![]() |
| 英国の Titan Publishing Group Ltd. の Titan Books 部門から 2019年に出版された フィリップ・パーサー=ハラード作 「シャーロック・ホームズ:人間消失」の裏表紙 (Images : Shutterstock) |
英国のファンタジー / SF / 推理作家であるフィリップ・パーサー=ハラード(Philip Purser-Hallard:1971年ー)が、Titan Publishing Group Ltd. から2019年に発表した「シャーロック・ホームズ:人間消失(Sherlock Holmes: The Vanishing Man)」の場合、1896年9月14日(火)の午後5時半頃、サー・ニューナム・スペイト(Sir Newham Speight / 60歳位 - The Society for the Scientific Investigation of Psychical Phenomena の会長(Chairman))とタルボット・ライヌ(Talbot Rhyne - サー・ニューナム・スペイトの助手)の2人が、ベイカーストリート221B(221B Baker Street → 2014年6月22日 / 6月29日付ブログで紹介済)のシャーロック・ホームズの元を訪れる。
実験や観察を通して、心霊現象を調査することを目的とする協会の会長であるサー・ニューナム・スペイトは、ホームズと同席するジョン・H・ワトスンに対して、
*「協会のメンバーに対して、自分の心霊力を正当に証明できた場合、1万ポンドの賞金を出す。」と広告したところ、2ヶ月前に、トマス・ケルウェイ(Thomas Kellway)と名乗る人物から協会に申し出があった。
*トマス・ケルウェイは、自分のことを「進化人間(Evolved Man)」と呼び、「テレキネシス(Telekinesis)」を使って、物体を移動させることができると豪語した。
と説明。
![]() |
| リッチモンドにあるサー・ニューナム・スペイトの自宅 Parapluvium House 内に設けられた 実験室の見取り図 - Titan Publishing Group Ltd. の Titan Books 部門から 2019年に出版された フィリップ・パーサー=ハラード作 「シャーロック・ホームズ:人間消失」から抜粋。 |
トマス・ケルウェイからの申し出に応じて、リッチモンド(Richmond)にあるサー・ニューナム・スペイトの自宅 Parapluvium House 内に設けれらた実験室で、9月14日(月)から9月15日(火)にかけ、実験が行われた。
*ルーム A : トマス・ケルウェイを室内に閉じ込めた後、入口のドアを施錠。「室内が明るいと、精神を集中できない。」と言う彼の要請に応じて、室内の灯りを点けず、薄暗いままの状態。
*ルーム B : トマス・ケルウェイがテレキネシスで移動させるものを箱に入れて、テーブルの上に設置。また、入口のドアを施錠。室内の灯りを点けて、ドアのガラス越しに監視できる状態。
*ルーム C : 今回の実験には使用しないため、入口のドアは施錠したまま。また、室内の灯りを点けないまま。
そして、協会のメンバー達は、以下のスケジュール / 組み合わせに基づき、2時間ずつ、ルーム A 内に閉じ込めたトマス・ケルウェイとルーム B 内のテーブルの上に置いた箱を、控えの間(Anteroom)から見張ることとなったのである。
![]() |
| リッチモンドにあるサー・ニューナム・スペイトの自宅 Parapluvium House 内で行われた 実験における見張りのスケジュール / 組み合わせ - Titan Publishing Group Ltd. の Titan Books 部門から 2019年に出版された フィリップ・パーサー=ハラード作 「シャーロック・ホームズ:人間消失」から抜粋。 |
