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英国の HarperCollinsPublishers 社から現在出版されている アガサ・クリスティー作「満潮に乗って」の ペーパーバック版の表紙 - ドイツ軍によるロンドン大空襲を背景にして、 それからロンドンを守る英国空軍の戦闘機である スーパーマリン スピットファイア(Supermarine Spitfire)の形に切り取られている。 |
なお、「満潮に乗って」の場合、1948年3月に米国で出版された際、「There Is a Tide」と言うタイトルが使用されたが、同年11月に英国で出版された際には、「Taken at the Flood」と言うオリジナルのタイトルへ戻された。
随分前に妻を亡くし、子供も居ない大富豪ゴードン・クロード(Gordon Cloade)は、クロード一族の生活を支えており、一族全員が彼の庇護下にあった。
そんなゴードン・クロードであったが、第二次世界大戦(1939年ー1945年)中の1944年春、ニューヨークへ向かう船上で出会った若い未亡人であるロザリーン・アンダーヘイ(Rosaleen Underhay)と突然再婚する。
再婚したロザリーンを伴い、ゴードン・クロードがロンドンに戻って来たが、その数日後、ドイツ軍によるロンドン大空襲を受けて、ゴードン・クロードは死亡。再婚相手のロザリーンと彼女の兄であるディヴィッド・ハンター(David Hunter)の2人は、辛くも難を逃れた。
ゴードン・クロードは、ロンドンに戻って来た時点で、新たな遺言書を作成していなかったものの、再婚により、以前に作成した彼の遺言書は無効となり、彼の財産は、全て、またもや未亡人となったロザリーン・クロード(Rosaleen Cloade)が相続することになった。
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| エルキュール・ポワロは、 ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の中央に立っている。 <筆者撮影> |
その数日後、ドイツ軍によるロンドン大空襲が再度あり、エルキュール・ポワロ(Hercule Poirot → 2025年10月11日付ブログで紹介済)は、クラブに居た面々と一緒に、地下シェルターへと避難する。
その地下シェルターにおいて、ポワロは、ポーター少佐(Major Porter)から、アフリカに居る友人のロバート・アンダーヘイ(Robert Underhay)の話を聞く。
ポーター少佐は、ポワロに対して、
*ロバート・アンダーヘイは、不幸な結婚をしたこと
*ロバート・アンダーヘイの妻であるロザリーンは、その後、大富豪であるゴードン・クロードと再婚したが、先日のロンドン大空襲の際、ゴードン・クロードが亡くなったこと
*ロザリーンの最初の夫であるロバート・アンダーヘイは、まだ死んでいないかもしれないこと
等を語った。
ゴードン・クロードの死亡に伴い、彼の全財産を引き継いだロザリーン・クロードが、彼に代わって、クロード一族の面倒をみることになったが、一族の生活費の支出については、実質的には、ロザリーンの兄であるディヴィッド・ハンターの許可が必要だった。
「彼女(ロザリーン)さえ居なければ!」
クロード一族の面々の心には、どす黒い悪意が満ちていく。
それから2年後、ある訪問客が、事件の依頼のために、ポワロの元を訪れる。
その訪問客は、ゴードン・クロードの弟ライオネル・クロード(Lionel Cloade - 医者)の妻であるキャサリン・クロード(Katherine Cloade - 愛称:ケイシー(Kathie))で、「霊の導きにより、エルキュール・ポワロの元にやって来た。」と告げた。
彼女としては、ゴードン・クロードの全財産を相続したロザリーン・クロードの最初の夫であるロバート・アンダーヘイがまだ生きているのかどうかを調べてほしいと切り出すのであった。
(82)宿屋「スタッグ」(The Stag Inn)
ウォームズリーヴェイル村(Warmsley Vale)の宿屋「スタッグ」に、イーノック・アーデン(Enoch Arden)と名乗る男が、姿を現わす。そして、彼は、「ロザリーン・クロードの最初の夫であるロバート・アンダーヘイを見つけ出す方法を知っている。」と言って、ディヴィッド・ハンターを脅迫する。
数日後、イーノック・アーデンの撲殺死体が、宿屋「スタッグ」の部屋で発見されるのだった。
(83)大理石の暖炉(marble fireplace)
イーノック・アーデンは、頭を火かき棒で殴りつけられているが、直接の死因は、暖炉の大理石の縁に、頭をぶつけたためと、ポワロは突き止める。そして、ポワロは、「イーノック・アーデンの事件は、故意の殺人ではなく、事故死である。」と結論づけるのだった。






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