2022年12月3日土曜日

ロバート・ルイス・スティーヴンスン作「ジキル博士とハイド氏の奇妙な事件」<グラフィックノベル版>(The Strange Case of Dr. Jekyll and Mr. Hyde by Robert Louis Stevenson )- その2

ロバート・ルイス・スティーヴンスン作「ジキル博士とハイド氏の奇妙な事件」の
グラフィックノベル版の扉絵

エディンバラ(Edinburgh)生まれの英国の小説家、詩人で、かつ、エッセイストであるロバート・ルイス・スティーヴンスン(Robert Louis Stevenson:1850年ー1894年)作「ジキル博士とハイド氏の奇妙な事件(The Strange Case of Dr. Jekyll and Mr. Hyde)」(1886年)をベースに、Andrzej Klimowski (Mr.)と Danusia Schejbal (Ms.) の両名が構成と作画を担当し、英国の Metro Media Ltd. から、Self Made Hero シリーズの一つとして、2009年に出版されたグラフィックノベル版は、以下のようにして始まる。


舞台は、19世紀のロンドンに設定されている。

ある日曜日、弁護士のガブリエル・ジョン・アタースン(Gabriel John Utterson)と彼の従兄弟であるリチャード・エンフィールド(Richard Enfield)の二人は、習慣の散歩をしていた。彼らが繁華街の裏通りに入ると、リチャード・エンフィールドが不気味な二階建ての建物を指さすと、数ヶ月前に彼自身が遭遇した出来事について、ガブリエル・ジョン・アタースンに語り出す。



ある明け方に近い頃(午前3時頃)、リチャード・エンフィールドが自宅に戻ろうと歩いていると、醜悪な顔をしたエドワード・ハイド(Edward Hyde)という男が、ぶつかって転んだ少女を平然と踏みつけたまま、立ち去ろうとする現場に出くわしたのである。驚いたエンフィールドは、立ち去ろうとするハイドを引き止めた。

踏み付けられた少女の家族達がハイドに詰め寄ると、ハイドは「必要な金額を言え。」と答える。エンフィールドが、ハイドに対して、100ポンドを支払うように要求すると、ハイドは問題の建物の中に入り、10ポンドの現金と90ポンドの小切手を持って出て来た。

ハイドが持って来た小切手は、ガブリエル・ジョン・アタースン顧客で、友人でもあるヘンリー・ジキル博士(Dr. Henry Jekyll)によって署名されていたのである。



リチャード・エンフィールドの話を聞いたガブリエル・ジョン・アタースンは、「ジキル博士の財産を狙ったハイドが、何かを理由にして、ジキル博士を恐喝しているのではないか?」と危惧した。

何故ならば、ジキル博士は、最近、「ヘンリー・ジキルが死亡、もしくは、失踪した場合、友人で、かつ、恩人でもあるエドワード・ハイドが、全ての財産を相続する。」という内容の遺言状を作成の上、保管を依頼していたため、アタースンは困惑していたからである。



2週間後、ジキル博士の屋敷で開催された晩餐会が終わった後、ガブリエル・ジョン・アタースンは、1人残り、ハイドのことについて、ジキル博士に問い質した。

すると、ジキル博士は、顔面蒼白となったものの、「遺言状の内容を変更することはできない。その気になれば、いつでもハイドを追い払うことはできる。だから、この話は、もう終わりだ。」と告げるのであった。



ヘンリー・ジキル博士とエドワード・ハイドの二人は、一体、どういった関係なのか?ガブリエル・ジョン・アタースンが危惧する通り、ジキル博士は、ハイドに恐喝されているのだろうか?



Andrzej Klimowski (Mr.)と Danusia Schejbal (Ms.) の両名が構成と作画を担当したロバート・ルイス・スティーヴンスン作「ジキル博士とハイド氏の奇妙な事件」のグラフィックノベル版は、全編(120ページ)、白黒で描かれており、原作の怪奇色を非常にうまく体現している。


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