英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より2022年に出ているジグソーパズル「フランケンシュタインの世界(The World of Frankenstein)」のイラスト内には、英国の小説家メアリー・ウルストンクラフト・ゴドウィン・シェリー(Mary Wollstonecraft Godwin Shelley:1797年ー1851年)が1818年1月に発表したゴシック小説「フランケンシュタイン、或いは、現代のプロメテウス(Frankenstein; or, the Modern Prometheus. → 2021年3月24日付ブログで紹介済)」の物語に関して、各場面が散りばめられているので、前回と同様に、順番に紹介していきたい。
<ヴィクター・フランケンシュタインの話(Victor Frankenstein’s Narrative)>
今回は、「その2」となる。
(6)
ドイツのインゴルシュタット大学に入学した ヴィクター・フランケンシュタインは、 自然科学を学び始めるが、 生命(生と死)の謎を解き明かしたいという野心が、次第に強くなっていく。 |
2014年に米国の出版社 Dover Publications, Inc. から発刊された 「フランケンシュタイン」のグラフィックノベル版から抜粋 - ドイツのインゴルシュタット大学に入学した ヴィクター・フランケンシュタインは、 自分で生命を創り出すという考えに、次第に取り憑かれていく。 |
(7)
狂気とも言える長い研究の末に、ヴィクター・フランケンシュタインは、「理想の人間」の設計図を完成させた。彼は、自分が突き進む道が神に背くことになることを十分に自覚していたが、野心と言う悪魔の誘惑に逆らうことができなかった。
自分で生命を創り出すという考えに取り憑かれたヴィクター・フランケンシュタインは、 深夜、墓所を訪れて、墓を暴き、 人間の死体(骨、筋肉や臓器等を含む)を手に入れると、 「理想の人間」を創り出す作業に着手した。 |
2014年に米国の出版社 Dover Publications, Inc. から発刊された 「フランケンシュタイン」のグラフィックノベル版から抜粋 - ヴィクター・フランケンシュタインは、 「理想の人間」を創り出すために、 深夜、墓所を訪れて、墓を暴き、 人間の死体(骨、筋肉や臓器等を含む)を手に入れた。 |
ヴィクター・フランケンシュタインは、深夜、墓所を訪れ、墓を暴くと、人間の死体(骨、筋肉や臓器等を含む)を手に入れて、立ち去った。
ヴィクター・フランケンシュタインは、 墓を暴いて集めた人間の死体(骨、筋肉や臓器等を含む)を使って、 「理想の人間」を創り出した。 |
2014年に米国の出版社 Dover Publications, Inc. から発刊された 「フランケンシュタイン」のグラフィックノベル版から抜粋 - ヴィクター・フランケンシュタインは、 墓を暴いて集めた人間の死体(骨、筋肉や臓器等を含む)を使って、 「理想の人間」を創り出した。 後は、結果を待つだけだった。 |
ヴィクター・フランケンシュタインは、暴いた墓から手に入れた人間の死体を繋ぎ合わせていき、彼の「理想の人間」と言うべき「怪物(Creature)」を創造するに至ったのである。11月の侘しい夜のことだった。
(8)
ヴィクター・フランケンシュタインが創り出した「怪物」は、 彼の研究室から逃げ出してしまう。 |
ヴィクター・フランケンシュタインが創造した「怪物」は、優れた体力、人間の心、そして、知性を持ち合わせていたが、残念ながら、彼の腕が及ばなかったのか、「怪物」の容貌は、筆舌に尽くし難い程に醜いものだった。
2014年に米国の出版社 Dover Publications, Inc. から発刊された 「フランケンシュタイン」のグラフィックノベル版から抜粋 - ヴィクター・フランケンシュタインが創り出した 「怪物」の容貌は、非常に醜いもので、 その悍ましさに、彼は絶望した。 |
あまりにも悍ましい「怪物」の容貌に絶望したヴィクター・フランケンシュタインは、研究室を逃げ出すと、インゴルシュタットの町を、夜が明けるまで、彷徨い歩いた。
気を取り直したヴィクター・フランケンシュタインが研究室へと戻ると、そこに、「怪物」の姿は、何処にも無かったのである。
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