第50話「五匹の子豚」が収録された エルキュール・ポワロシリーズの DVD コレクション No. 5 の裏表紙 - 右側から2番目の場面が「五匹の子豚」のシーン。 なお、前面の人物がエルキュール・ポワロで、 背後の人物がメレディス・ブレイク( Meredith Blake - 左側)と フィリップ・ブレイク(Philip Blake - 右側)である。 |
英国の TV 会社 ITV 社による制作の下、「Agatha Christie’s Poirot」の第50話(第9シリーズ)として、2003年12月14日に放映されたアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)作「五匹の子豚(Five Little Pigs)」(1942年)の TV ドラマ版の場合、原作対比、以下のような差異が見受けられる。
英国 TV ドラマ版の冒頭、刑務所内において、カロリン・クレイル(Caroline Crale - アミアス・クレイル(Amyas Crale - 画家)の妻 / 夫を毒殺した罪で起訴され、有罪となる)が、娘宛に手紙を書いているシーンから始まる。
(1)
<原作>
原作の場合、カロリン・クレイルは、夫のアミアス・クレイル毒殺の罪状により、「終身刑」に処せられ、1年後に獄中で死亡している。
<英国 TV ドラマ版>
英国 TV ドラマ版の場合、カロリン・クレイルは、夫のアミアス・クレイル毒殺の罪状により、「絞首刑」に処せられている。
(2)
<原作>
原作の場合、カロリン・クレイルの娘が、エルキュール・ポワロに対して、自分の母親の事件の再調査を依頼するのは、「事件から16年後」である。
<英国 TV ドラマ版>
英国 TV ドラマ版の場合、カロリン・クレイルの娘が、ポワロに対して、自分の母親の事件の再調査を依頼するのは、「事件から14年後」である。
(3)
<原作>
原作の場合、ポワロに事件の調査を依頼するのは、カーラ・ルマルション(Carla Lemarchant)こと、本名カロリン・クレイル(Caroline Crale)で、母親と名前が同じである。
<英国 TV ドラマ版>
英国 TV ドラマ版の場合、事件の依頼人の名前が、ルーシー・ルマルション(Lucy Lemarchant)こと、本名ルーシー・クレイル(Lucy Crale)へと変更されている。これは、母親との同姓同名を避けるための措置だと思われる。
ストランド通り(Strand)の反対側から見たサヴォイホテル |
(4)
<原作>
原作の場合、ルーシー・ルマルションが、ポワロに対して、自分の母親の事件の再調査を依頼する場所は、ポワロのフラット / 事務所である。
<英国 TV ドラマ版>
英国 TV ドラマ版の場合、ルーシー・ルマルションが、ポワロに対して、自分の母親の事件の再調査を依頼する場所は、サヴォイホテル(Savoy Hotel → 2016年6月12日付ブログで紹介済)のレストランである。
ストランド通りに面したサヴォイホテルの玄関上部 |
(5)
<原作>
原作の場合、カーラ・ルマルションには、ジョン・ラッテリー(John Rattery)と言う名前の婚約者が居る。
<英国 TV ドラマ版>
英国 TV ドラマ版の場合、ルーシー・ルマルションには、婚約者は居ない。
(6)
<原作>
原作の場合、カーラ・ルマルションとしては、犯罪を行う傾向が、母親から、彼女本人を介して、自分の子供達へと遺伝するのではないかと非常に懸念しており、その疑念を払拭するため、ポワロに対して、自分の母親の事件の再調査を依頼している。
<英国 TV ドラマ版>
英国 TV ドラマ版の場合、ルーシー・ルマルションは、自分の母親の無実を確信しており、純粋に、自分の母親の無罪を立証するため、ポワロに対して、自分の母親の事件の再調査を依頼している。
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