2023年2月4日土曜日

ドラキュラの世界<ジグソーパズル>(The World of Dracula )- その7

英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より2021年に出ているジグソーパズル「ドラキュラの世界(The World of Dracula)」のイラスト内には、アイルランド人の小説家であるブラム・ストーカー(Bram Stoker)こと、エイブラハム・ストーカー(Abraham Stoker:1847年ー1912年)が1897年に発表したゴシック小説 / ホラー小説「吸血鬼ドラキュラ(Dracula → 2017年12月24日 / 12月26日付ブログで紹介済)」の物語に関して、基本的に、左下から左上へ、そして、右上へと進み、最終的には、右下で完結するように、各場面が散りばめられているので、前回と同様に、順番に紹介していきたい。


<海を渡って(Across the Water)>


(16)


嵐の中、イングランド北部の港町ウィットビーの沖合いに突然姿を現した
ロシア船「デメテール号」は、海岸に座礁した。
船員は、船長以外、誰も見当たらず、
その船長は、自分の身体を舵輪に縄で縛り付けたまま、亡くなっていた。


英国南西部デヴォン州(Devon)の州都エクセター(Exeter)で弁護士事務所を営むピーター・ホーキンズ(Peter Hawkins)の代理として、新人事務弁護士(solicitor)であるジョナサン・ハーカー(Jonathan Harker)は、ロンドン近郊にあるカーファックス屋敷(Carfax)を購入したいと依頼して来たドラキュラ伯爵(Count Dracula)を訪ねるために、トランシルヴァニア(Transylvania)にあるドラキュラ城(Castle Dracula)へやって来た。彼が見たところ、ドラキュラ城には、ドラキュラ伯爵しか居住していないようで、彼の召使い達は一人も見当たらなかった。

ドラキュラ伯爵からの指示で、何故か、ドラキュラ城に1ヶ月間滞在することになったジョナサン・ハーカーは、一人でドラキュラ城内の探検を続ける。しかしながら、どの部屋のドアも、閉ざされた上に、鍵がかかっており、内へ入ることができなかった。ドラキュラ城が牢獄(prison)で、自分が囚人(prisoner)のように感じたジョナサン・ハーカーは、ドラキュラ城から逃げ出すことも、また、英国への連絡手段も断たれ、途方に暮れる。

ドラキュラ城内の探検を続けるジョナサン・ハーカーは、地下の納骨堂において、棺桶の中で眠っているドラキュラ伯爵を発見する。ジョナサン・ハーカーが調べたところ、棺桶内で眠るドラキュラ伯爵には、心臓も動いておらず、脈拍もない上に、呼吸もしていないようだった。それにもかかわらず、

ドラキュラ伯爵の身体はあたたかく、生きているみたいだ。ドラキュラ伯爵が「アンデッド(undead)」であることが判ったジョナサン・ハーカーは、恐怖に怯えるのであった。


017年に英国の出版社 Usborne Publishing Ltd. から発刊された
「吸血鬼ドラキュラ」のグラフィックノベル版から抜粋 -
ロシア船「デメテール号」は、ヴァルナを出帆した後、
地中海を抜け、大西洋を英国へと向かった。

そして、舞台は、トランシルヴァニアにあるドラキュラ城から、イングランド北部ヨーク州(Yorkshire)にある港町ウィットビー(Whitby)へと移る。


017年に英国の出版社 Usborne Publishing Ltd. から発刊された
「吸血鬼ドラキュラ」のグラフィックノベル版から抜粋 -
嵐の中、ウィットビーの沖合に姿を現したロシア船「デメテール号」は、
海岸に座礁した。


嵐が吹き荒れる中、ロシア船「デメテール号(Demeter)」が、突然、ウィットビーの沖合いに姿を現し、海岸に座礁する。

救助にやって来たウィットビーの人達が乗船して調べたところ、「デメテール号」には、船長以外には、人っ子一人見当たらなかった。また、奇妙なことに、船長は、自分の体を舵輪に縄で縛り付けたまま、亡くなっていたのである。


017年に英国の出版社 Usborne Publishing Ltd. から発刊された
「吸血鬼ドラキュラ」のグラフィックノベル版から抜粋 -
救助にやって来たウィットビーの人達が、ロシア船「デメテール号」に乗船の上、調べたところ、
船員は誰も見当たらなかった。


ロシア語で書かれた船長の日誌によると、「デメテール号」は、土が入った木箱50個を荷物として積み込むと、7月初めに、ヴァルナ(Varna - 現在のブルガリア北東部の黒海(Black Sea)沿岸にある都市)を抜錨。

地中海(Mediterranean Sea)を抜け、英国へと向かって、大西洋(Atlantic Ocean)を航海する「デメテール号」上では、奇妙な出来事が発生していた。船員達が次々と謎の失踪を遂げる一方、深夜、甲板に知らない男が立っており、近付くと、突然、その姿が掻き消えてしまったと言う報告が、船員達から上がってきた。その報告を聞いた船長達は、「デメテール号」内のあらゆる場所を捜索したにもかかわらず、不審な人物は発見できなかった。

船員達の謎の失踪は更に続き、遂に、船長一人だけが残り、英国へと辿り着くために、自分の身体を舵輪に縄で縛り付けたのである。


017年に英国の出版社 Usborne Publishing Ltd. から発刊された
「吸血鬼ドラキュラ」のグラフィックノベル版から抜粋 -
ロシア船「デメテール号」において、唯一見つかったのは、船長であったが、
彼は、自分の身体を舵輪に縄で縛り付けたまま、亡くなっていた。


(17)

ウィットビーの海岸に座礁したロシア船「デメテール号」の甲板から、
巨大な犬が、海岸へと飛び降りるのを、
ウィットビーの人達が見かけた。

ロシア船「デメテール号」がウィットビーの海岸に座礁した際、巨大な犬が、船の甲板から海岸へと飛び降りるのを、救助に来たウィットビーの人達が見かけた。

実は、船の甲板から海岸へと飛び降りた巨大な犬は、ドラキュラ伯爵が化身した姿であった。「デメテール号」において、船員達による謎の失踪は、全て、ドラキュラ伯爵の仕業だったのである。

つまり、ドラキュラ伯爵は、英国へとその魔手を伸ばし、遂に、英国の地へと降り立ったのだ。


017年に英国の出版社 Usborne Publishing Ltd. から発刊された
「吸血鬼ドラキュラ」のグラフィックノベル版から抜粋 -
ロシア船「デメテール号」の甲板からウィットビーの海岸へと降り立ったのは、
ドラキュラ伯爵が化身した巨大な犬であった。

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