テイト・ブリテン美術館で購入した ジョン・シンガー・サージェント作「カーネーション、リリー、リリー、ローズ」 (1885年ー1886年) Oil paint on canvas 174 cm x 153.7 cm Presented by the Trustees of the Chantrey in 1887 |
英国のヨーク(York)出身の作家で、フリーランスの編集者でもあるティム・メージャー(Tim Major)が2021年に発表した「シャーロック・ホームズ / 背中合わせの殺人(Sherlock Holmes / The Back to Front Murder → 2023年7月11日 / 7月13日付ブログで紹介済)」において、ロナルド・バイザウッド(Ronald Bythewood)と言う60代の男性が、National Gallery of British Art <テイト・ブリテン美術館(Tate Britain → 2018年2月18日付ブログで紹介済)>の南側の入口の前にある水飲み場から水を飲んだところ、不可解な死を遂げる。そして、推理作家で、次回作のために、空のカプセルで彼を毒殺する実験を実行したアビゲイル・ムーン(Miss Abigail Moone)が、殺人犯として、スコットランドヤードに疑われたため、シャーロック・ホームズに対して、助けを求める。
ロナルド・バイザウッド殺害の容疑者となったアビゲイル・ムーンは、ホームズとジョン・H・ワトスンを連れて、National Gallery of British Art 内を案内しながら、毒殺されたロナルド・バイザウッドの当日の行動を説明する。その際、彼ら3人が通り抜けて行く部屋の壁に掛かっている絵画の一つについて、「two young girls in nightgowns lighting paper lanterns in an overgrown garden」と言う記述が見られる。
この絵画は、実在のもので、米国人の画家であるジョン・シンガー・サージェント(John Singer Sargent:1856年ー1925年)が描いた油絵の「カーネーション、リリー、リリー、ローズ(Carnation, Lily, Lily, Rose)」(1885年-1886年)である。
ジョン・シンガー・サージェントは、フランスにおいて、美術教育を受けた後、19世紀後半から20世紀前半にかけて、主にロンドンとパリで活動した。
ジョン・シンガー・サージェントが描いた「カーネーション、リリー、リリー、ローズ」において、「盆提灯」とヤマユリ(山百合 / Lilium auratum)」の2つが、画面上、重要な役割を果たしている。
(1)当時、日本から輸出された「盆提灯」が、画面上に数多く配されているとともに、2人の少女がそれぞれ左手に持った盆提灯に火を灯している。
(2)また、日本から球根が輸出されている「ヤマユリ」が、画面の奥で咲いている。花の中心にある黒い斑点と黄色い芒は、ヤマユリの特徴である。
なお、「カーネーション、リリー、リリー、ローズ」は、1887年にテイト・ブリテン美術館に寄贈されている。
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