2023年5月11日木曜日

シェイクスピアの世界<ジグソーパズル>(The World of Shakespeare )- その4

英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より、2020年に発売されたジグソーパズル「シェイクスピアの世界(The World of Shakespeare)」には、のイラスト内には、イングランドの劇作家 / 詩人であるウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare:1564年ー1616年)や彼が生きた時代の人物、彼の劇が上演されたグローブ座、そして、彼が発表した史劇、悲劇や喜劇に登場するキャラクター等が散りばめられているので、前回に続き、順番に紹介していきたい。


今回紹介するのは、ウィリアム・シェイクスピア作の喜劇「夏の夜の夢(A Midsummer Night’s Dream)」(1595年ー1596年)である。

今回は、「その2」となる。


貴族のハーミア(Hermia)、ライサンダー(Lysander)、ヘレナ(Helena)とディミートリアス(Demetrius)の4人が、結婚に関する問題を抱えて、そして、ニック・ボトム(Nick Bottom - 職工)、ピーター・クインス(Peter Quince - 大工)、フランシス・フルート(Francis Flute - オルガン修理屋)、ロビン・スターヴェリング(Robin Starveling - 仕立て屋)、トム・スナウト(Tom Snout - 鋳掛け屋)とスナッグ(Snug - 指物師)の6人が、アテナの公爵シーシアス(Theseus)とアマゾン国の女王ヒポリタ(Hippolyta)の結婚式で演じるお祝いの芝居を練習するため、夏至の夜、アテナ近郊の森へと向かった。彼らが向かった森は、実は、妖精達が集う場所だった。


ジグソーパズルの左下の部分に、「グローブ座」が描かれているが、
その舞台上に、「夏の夜の夢」の登場人物が、姿を見せている。
上段の右側の人物が、妖精の王であるオーベロンで、
上段の左側の人物が、妖精の女王であるティターニア。
また、下段の真ん中の人物が、頭を驢馬に変えられた職工のニック・ボトムで、
ニック・ボトムの両側に居るのは、妖精達。

彼らが向かった森の中では、妖精の王であるオーベロン(Oberon)と女王であるティターニア(Titania)が、養子の「とりかえ子(Indian changeling)」を巡って、喧嘩をしていた。

喧嘩で機嫌を損ねたオーベロンは、悪戯好きの妖精であるパック(Puck)に対して、ティターニアの瞼(まぶた)に、花の汁から作った媚薬を塗るよう、命令した。この媚薬には、瞼に塗られた人が目を覚ました後、最初に見た人に恋してしまう作用があった。


ジグソーパズルの左上の部分にある森深くに、
2組のカップル
(ハーミアとライサンダー、そして、ディミートリアス
とヘレナ)が居るが、
彼らの頭上に生えている樹木の上に、
悪戯好きの妖精であるパックが描かれている。


悪戯好きのパックは、森の中で眠っていた貴族のライサンダー達には、オーベロンから渡されたこの媚薬を塗ってしまう。

その結果、ライサンダーとディミートリアスの二人は、本来のハーミアではなく、ヘレナを愛するようになり、今までの4人の関係が、逆方向へと向いてしまった。


更に、パックは、森へ芝居の練習に来ていた職人のニック・ボトムの頭を驢馬(ロバ)へと変えてしまう。

ちょうどその時、ティターニアが目を覚まし、頭を驢馬に変えられたニック・ボトムのことを愛するようになる。


こうして、パックの悪戯により、貴族達、職人達、そして、妖精達の関係が大混乱に陥るのであった。


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