サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年-1930年)が執筆したシャーロック・ホームズシリーズにおいて、パイプを咥えたシャーロック・ホームズの挿絵について、引き続き、紹介したい。
今回も、ホームズシリーズの第3短編集である「シャーロック・ホームズの帰還(The Return of Sherlock Holmes)」に収録されている挿絵に関して、紹介する。
今回も、挿絵を担当しているのは、挿絵画家であるシドニー・エドワード・パジェット(Sidney Edward Paget:1860年ー1908年)である。
また、当時、柄がまっすぐとなったパイプが一般的に使用されていたことを示すために、ホームズに加えて、他の登場人物の挿絵も掲載する。
(16)「六つのナポレオン像(The Six Napoleons)」
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英国で出版された「ストランドマガジン」 1904年5月号に掲載された挿絵 -
ある夜、スコットランドヤードのレストレード警部(Inspector Lestrade)が ベイカーストリート221B(221B Baker Street → 2014年6月22日 / 6月29日付ブログで紹介済)の シャーロック・ホームズの元を訪れるところから、物語が始まる。 最近、ロンドンの街中で何者かが画廊や住居等に押し入って、 ナポレオンの石膏胸像を壊してまわっていた。 そのため、レストレード警部はホームズのところへ相談に来たのである。 レストレード警部が発した「強盗」という言葉に興味を覚えたホームズのために、 彼は警察手帳を取り出して、事の経緯について説明を始めるのであった。 画面左側より、レストレード警部、ホームズ、そして、ジョン・H・ワトスン。 ホームズではなく、ワトスンが柄が真っ直ぐになったパイプを口に咥えて 立っている姿が、珍しく描かれている。 挿絵:シドニー・エドワード・パジェット(1860年 - 1908年) |
「六つのナポレオン像」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、32番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1904年5月号に、また、米国でも、「コリアーズ ウィークリー(Collier’s Weekly)」の1904年4月30日号に掲載された。
同作品は、1905年に発行されたホームズシリーズの第3短編集である「シャーロック・ホームズの帰還」に収録されている。
(17)「金縁の鼻眼鏡(The Golden Piece-Nez)」
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英国で出版された「ストランドマガジン」 1904年7月号に掲載された挿絵 - 1894年11月も終わりに近付いた激しい嵐の夜、 スタンリー・ホプキンス警部(Inspector Stanley Hopkins)が、
ベイカーストリート221Bのシャーロック・ホームズの元を訪れる。 ケント州(Kent)チャタム(Chatham)に所在する コーラム教授(Professor Coram)の ヨクスリーオールドプレイス屋敷(Yoxley Old Place)の書斎の床で、 教授の秘書であるウィロビー・スミス(Willoughby Smith)青年が 虫の息で発見された事件について、相談に来たのである。 画面手前左側の人物がホームズで、画面右側の人物がホプキンス警部。 そして、画面奥の人物が、ジョン・H・ワトスン。 ホプキンス警部から事件の説明を受けるホームズは、右手に葉巻を持っている。 挿絵:シドニー・エドワード・パジェット(1860年 - 1908年) |
「金縁の鼻眼鏡」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、34番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1904年7月号に、また、米国でも、「コリアーズ ウィークリー」の1904年10月29日号に掲載された。
同作品は、ホームズシリーズの第3短編集である「シャーロック・ホームズの帰還」(1905年)に収録されている。
(18)「アビー屋敷(The Abbey Grange)」
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英国で出版された「ストランドマガジン」 1904年9月号に掲載された挿絵 - 夕食を終えて、ベイカーストリート221Bの居間で寛ぐ シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの元を、 金髪の口髭に青い目をした非常に背の高い青年が訪ねて来た。 ホームズ曰く、これがこの事件のラストシーンとなる、とのことだった。 画面左側から、ワトスン、ホームズ、 そして、クロッカー船長(Captain Croker)。 椅子に凭れたホームズは、柄が真っ直ぐになったパイプを口に咥えている。 挿絵:シドニー・エドワード・パジェット(1860年 - 1908年) |
「アビー屋敷」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、36番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1904年9月号に、また、米国でも、「コリアーズ ウィークリー」の1904年12月31日号に掲載された。
同作品は、ホームズシリーズの第3短編集である「シャーロック・ホームズの帰還」(1905年)に収録されている。
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