英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より、2020年に発売されたジグソーパズル「シェイクスピアの世界(The World of Shakespeare)」には、のイラスト内には、イングランドの劇作家 / 詩人であるウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare:1564年ー1616年 → 2023年5月19日付ブログで紹介済)や彼が生きた時代の人物、彼の劇が上演されたグローブ座、そして、彼が発表した史劇、悲劇や喜劇に登場するキャラクター等が散りばめられているので、前回に続き、順番に紹介していきたい。
今回紹介するのは、ウィリアム・シェイクスピア作の喜劇「空騒ぎ(Much Ado About Nothing)」(1598年ー1599年頃)で、ウィリアム・シェイクスピアの喜劇の中でも、最良の作品の一つと考えられている。
テムズ河(River Thames)に浮かぶボートの上で、 パドヴァの貴族 / 兵士で、ドン・ペドロの従者であるベネディック(左側の人物)と レオナートの姪で、ヒーローの姉のような存在であるベアトリス(右側の人物)の2人が、 口喧嘩を繰り広げている。 |
物語の舞台は、シチリア島のメッシーナ(Messina)。
戦さに勝利したアラゴン大公(Prince of Aragon)のドン・ペドロ(Don Pedro)が、
(1)ベネディック(Benedick):パドヴァ(Padua)の貴族 / 兵士で、ドン・ペドロの従者
(2)クローディオ(Claudio):フローレンス(Florence)の貴族で、ドン・ペドロの従者
(3)バルサザール(Balthasar):ドン・ペドロの付き人
(4)ドン・ジョン(Don John):ドン・ペドロの異母弟
(5)ボラチオ(Borachio):ドン・ジョンの家来
(6)コンラッド(Conrade):ドン・ジョンの家来
を伴って、メッシーナに到着する。
ドン・ペドロ一行は、メッシーナの知事(governor)であるレオナート(Leonato)の屋敷に滞在することになった。
メッシーナに到着した純真なクローディオは、レオナートの一人娘であるヒーロー(Hero)に一目惚れをする。
また、独身主義者であるベネディックは、レオナートの姪で、ヒーローの姉のような存在であるベアトリス(Beatrice)との間で、口喧嘩を始める。
更に、ドン・ジョンの家来のボラチオは、ヒーローの侍女に対して、色目を使う。
ただ、ドン・ペドロの異母弟であるドン・ジョンは、一人浮かない顔をしている。
ロンドン橋(London Bridge)とロンドン塔(Tower of London)の間にあるテムズ河北岸の道を、 巡査のドグベリー(Dogberry - 左側の人物)と 小役人のヴァージス(Verges - 右側の人物)の2人が彷徨いている。 なお、この2人は、「空騒ぎ」において、道化役を務める。 |
ドン・ペドロは、クローディオがヒーローに自分の恋心を打ち明けられないでいることを知ると、仮面舞踏会(masquerade ball)において、クローディオに変装し、彼の代わりに、ヒーローに求婚するという一計を案じた。
その話を立ち聞きしたボラチオが、主人のドン・ジョンに報告した。兄のドン・ペドロのことを憎んでいるドン・ジョンは、クローディオに対して、「君が恋しているヒーローに、私の兄のドン・ペドロが横恋慕しようとしている。」と嘘の内容を伝えて、ドン・ペドロの計画を潰そうとする。
ところが、ドン・ジョンによる横槍はうまく功を奏さず、誤解が簡単に解けたクローディオとヒーローは、1週間後に結婚式を行う運びとなった。
更に、ドン・ペドロは、口喧嘩ばかりしているベネディックとベアトリスを恋仲にする計画も立てた。ヒーロー達も、ドン・ペドロに対して、協力を申し出る。
ベネディックが立ち聞きしていることを知りながら、ドン・ペドロが「ベアトリスは、ベネディックに恋しているから、彼に対して、口喧嘩を仕掛けるのだ!」と言う話をすると、その話を聞いたベネディックは、ベアトリスを愛するようになる。
一方、ヒーローから話を聞いたベアトリスも、「ベネディックは、自分を愛している。」と思い込んで、ベネディックに対して、恋心を抱くのであった。
このように、ベネディックとベアトリス、そして、クローディオとヒーローと言う2組の恋人同士を中心にして、物語が展開していくが、最初の計画が失敗したドン・ジョンとボラチオは、新たな計画を立てて、クローディオとヒーローの結婚式を台無しにしようと画策するのであった。
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