英国の Laurence King Publishing Group Ltd. から出ている「シャーロック・ホームズの世界(The World of Sherlock Holmes)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているシャーロック・ホームズシリーズに登場する人物や物語の舞台となる建物、また、作者であるサー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年-1930年)本人と彼に関連する人物等、50個にわたる手掛かりについて、引き続き、順番に紹介していきたい。
なお、今回から、シャーロック・ホームズが使用するアイテム(品物や道具類等)となる。
(44)キャラバッシュ型パイプ(curved pipe)
守備側のクリケット選手の後ろの芝生の上に、 キャラバッシュ型のパイプが置かれている。 |
挿絵画家のシドニー・パジェットが描く 「柄が真っ直ぐになったパイプを咥えて、 椅子の上で身体を丸めて考え込むホームズ」。 (「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」 1891年8月号の「赤毛組合」より) |
キャラバッシュ型パイプは、米国の舞台俳優 / 演出家であるウィリアム・ジレット(William Gillette:1853年ー1937年)が、舞台でホームズを演じる際、舞台上の効果(この型のパイプだと、咥えたままで、台詞を言い易い)から考案されたもので、その後、この型のパイプが、ホームズのトレードマークとなったのである。
(45)拳銃(pistol)
公園の噴水と柵の間の芝生の上に、 拳銃が置かれている。 |
ホームズは、「四つの署名(The Sign of the Four → 2017年8月12日付ブログで紹介済)」等で拳銃を携帯するものの、残念ながら、拳銃の型については、コナン・ドイルの原作上、言及されていない。
挿絵画家のハワード・ケッピー・エルコック (Howard Keppie Elcock:1886年ー1952年)が描く 「床下から出て来た犯人に向かって 拳銃を向けるホームズ」。 (「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」 1925年1月号の「三人のガリデブ(The Three Garridebs)」より) |
ホームズの場合、ベイカーストリート221B(221B Baker Street → 2014年6月22日付ブログで紹介済)の自室において、椅子に座ったまま、射撃連休を行い、壁にヴィクトリア女王(Queen Victoria → 2017年12月10日 / 12月17日付ブログで紹介済)の頭文字に該る「V. R.」と弾丸で痕を残したこともある。
ヴィクトリア女王の生誕200周年を記念して、 2019年にロイヤルメール(Royal Mail)から発行された切手のうちの1枚 |
(46)鹿撃帽(deerstalker)
ロンドン市内を走る機関車の屋根の上に、 鹿撃帽が置かれている。 |
キャラバッシュ型パイプと合わせて、鹿撃帽も、ホームズのトレードマークとなっているが、コナン・ドイルの原作上、「ぴったりとした布帽子(close-fitting cloth cap)」とは記載されているものの、鹿撃帽のことに関しては、言及されていない。
挿絵画家のシドニー・パジェットが描く 「ワトスンと一緒に、列車でボスコム谷へ向かう途中の 鹿撃帽を冠ったホームズ」。 (「ストランドマガジン」1891年10月号の 「ボスコム谷の謎」より) |
ホームズに鹿撃帽を冠らせたのは、挿絵画家のシドニー・パジェットによる発案で、鹿撃帽を冠ったホームズが初登場するのは、短編4作目の「ボスコム谷の謎(The Boscombe Valley Mystery)」で、その後、短編「名馬シルヴァーブレイズ(Silver Blaze)」の際も、ホームズは鹿撃帽を冠って、ジョン・H・ワトスンと一緒に、事件現場であるダートムーア(Dartmoor)へと向かっている。
0 件のコメント:
コメントを投稿