英国の MX Publishing 社から 2012年に出版されたティム・シモンズ作 「シャーロック・ホームズとスコットニー城のボーア人の死体」の表紙 |
本作品「シャーロック・ホームズとスコットニー城のボーア人の死体(Sherlock Holmes and the Dead Boer at Scotney Castle)」は、英国出身のティム・シモンズ(Tim Symonds)によって、2012年に発表された。
この事件が発生したのは、1904年5月27日の朝であった。
ハドスン夫人が出した朝食が終わり、シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンが話をしていると、午前9時52分に玄関のベルが鳴り、ハドスン夫人がホームズ達のところに届いた電報を持って来た。
ホームズは、ハドスン夫人から受け取った電報をワトスンに渡して、内容を読むよう、頼む。ワトスンが電報を開封すると、それは、キップリング連盟(Kipling League)の会長で、本人も詩人 / 小説家 / ジャーナリスト / 評論家 / 歴史家でもあるデイヴィッド・ジョーゼフ・シヴィター(David Joseph Siviter)からで、サセックス州(Sussex)にある彼の自宅クリックスエンド(Crick’s End)へホームズを招待したいとの知らせであった。
デイヴィッド・シヴィターとしては、彼の自宅において、キップリング連盟のメンバーに対し、ホームズに犯罪学の講義を行ってもらいたいとのことで、そのためには、今日の午後、チャリングクロス駅(Charing Cross Station → 2014年9月20日付ブログで紹介済)発午後3時10分の列車に乗ってほしいと言う。最寄りの駅まで迎えの車を差し向けてくれるらしい。
ところが、随分と急で、上から目線の依頼に、ホームズは非常に不機嫌となる。
ワトスンは、ホームズに対して、説明する。
「デイヴィッド・シヴィターは、ジョーゼフ・ラドヤード・キップリング(Joseph Rudyard Kipling:1865年ー1936年 → 2018年12月16日 / 12月22日 / 12月30日付ブログで紹介済)に次いで、世界中で2番目に収入を得ている作家で、その額は、1年間で3万ポンド以上だ。」と。
ホームズからキップリング連盟のメンバーについて尋ねられたワトスンは、電報の続きを読み上げる。
電報によると、キップリング連盟は、以下のメンバーで構成されているとのことだった。
(1)デイヴィッド・ジョーゼフ・シヴィター
(2)アルフレッド・ウェイト(Alfred Weit)
(3)サー・ユリウス・ウェルナー(Sir Julius Wernher)
(4)スタンリー・ファン・ベールス子爵(Viscount Stanley Van Beers)
必要な旅費等は、全額、デイヴィッド・シヴィターが負担すること、そして、キップリング連盟のメンバーに興味を覚えたホームズは、ハドスン夫人を呼び、デイヴィッド・シヴィターに対して、彼の招待を受諾する旨の電報を打つように依頼した。更に、ホームズは、ワトスンに対して、「ハドスン夫人が戻ったら、馬車を呼んでほしい。」と頼む。
気が変わったホームズは、デイヴィッド・シヴィターの依頼に応じて、午後3時10分発の列車に乗車すべく、チャリングクロス駅へと向かうつもりのようだ。
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