英国王室メンバーを毒ワインで殺害する計画を防ぐべく、 シャーロック・ホームズは馬車を駆って追い掛ける。 |
チェコ共和国(Czech Republic)ヴィソチナ州トシェビーチ郡の都市トシェビーチ出身のイラストレーターであるペトル・コプル(Petr Kopl:1976年ー)が発表したサー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)作「ボヘミアの醜聞(A Scandal in Bohemia)」のグラフィックノベル版は、以下の章によって構成されている。
(1)「プロローグ(Prologue)」
(2)「ボヘミアの醜聞(A Scandal in Bohemia)」
(3)「まだらの紐(The Speckled Band)」
(4)「ボヘミア国王の名にかけて(In the name of the King)」
(5)「エピローグ(Epilogue)」
(1)「プロローグ」
コナン・ドイルの原作にはないが、毒が仕込まれたワインで、英国王室のメンバー達を殺害しようとする計画を、シャーロック・ホームズが妨害する話が、ペトル・コプルにより創作の上、挿入されている。
(2)「ボヘミアの醜聞」
仮面を取って、正体を見せたボヘミア国王に対して、 シャーロック・ホームズは、依頼内容を尋ねる。 |
既にメアリー・モースタン(Mary Morstan)と結婚しているジョン・H・ワトスンが、診療の帰り道に、ベイカーストリート221B((221B Baker Street → 2014年6月22日 / 6月29日付ブログで紹介済))のホームズの元を訪ねるところから、物語が始まる。
そして、そこへフォン・クラム伯爵(Count von Kram)に扮したボヘミア国王(King of Bohemia)がホームズの元を訪れ、彼がアイリーン・アドラー(Irene Adler)と一緒に写った写真の奪還を、ホームズに対して、依頼する。本章は、概ね、コナン・ドイルの原作通りである。
(3)「まだらの紐」
早朝、事件の依頼人であるヘレン・ストーナーが、 シャーロック・ホームズの元を訪れる。 |
内容的には、概ね、コナン・ドイルの原作通りであるが、本章の終盤は、原作とは異なり、ホームズとワトスンが、グリムズビー・ロイロット博士(Dr. Grimesby Roylott)が飼っていたチーターに襲われるものの、勇敢にも、事件の依頼人であるヘレン・ストーナーが撃退するという話が挿入される。また、原作の場合、事件の解決後、ヘレン・ストーナーが無事結婚できるという完全なハッピーエンドで終わっているが、本作品の場合、事件の解決後、ヘレン・ストーナーが無事結婚できるものの、その後、可哀想な結末に変更されている。
コナン・ドイルの原作とは異なり、 事件の依頼人であるヘレン・ストーナーの部屋は、 グリムズビー・ロイロット博士の部屋や 彼女の双子の姉であるジュリア・ストーナーの部屋とは、別棟になっている。 |
(4)「ボヘミア国王の名にかけて」
弁護士であるゴドフリー・ノートン(Godfrey Norton)との結婚式のために、 自宅を出るアイリーン・アドラー。 |
(5)「エピローグ」
少なくとも、70年は歳をとらない薬を注射されたアイリーン・アドラーに対して、 ジェイムズ・モリアーティー教授は、ある特別な任務を与える。 |
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