2024年3月9日土曜日

アガサ・クリスティーの世界<ジグソーパズル>(The World of Agatha Christie )- その33

英国の Orion Publishing Group Ltd. から出ている「アガサ・クリスティーの世界(The World of Agatha Christie)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)の生涯や彼女が執筆した作品等に関連した90個の手掛かりについて、前回に続き、紹介していきたい。


今回も、アガサ・クリスティーが執筆した作品に関連する手掛かりの紹介となる。


(79)毒入りの噴霧器(poisoned atomiser)



本ジグソーパズル内において、アガサ・クリスティーが腰掛けている椅子の左側にある本棚において、上から3番目の棚に、毒入りの噴霧器が置かれている。


(80)ひび割れた鏡(cracked mirror)



また、アガサ・クリスティーが腰掛けている椅子の後ろにある鏡が、ひび割れている。


これから連想されるのは、アガサ・クリスティーが1962年に発表したミス・ジェイン・マープルシリーズ作品「鏡は横にひび割れて(The Mirror Crack’d from Side to Side)」である。本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第53作目に該り、ミス・ジェイン・マープルシリーズの長編のうち、第8作目に該っている。


英国の Harper Collins Publishers 社から出版されている
アガサ・クリスティー作ミス・ジェイン・マープルシリーズ
「鏡は横にひび割れて」のペーパーバック版の表紙
<イラスト:ビル・ブラッグ氏(Mr. Bill Bragg)>

気管支炎に罹患して、身体がひどく衰弱したミス・マープルのことを心配したヘイドック医師(Dr. Haydock)の進言もあり、甥のレイモンド・ウェスト(Raymond West)が手配したミス・ナイト(Miss Knight)が、ミス・マープルに対して、付き添いの介護をしている。

ミス・ナイトに加えて、セントメアリーミード村(St. Mary Mead)の新住宅地へ、夫のジム・ベイカー(Jim Baker)と一緒に引っ越して来たのが、チェリー・ベイカー(Cherry Baker)が、通いのメイドとして働いている。チェリー・ベイカーが、ミス・マープルのコテージ内の清掃を、また、彼女の夫のジム・ベイカーが、その他諸々の雑事を担当する。


そんな彼らの監視下をなんとか逃れたミス・マープルは、セントメアリーミード村内を散歩中に転んでしまうが、新住宅地の住民で、セントジョン野戦病院協会(St. John Ambulance)の幹事を務めるヘザー・バドコック(Mrs. Heather Badcock)に助けてもらった。

二人で紅茶を飲んでいる最中、ミス・マープルは、バドコック夫人から、「ゴシントンホール(Gossington Hall - ミス・マープルの親友であるドリー・バントリー(Dolly Bantry)が所有していた邸宅)」を購入して、最近、セントメアリーミード村に引っ越して来た米国の映画女優であるマリーナ・グレッグ(Marina Gregg)に、以前、会ったことがある。」という話を聞かされた。


セントメアリーミード村に引っ越して来たマリーナ・グレッグと彼女の夫で、映画監督であるジェイスン・ラッド(Jason Rudd)は、セントジョン野戦病院協会支援のためのパーティーを開催する。


セントメアリーミード村に引っ越して来たマリーナ・グレッグと彼女の夫で、映画監督であるジェイスン・ラッド(Jason Rudd)は、野戦病院協会支援のためのパーティーを開催する。

そのパーティーには、以下の人物が招待されていた。


*バントリー夫人

*ローラ・ブルースター(Lola Brewster - 米国の映画女優で、マリーナの元夫と結婚)

*アードウィック・フェン(Ardwyck Fenn - マリーナの友人で、以前、マリーナと交際していた過去がある)

*ヘザー・バドコック

*アーサー・バドコック(Arthur Badcock - ヘザーの夫)


パーティーの席上、バドコック夫人は、マリーナを捕まえると、長い昔話を始めた。

バドコック夫人によると、数年前にマリーナがバミューダ(Bermuda)を訪れた際、当時そこで働いていた自分と会ったことがある、とのことだった。その時、バドコック夫人は病気だったが、マリーナの大ファンだったため、病床を推して、マリーナに会いに行き、彼女からサインをもらったと言う。

バドコック夫人とマリーナの二人の会話を近くで聞いていたバントリー夫人は、バドコック夫人が話している間、マリーナが非常に奇妙な表情を浮かべていたことに気付いた。

そうこうしていると、バドコック夫人が突然倒れて、死亡してしまったのである。


スコットランドヤードのダーモット・クラドック主任警部(Chief Inspector Dermot Craddock)/ ウィリアム・ティドラー部長刑事(Sergeant William Tiddler)、そして、地元警察のフランク・コーニッシュ警部(Inspector Frank Cornish)が捜査を担当する。

検死解剖の結果、バドコック夫人の死因は、推奨量の6倍もの精神安定剤を摂取したことによるもので、その精神安定剤は、マリーナが持っていたダイキリ(daiquiri)のグラス内に混入されており、自分の飲み物をこぼしたバドコック夫人に対して、マリーナがそのグラスを手渡したのであった。

ということは、実際には、マリーナ・グレッグの命が狙われていて、バドコック夫人は、その巻き添えに会ったということなのか?


警察の捜査が進む中、更に、二人の人物が殺されることになる。


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