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英国の Harper Collins Publishers 社から出版されている アガサ・クリスティー作エルキュール・ポワロシリーズ 「杉の柩」のペーパーバック版表紙 |
英国の TV 会社 ITV 社による制作の下、「Agatha Christie’s Poirot」の第51話(第9シリーズ)として、2003年12月26日に放映されたアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)作杉の柩(Sad Cypress)」(1940年)の TV ドラマ版の場合、原作対比、以下のような差異が見受けられる。
(11)
<原作>
メアリー・ジェラード(Mary Gerrard - ウェルマン家の門番の娘)毒殺事件が発生する前日、エリノア・カーライル(Elinor Carlisle - ローラ・ウェルマン(Mrs. Laura Welman - 富豪の未亡人)の姪)は、一旦戻ったロンドンから現地へ戻り、駅前のキングスアームズホテル(King’s Arms Hotel)に宿泊。翌朝、ホテルを出た彼女は、途中のパン屋、乳製品店と乾物屋で買い物をした後、ハンターベリー邸(Hunterbury)へと向かう。
<英国 TV ドラマ版>
叔母のローラ・ウェルマンが亡くなった後、エリノア・カーライルは、そのままハンターベリー邸に滞在して、叔母の遺品の整理をしている。
(12)
<原作>
エリノア・カーライルは、前日宿泊したキングスアームズホテルからハンターベリー邸へ向かう途中、
*パン屋:パン
*乳製品店:バター / ミルク
*乾物店:サンドウィッチ用のペースト(サケとアンチョビ / サケとエビ)
を購入している。
<英国 TV ドラマ版>
叔母のローラ・ウェルマンの死後、そのまま滞在しているハンターベリー邸を出たエリノア・カーライルは、乾物店において、サンドウィッチ用のペーストを3種類(サケ / カニ / エビ)を購入している。
なお、彼女が、パン屋において、パンを、そして、乳製品店において、バター / ミルクを購入する場面はない。
(13)
<原作>
メアリー・ジェラードに言い寄っていたのは、農場を営むルファス・ビグランドの息子で、ヘンダースンが経営する自動車整備工場に勤務する青年のテッド・ビグランド(Ted Bigland)である。
<英国 TV ドラマ版>
メアリー・ジェラードに言い寄っていたのは、ウェルマン家の庭師のテッド・ホーリック(Ted Horlick)である。
原作におけるテッド・ビグランドとホーリック(Horlick - ウェルマン家の庭師)の2人が、英国 TV ドラマ版の場合、テッド・ホーリックと言う一人の人物に統合されている。
(14)
<原作>
エリノア・カーライルは、自分がつくった3種類のサンドウィッチのうち、サケのサンドウィッチを、メアリー・ジェラードに食べさせている。
残った2種類のサンドウィッチ(カニ / エビ)を、エリノア・カーライルとジェシー・ホプキンズ(Jessie Hopkins - ローラ・ウェルマンの看護婦)の2人が食べている。
<英国 TV ドラマ版>
エリノア・カーライルがメアリー・ジェラードに食べさせたサンドウィッチについて、どのペーストが入った分なのか、明確にされていない。
(15)
<原作>
メアリー・ジェラードがモルヒネの過剰摂取により殺害された場所は、ハンターベリー邸の居間である。
<英国 TV ドラマ版>
メアリー・ジェラードがモルヒネの過剰摂取により殺害された場所は、ハンターベリー邸の図書室である。
(16)
<原作>
ハンターベリー邸内を捜索した結果、モルヒネのラベルを発見した警察官は、ブリル警部(Inspector Brill)である。
<英国 TV ドラマ版>
ハンターベリー邸内を捜索した結果、モルヒネのラベルを発見した警察官は、マーズデン警部(Inspector Marsden)へと変更されている。

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