2023年5月23日火曜日

シェイクスピアの世界<ジグソーパズル>(The World of Shakespeare )- その6

英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より、2020年に発売されたジグソーパズル「シェイクスピアの世界(The World of Shakespeare)」には、のイラスト内には、イングランドの劇作家 / 詩人であるウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare:1564年ー1616年 → 2023年5月19日付ブログで紹介済)や彼が生きた時代の人物、彼の劇が上演されたグローブ座、そして、彼が発表した史劇、悲劇や喜劇に登場するキャラクター等が散りばめられているので、前回に続き、順番に紹介していきたい。


今回紹介するのは、ウィリアム・シェイクスピア作の史劇「ヘンリー5世(The Life of Henry the Fifth)」(1599年)である。


グローブ座の右斜め前の広場に置かれた小舞台の上に、
戦いの準備ができたヘンリー5世が描かれている。


史劇「ヘンリー5世」は、ランカスター朝第2代のイングランド王で、同朝の絶頂期を築いたヘンリー5世(Henry V:1387年ー1422年 在位期間:1413年ー1422年)の生涯を描いており、プロローグ、第1幕~第5幕、そして、エピローグから構成されている。特に、1415年10月25日にフランスのアジャンクールにおいて行われた百年戦争(Hundred Years’ War)のアジャンクールの戦い(Battle of Agincourt)前後に、焦点が当てられている。

史劇「ヘンリー5世」は、(1)「リチャード2世(King Richard the Second)」(1595年)、(2)「ヘンリー4世 第1部(The First Part of Henry the Fourth)」(1596年-1597年)および(3)「ヘンリー4世 第2部(The Second Part of Henry the Fourth)」(1598年)に続くヘンリアド(Henriad)4部作の最終作となる。

なお、「ヘンリアド」とは、上記の史劇4部作をひとまとまりの作品群として取り扱う際、ウィリアム・シェイクスピア研究者がよく用いる名称である。


「ヘンリー4世」において、ヘンリー5世は、ランカスター朝第最初のイングランド王であるヘンリー4世(Henry IV:1366年ー1413年 在位期間:1399年ー1413年)の子供として登場し、手に負えない、かつ、自制心に欠ける若き王子として描かれていたが、「ヘンリー5世」では、分別ある王へと成長しており、フランスの征服へと乗り出し、第5幕で、アジャンクールの戦いに勝利したヘンリー5世は、フランス王からフランスの王位継承者として認められる。


テムズ河(River Thames)南岸のウォータールーロード(Waterloo Road)沿いに建つ
ザ・オールド・ヴィック劇場(The Old Vic Theatre)


ザ・オールド・ヴィック劇場において、
1955年に上演されたウィリアム・シェイクスピア作「ヘンリー5世」
(英国のロイヤルメールから発行された記念切手の1枚)

「ヘンリー5世」は、1599年作と考えられており、ウィリアム・シェイクスピアが座付き劇作家として在籍していた劇団「宮内大臣一座」によって、同年に建てられた「グローブ座(Globe Theatre → 2023年5月8日付ブログで紹介済)」で初演されたと伝えられている。

なお、記録として残っている最初の上演は、1605年1月7日に宮廷で行われたものである。


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