2人は、当時、英国ロイヤルバレエ団を代表するバレエダンサーであり、2人の名声を生かして、興行成績を上げることが、主な理由だったのである。

リン・シーモアとクリストファー・マイケル・ゲイブルの2人も、セカンドキャストとして、「ロミオとジュリエット」に主演したが、彼らが初日の主役を踊れなかったことに、ケネス・マクミランは、非常に落胆した。また、英国ロイヤルバレエ団全体にも、大きな失望を与えた。

その結果、後に、ケネス・マクミランとリン・シーモアは、英国ロイヤルバレエ団を去り、一方、クリストファー・マイケル・ゲイブルは、バレエを離れて、他の活動へと向かうことになったのである。


0 件のコメント:

コメントを投稿