2023年7月19日水曜日

シェイクスピアの世界<ジグソーパズル>(The World of Shakespeare )- その18

英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より、2020年に発売されたジグソーパズル「シェイクスピアの世界(The World of Shakespeare)」には、のイラスト内には、イングランドの劇作家 / 詩人であるウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare:1564年ー1616年 → 2023年5月19日付ブログで紹介済)や彼が生きた時代の人物、彼の劇が上演されたグローブ座、そして、彼が発表した史劇、悲劇や喜劇に登場するキャラクター等が散りばめられているので、前回に続き、順番に紹介していきたい。


今回紹介するのは、ウィリアム・シェイクスピア作の悲劇「リア王(King Lear)」(1605年ー1606年)である。

全5幕で構成される四大悲劇の一つとなっている。


ロンドン橋(London Bridge)近くのテムズ河(River Thames)の北岸に、
左側から、(1)次女のリーガン、(2)ブリテンのリア王、
(3)エドガー(Edgar - グロスター伯爵(earl of Gloucester)の嫡子。
グロスター伯爵の庶子で、異母弟であるエドマンド(Edmund)の奸計により、
父グロスター伯爵から勘当される。)、
(4)長女のゴネリル、(5)リア王付きの道化師(Fool)、
そして、(6)三女のコーデリアの6人が描かれている。


「リア王」は、1606年12月26日に宮廷で上演されたと記録されているが、初演は、ウィリアム・シェイクスピアが属していた「グローブ座(Globe Theatre → 2023年5月8日付ブログで紹介済)」であると考えられている。


ブリテン(Britain)のリア王(King Lear)は、高齢のため、王位から退くにあたり、3人の娘に対して、自国を分割し、与えることに決めた。そして、自分に一番孝行な娘に、最大の領地を与えると宣った。


リア王の話を聞いた長女のゴネリル(Goneril - オルバニー公爵(Duke of Albany)の妻)と次女のリーガン(Regan - コンウォール公爵(Duke of Cornwall)の妻)の2人は、甘言を弄して、父王を喜ばせた結果、領地を与えられる。リア王は、生来の気性の荒さと耄碌により、長女ゴネリルと次女リーガンの腹の底を見抜くことができなかったのである。


一方、三女で、末娘であるコーデリア(Cordelia)は、父王に対して、実直な物言いをしたため、それに立腹したリア王は、彼女を勘当してしまう。また、リア王の忠臣で、彼女を庇ったケント伯爵(Earl of Kent)も、追放の憂き目を見ることになった。

リア王に勘当されたコーデリアは、彼女の求婚者で、誠実なフランス王(King of France)の妃となる。リア王に追放されたケント伯爵は、自分の風貌を変えると、カイウス(Caius)と言う名前で、リアに再び仕えることとなる。


テムズ河(River Thames)南岸のウォータールーロード(Waterloo Road)沿いに建つ
ザ・オールド・ヴィック劇場(The Old Vic Theatre)


ザ・オールド・ヴィック劇場において、
2016年に上演されたウィリアム・シェイクスピア作「リア王」
(英国のロイヤルメールから発行された記念切手の1枚)

リアは、領地を与えた長女ゴネリルと次女リーガンを信じて頼るが、2人に裏切られて、流浪の身となり、次第に狂気に取り憑かれていく。

父の身を案じたフランス王妃のコーデリアは、フランス軍とともに、ドーヴァー(Dover)に上陸して、父との再会を果たした。リアは、三女コーデリアの真心を知ることになる。


リアと三女コーデリアは、フランス軍を率いて、長女ゴネリルと次女リーガンの軍勢と戦うも、敗れ去り、2人は捕虜として捕らわれてしまった。

カイウス(元ケント伯爵)達の尽力により、リアは助け出されるが、残念ながら、コーデリアは、獄中で殺されていた。

三女コーデリアの遺体を抱いたリアは、悲嘆と狂乱の中、絶叫して、哀れな最期を遂げるのであった。


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