今回は、アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)による戯曲「ブラックコーヒー(Black Coffee)」について、紹介したい。
「ブラックコーヒー」の場合、エルキュール・ポワロが探偵役を務め、アーサー・ヘイスティングス大尉(Captain Arthur Hastings)とスコットランドヤードのジャップ警部(Inspector Japp)も登場する。
アガサ・クリスティーは、1929年に戯曲「ブラックコーヒー」を書き始め、1930年にロンドン北西部のスイスコテージ(Swiss Cottage)内に所在するエンバシー劇場(Embassy Theatre)において初演された。
そして、翌年の1931年に、ロンドン市内のセントマーティンズ劇場(St. Martin’s Theatre → 2014年8月10日 / 2015年10月4日付ブログで紹介済)において再演された。
アガサ・クリスティーによる戯曲「ねずみとり(Mousetrap)」のロングラン公演が 行われているセントマーティンズ劇場 - 画面上は、63周年(2015年時点)であるが、 2025年2月27日時点では、73周年を既に達成済で、 同年11月25日には、74周年を迎える。 |
アガサ・クリスティー作品の戯曲化としては、「アクロイド殺し(The Murder of Roger Ackroyd → 2023年9月25日 / 10月2日付ブログで紹介済)」(1926年)を原作とした「アリバイ(Alibi)」(1928年)が最初であるが、アガサ・クリスティー自身が執筆した戯曲としては、「ブラックコーヒー」が初作品である。
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2022年に英国の HarperCollinsPublishers 社から出版された アガサ・クリスティー作「アクロイド殺し」の 愛蔵版(ハードカバー版)の表紙 (Cover design by Holly Macdonald / Illustrations by Shutterstock.com) |
戯曲「ブラックコーヒー」は、1931年に映画化された後、1997年に、クリスティー財団(Christie estate)の許可を得て、オーストラリアのジャーナリスト / 批評家 / 詩人 / 小説家であるチャールズ・トーマス・オズボーン(Charles Thomas Osborne:1927年ー2017年)により小説化されている。

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