2025年6月16日月曜日

アガサ・クリスティー作「そして誰もいなくなった」の英国 TV ドラマ版(エピソード1)に使用された童謡「10人の子供の兵隊」(And Then There Were None by Agatha Christie - Ten Little Soldiers)- その1

食堂(Dining Room)のテーブルの上には、
当初、10人の兵隊人形が置かれていた。 -
HarperCollins Publishers 社から出ている
アガサ・クリスティー作「そして誰もいなくなった」のグラフィックノベル版
(→ 2020年9月13日付ブログで紹介済)から抜粋。


アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1939年に発表したノンシリーズ作品「そして誰もいなくなった(And Then There Were None)」を英国の BBC(British Broadcasting Corporation)が映像化した英国 TV ドラマ版として映像化しているが、2015年12月26日に放映された「エピソード1」において使用された童謡「10人の子供の兵隊(Ten Little Soldiers)」は、以下の通り。


(1)


アンソニー・ジェイムズ・マーストンは、
ブランデーが入ったグラスに投与された青酸カリによる中毒により、
最初の犠牲者となる。
 -
HarperCollins Publishers 社から出ている
アガサ・クリスティー作「そして誰もいなくなった」のグラフィックノベル版から抜粋。

Ten little soldier boys went out to dine; One choked his little self and then there were Nine.

(10人の子供の兵隊さんが、ご飯を食べに出かけた。一人が喉を詰まらせて、残りは9人になった。)


アンソニー・ジェイムズ・マーストンがブランデーが入ったグラスに投与された青酸カリによる中毒死した夜、
執事のトマス・ロジャーズが、食堂の後片付けをしていた際、
テーブルの上に置かれた兵隊の人形の数が10個から9個へと減っていることに気付く。
なお、英国 TV ドラマ版の場合、このような場面はない。 -

HarperCollins Publishers 社から出ている
アガサ・クリスティー作「そして誰もいなくなった」のグラフィックノベル版から抜粋。

*被害者:アンソニー・ジェイムズ・マーストン(Anthony James Marston - 遊び好きの上、生意気な青年)

*告発された罪状:二人の子供であるジョン・クームズ(John Coombes)とルーシー・クームズ(Lucy Coombes)を殺害(具体的に言うと、スピードを出し過ぎた車で轢き殺している)。

*犯罪発生時期:英国 TV ドラマ版の場合、具体的な時期については、言及されていないが、アガサ・クリスティーの原作の場合、「去年(last year)の11月14日」と明記されている。

*死因:ブランデー(brandy)が入ったグラスに投与された青酸カリによる中毒死


(2)


謎のオーウェン氏から罪状の告発を受けて、気を失ったエセル・ロジャーズは、
夫のトマス・ロジャーズと医師のエドワード・ジョージ・アームストロング
(Edward George Armstrong)の二人に支えられて、使用人部屋へと運ばれ、
医師の手当てを受けたが、
睡眠薬クロラールの過剰摂取による中毒のため、翌日、目を覚まさなかった。 -
HarperCollins Publishers 社から出ている
アガサ・クリスティー作「そして誰もいなくなった」のグラフィックノベル版から抜粋。

Nine little soldier boys sat up very late; One overslept himself and then there were Eight.

(9人の子供の兵隊さんが、夜更かしをした。一人が寝坊をして、残りは8人になった。)


妻のエセル・ロジャーズが亡くなった後、一人で朝食の準備を行ったトマス・ロジャーズは、
朝食を終えて、ゲスト達が席を立った後、食堂の後片付けをしていた際、
テーブルの上に置かれた兵隊の人形の数が9個から8個へと減っていることに気付き、
医師のエドワード・ジョージ・アームストロングに報告する
なお、英国 TV ドラマ版の場合、食堂のテーブルの上に置かれた人形の数が
10個から8個へと減っていることに気付き、
医師のエドワード・ジョージ・アームストロングに報告したのは、トマス・ロジャーズではなく、
秘書のヴェラ・エリザベス・クレイソーン(Vera Elizabeth Claythorne)で、
また、報告のタイミングも、朝食後ではなく、朝食前である。
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HarperCollins Publishers 社から出ている
アガサ・クリスティー作「そして誰もいなくなった」のグラフィックノベル版から抜粋。

*被害者:エセル・ロジャーズ(Ethel Rogers - 料理人)

*告発された罪状:アガサ・クリスティーの原作の場合、トマス・ロジャーズ(Thomas Rogers)と妻のエセル・ロジャーズの二人は、1926年5月6日の嵐の夜、仕えていた老女であるジェニファー・ブレイディー(Jennifer Brady)が発作を起こした際、処方薬を適切に投与せず、医者を呼びに行っている間に、発作を悪化させて、死に至らせたことになっているが、英国 TV ドラマ版の場合、トマス・ロジャーズが眠っている老女の顔の上に枕を押し付け、呼吸困難から心臓麻痺を起こさせて、殺害したことに変更されている。なお、妻のエセル・ロジャーズは、夫が老女を殺害する現場を近くで震えて見ていた。

*犯罪発生時期:英国 TV ドラマ版の場合、具体的な時期については、言及されていないが、アガサ・クリスティーの原作の場合、「1929年5月6日」と明記されている。

*死因:睡眠薬クロラールの過剰摂取による中毒死


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