英国の Orion Publishing Group Ltd. から出ている「アガサ・クリスティーの世界(The World of Agatha Christie)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)の生涯や彼女が執筆した作品等に関連した90個の手掛かりについて、前回に続き、紹介していきたい。
今回も、アガサ・クリスティーが執筆した作品に関連する手掛かりの紹介となる。
(46)真珠の首飾り(pearl necklace)
リトルパドックス館の女主人であるレティシア・ブラックロックが 常時身に着けている真珠の首飾り |
(47)チッピングクレグホーン村の地元紙朝刊「ギャゼット」(Chipping Cleghorn Gazette)
リトルパドックス館において、殺人が発生することが予告された チッピングクレグホーン村の地元紙朝刊「ギャゼット」 |
Harper Collins Publishers 社から出版されている 「予告殺人」のペーパーバック版の表紙 <イラスト:ビル・ブラッグ氏(Mr. Bill Bragg)> |
チッピングクレグホーン村(Chipping Cleghorn)の地元紙朝刊「ギャゼット(Gazette)」の広告欄に、非常に変わった連絡が掲載された。「殺人をお知らせ致します。10月29日の金曜日、午後6時半にリトルパドックス館においてです。(A murder is announced and will take place on Friday, October 29th, at Little Paddocks, at 6:30 pm.)」と。
チッピングクレグホーン村の郊外にあるリトルパドックス館(Little Paddocks)の女主人であるレティシア・ブラックロック(Letitia Blacklock)は、この広告を見て困惑する。一方で、当日、好奇心旺盛な村の人々が、続々とリトルパドックス館に集まって来て、何が起きるのか、とても心待ちにしていた。
そして、時計が午後6時半を告げた時、室内の明かりが突然消えると、部屋の扉が開いて、懐中電灯を持った男が姿を現した。村の人々が何かの余興だと思った時、銃声が響く。
部屋の扉が閉まり、明かりが灯ると、そこには、突然部屋に侵入して来た男の死体が横たわっていたのである。レティシア・ブラックロックの親友であるドーラ・バンナー(Dora Bunner)によると、死んでいた男は、村の近くのメデナムウェルズ(Medenham Wells)にある「ロイヤルスパホテル(Royal Spa Hotel)」に勤める従業員のルディー・シャーツ(Rudi Scherz)とのこと。
ビル・ブラッグ氏が描く ミス・マープルシリーズの長編第4作目である 「予告殺人」の一場面 |
警察が呼ばれ、クラドック警部(Inspector Craddock)が、その場に居合わせた村の人々を一人ずつ調べていく。状況としては、自殺、あるいは、事故のように思われるが、クラドック警部としては、どちらにも納得がいかなかった。
クラドック警部にとって非常に幸運なことに、死亡したルディー・シャーツが勤めていたホテルには、探偵好きな独身の老婦人ミス・マープルが、リューマチの湯治のため、滞在していたのである。
ミス・マープルの手腕を高く評価している警察の上層部から、クラドック警部は、事件の真相解明のために、ミス・マープルに協力を求めるよう、指示される。クラドック警部からの依頼を受けたミス・マープルは、驚くべき事件の真相を明らかにするのであった。
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