2023年2月7日火曜日

アガサ・クリスティーの世界<ジグソーパズル>(The World of Agatha Christie )- その12

英国の Orion Publishing Group Ltd. から出ている「アガサ・クリスティーの世界(The World of Agatha Christie)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)の生涯や彼女が執筆した作品等に関連した90個の手掛かりについて、前回に続き、紹介していきたい。


今回も、アガサ・クリスティーが執筆した作品に関連する手掛かりの紹介となる。


(45)黄金の椰子(ヤシ)(golden palms)


体調を崩したミス・ジェイン・マープルが、
甥のレイモンド・ウェストによるはからいにより、
カリブ海のサントノーレ島で転地療養していた。
その際、彼女が滞在していたリゾートホテルの名前が、
「黄金の椰子」、即ち、「ゴールデンパーム」なのである。


本ジグソーパズルの一番左端に、ツタンカーメン(Tutankhamun)の装飾が為された石棺(sarcophagus → 2023年2月3日付ブログで紹介済)があり、その右横の本棚の上から2段目に、黄金の椰子(ヤシ)が置かれている。
これから連想されるのは、アガサ・クリスティーが1964年に発表したミス・ジェイン・マープル(Miss Jane Marple)シリーズの長編第9作目の「カリブ海の秘密(A Caribbean Mystery)」で、転地療養のために、ミス・マープルが滞在していたカリブ海のサントノーレ島(St. Honore)にあるリゾートホテルの名前が、「ゴールデンパーム(Golden Palm)」なのである。

Harper Collins Publishers 社から出版されている
「カリブ海の秘密」のペーパーバック版の表紙
<イラスト:ビル・ブラッグ氏(Mr. Bill Bragg)>

今回、物語の舞台となるのは、いつも通りのロンドン郊外にあるセントメアリーミード村(St. Mary Mead)ではなく、カリブ海のサントノーレ島にあるリゾートホテル「ゴールデンパーム」である。セントメアリーミード村に住むミス・マープルは、現在、このリゾートホテルに滞在していた。

実は、ミス・マープルは、ここのところ、体調を崩しており、そのため、甥のレイモンド・ウェスト(Raymond West)が、彼女のために、カリブ海での転地療養を手配してくれたのである。


ミス・マープルは、滞在客の一人であるパルグレイヴ少佐(Major Palgrave)から、あまり面白くない懐古話をよく聞かされて、少しばかり閉口していた。ミス・マープルとしては、パルグレイヴ少佐が披露する新聞が騒ぎ立てるような事件よりも、セントメアリーミード村で起きるような、平凡な人々の殺人事件の方に、より興味があった。


ある日、パルグレイヴ少佐は、ミス・マープルに対して、見たところ普通の男が新婚の若妻を殺したという話をしており、ミス・マープルも、彼の話を熱心に聞き入っていた。パルグレイヴ少佐は、ミス・真プルに、「その殺人犯の写真を見たいか?」と尋ねると、財布の中からその写真を取り出そうとした。

ところが、有閑階級の人々の取り留めのないのないおしゃべりが聞こえてくると、パルグレイヴ少佐は、彼が話題にした殺人犯の写真を彼女に見せてくれることはなく、突然、話題を変えてしまった。不思議に感じたミス・マープルが顔をあげると、二人の近くに、数人の人達が居るのが、目に入った。


翌朝、パルグレイヴ少佐が自室で無くなっているのを、ホテルのメイドであるヴィクトリア(Victoria)が発見した。リゾートホテルに居る人達は、口を揃えて、パルグレイヴ少佐は高齢な上、高血圧だったことを死因だと指摘したが、ミス・マープルとしては、彼が殺されたことを確信した。

ミス・マープルは、パルグレイヴ少佐の検死を行った地元のグラハム医師(Dr. Graham)に依頼し、前の日にパルグレイヴ少佐が一旦は見せようとしていた写真を探してもらったが、残念ながら、見つからなかった。果して、その写真は、何処へ行ったのか?


ビル・ブラッグ氏が描く
ミス・マープルシリーズの長編第9作目である
「カリブ海の秘密」の一場面


ミス・マープルは、早速、リゾートホテルの人達への聞き込みを始めるのであった。


(1)ティム・ケンダル(Tim Kendal):リゾートホテルのオーナー

(2)モリー・ケンダル(Molly Kendal):リゾートホテルのオーナー

(3)キャノン・プレスコット(Canon Prescott):牧師

(4)ミス・プレスコット(Miss Prescott):牧師の妹

(5)グレッグ・ダイスン(Greg Dyson):米国人

(6)ラッキー・ダイスン(Lucky Dyson):グレッグが再婚した妻

(7)エドワード・ヒリングドン(Edward Hillingdon):ラッキーと不倫中。

(8)エヴリン・ヒリングドン(Evelyn Hillingdon):エドワードの妻

(9)ジェイスン・ラファエル(Jason Rafiel):車椅子に乗った実業家

(10)ジャクスン(Jackson):ラファエル氏の看護師兼付き人

(11)エスター・ウォルターズ(Esther Walters):ラファエル氏の秘書

(12)セニョーラ・デ・カスペアロ(Senora de Caspearo):ミス・マープルが海岸で出会った休暇中の女性


パルグレイヴ少佐を殺害した犯人は、一体、誰なのか?

被害者は、パルグレイヴ少佐だけにとどまらず、更に続くのであった。


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