事件は、フレデリック・ガーフォース(Frederick Garforth - 芸術家)とウィリアム・アンダートン(William Anderson - サー・ニューナム・スペイトの執事)の2人が見張り番を務める9月15日(火)の「午前4時ー午前6時」の時間帯に発生した。
*午前3時55分 : ウィリアム・アンダートンが控えの間に到着。
*午前3時57分ー58分頃 : フレデリック・ガーフォースが控えの間に到着。
*午前4時 : 前任のジャーメイン卿 / マックイネリー氏と見張りを交代。その後、フレデリック・ガーフォースは、立ったまま、室内を行ったり来たり。ウィリアム・アンダートンは、椅子に座って読書。5分毎に、ルーム A 内に居るトマス・ケルウェイの様子を確認。
*午前4時40分 : ウィリアム・アンダートンが、空気を入れ替えるために、控えの間から戸外へ出るドアを少しだけ開ける。
*午前4時45分 : 猫が開いたドアの隙間から控えの間に入って来る。ウィリアム・アンダートンがドアから猫を外へ出す。フレデリック・ガーフォースがドアを閉める。ウィリアム・アンダートンがドアに鍵をかける。
*午前4時50分 : 9月14日(月)の「午後10時ー午後12時」の時間帯の見張り番だったクレメント・ブラッドブリー少佐(Major Clement Bradbury)が、邸から控えの間にやって来る。「寝られないため、様子を見に来た。」とのこと。クレメント・ブラッドブリー少佐は、椅子に座って、パイプを吸い始めた。 → ウィリアム・アンダートンは、ルーム A 内に居るトマス・ケルウェイの様子を確認し、フレデリック・ガーフォースは、ルーム B の様子を確認。共に問題なし。
*午前4時55分 : ウィリアム・アンダートンが、ルーム B の様子を確認し、フレデリック・ガーフォースが、ルーム A 内に居るトマス・ケルウェイの様子を確認。共に問題なし。
*午前5時 : ウィリアム・アンダートンが、ルーム A 内に居るトマス・ケルウェイの様子を確認し、フレデリック・ガーフォースが、ルーム B の様子を確認。共に問題なし。
*午前5時5分 : ウィリアム・アンダートンが、ルーム B の様子を確認したところ、問題なし。一方、フレデリック・ガーフォースが、ルーム A 内に居るトマス・ケルウェイの様子を確認したところ、驚いたことに、室内からトマス・ケルウェイの姿が掻き消えていたのである。
フレデリック・ガーフォース、クレメント・ブラッドブリー少佐とウィリアム・アンダートンの順で、ルーム A 内の様子を再度確認。
フレデリック・ガーフォースが、ウィリアム・アンダートンに対して、サー・ニューナム・スペイトを至急起こし、控えの間に連れて来るよう、指示。
ウィリアム・アンダートンがサー・ニューナム・スペイトの部屋に駆け付けると、サー・ニューナム・スペイトは、次の時間帯(9月15日(火)午前6時ー午前8時)の見張り番のため、ほとんど着替えを済ませていた。サー・ニューナム・スペイトは、ウィリアム・アンダートンに対して、助手のタルボット・ライヌを至急起こすよう、指示。
サー・ニューナム・スペイトとウィリアム・アンダートンの2人が、続いて、助手のタルボット・ライヌが控えの間に駆け付けたが、ルーム A からトマス・ケルウェイの姿が掻き消えたままだった。
それ以降、トマス・ケルウェイは、サー・ニューナム・スペイト達の元へ戻って来ていない。
サー・ニューナム・スペイトは、「これは、壮大な悪戯 / 悪ふざけで、自分達はかつがれているのではないか?」と言う疑いを抱いたが、今現在も、トマス・ケルウェイが単に行方不明になっているのか、それとも、既に亡くなっているのか、全く判らない。
そこで、サー・ニューナム・スペイトは、助手のタルボット・ライヌを伴い、ホームズの元へ助けを求めにやって来たのである。
衆人環視の下、トマス・ケルウェイは、どういった方法を用いて、隔離されたルーム A の中から姿をクスことができたのか?
そして、彼は、今何処に居るのか?
サー・ニューナム・スペイトから依頼を受けたホームズは、極めて不可解な謎に挑むことになった。



0 件のコメント:
コメントを投稿