1943年11月17日にロンドンのセントジェイムズ劇場において初演された 戯曲版「そして誰もいなくなった」の配役表 |
アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1939年に発表したノンシリーズ作品「そして誰もいなくなった」は、彼女の手により戯曲版となって、1943年11月17日にロンドンのセントジェイムズ劇場(St. James’ Theatre → 2014年10月4日付ブログで紹介済)において初演された。
なお、本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第26作目に該り、彼女の作品の中でも、代表作に挙げられている。
残念ながら、セントジェイムズ劇場は現存せず、 現在は、ル・メリディアン・ピカデリー・ホテル(Le Meridien Piccadilly Hotel)となっている。 |
彼女の戯曲版は、以下の通り、3幕構成となっている。
・第1幕 - 日時:8月のある晩 場所:インディアン島(Indian Island)
・第2幕
シーン1 - 日時:翌日(2日目)の朝 場所:同上
シーン2 - 日時:翌日(2日目)の午後 場所:同上
・第3幕
シーン1 - 日時:翌日(2日目)の晩 場所:同上
シーン2 - 日時:翌々日(3日目)の朝 場所:同上
戯曲版における主な登場人物は、以下の通り。
なお、順番は、謎のオーウェン氏(Mr. Owen)による告発順である。
(1)エドワード・アームストロング(Edward Armstrong)
医師で、酔って酩酊したまま手術を行い、患者を死なせたと告発された。
(2)ウィリアム・ヘンリー・ブロア(William Henry Blore)
元警部で、偽証により無実の人間に銀行強盗の罪を負わせて、死に追いやったと告発された。
(3)エミリー・キャロライン・ブレント(Emily Caroline Brent)
信仰心の厚い老婦人で、使用人の娘に厳しく接して、その結果、彼女を自殺させたと告発された。
(4)ヴェラ・エリザベス・クレイソーン(Vera Elizabeth Claythorne)
秘書や家庭教師を職業とする若い女性で、家庭教師をしていた子供に無理な距離を泳がせることを許可し、その結果、その子供を溺死させたと告発された。
(5)フィリップ・ロンバード(Philip Lombard)
元陸軍中尉で、東アフリカにおいて先住民族から食料を奪った後、彼ら21人を見捨てて死なせたと告発された。
(6)ジョン・ゴードン・マッケンジー(John Gordon MacKenzie)
退役した老将軍で、妻の愛人だった部下を故意に死地へ追いやったと告発された。
(7)アンソニー・ジェイムズ・マーストン(Anthony James Marston)
遊び好きの上、生意気な青年で、自動車事故により二人の子供を死なせたと告発された。
(8)トマス・ロジャーズ(Thomas Rogers)
(9)エセル・ロジャーズ(Ethel Rogers)
仕えていた老女が発作を起こした際、彼らは必要な薬を投与しないで、老女を死なせたと告発された。
(10)ローレンス・ジョン・ウォーグレイヴ(Lawrence John Wargrave)
高名な元判事で、陪審員を誘導して、無実の被告を有罪として、死刑に処したと告発された。
上記の10名の他に、
(11)フレッド・ナラコット(Fred Narracott)
自分の船とジム(Jim)の船の2隻で、招待客の8名を英国デヴォン州(Devon)の沖合いに浮かぶインディアン島へと連れて来た。また、ロジャーズ夫妻の依頼に基づいて、レモン、卵、トマトやバター等の食べ物も、インディアン島に運んで来た。
も、戯曲版の冒頭に登場する。
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