2023年1月19日木曜日

アガサ・クリスティーの世界<ジグソーパズル>(The World of Agatha Christie )- その7

英国の Orion Publishing Group Ltd. から出ている「アガサ・クリスティーの世界(The World of Agatha Christie)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)の生涯や彼女が執筆した作品等に関連した90個の手掛かりについて、前回に続き、紹介していきたい。


(36)カメラ(camera)



ウルの発掘現場において、レオナード・ウーリーの弟子として働いていた考古学者で、14歳年下のマックス・エドガー・ルシアン・マローワン(Max Edgar Lucien Mallowan:1904年ー1978年)と1931年9月11日に再婚したアガサ・クリスティーは、中東でのマックス・マローワンの発掘作業に同行して、発掘作業の写真を撮影したり、発掘されたものを彼女のフェースクリームを使って掃除したりして、彼の仕事を手伝った。

残念ながら、中東での発掘作業は、第二次世界大戦(1939年-1945年)の勃発により、中断されることとなった。


(37)ナイル河(Nile)



この頃、夫マックス・マローワンの発掘作業に同行して、アガサ・クリスティーが深めた中東や考古学等への興味は、


・「オリエント急行の殺人(Murder on the Orient Express)」(1934年)


英国の HarperCollinsPublishers 社から発行されている
エルキュール・ポワロシリーズ
「オリエント急行の殺人」の表紙


英国の HarperCollinsPublishers 社から出ている
アガサ・クリスティー作「オリエント急行の殺人」のグラフィックノベル版の表紙
(Cover Design and Illustration by Ms. Nina Tara)-

オリエント急行列車と線路が描かれている。

・「メソポタミアの殺人(Murder in Mesopotamia)」(1936年)


英国の HarperCollinsPublishers 社から発行されている
エルキュール・ポワロシリーズ
「メソポタミアの殺人」の表紙


英国の HarperCollinsPublishers 社から出ている
アガサ・クリスティー作「メソポタミアの殺人」のグラフィックノベル版の表紙
(Cover Design and Illustration by Ms. Nina Tara)-

米国人の考古学者であるエリック・ライドナー博士が率いるピッツタウン大学イラク調査隊が
チグリス河岸にあるテル・ヤリミヤ遺跡が描かれている。


・「ナイルに死す(Death on the Nile)」(1937年)


英国の HarperCollinsPublishers 社から発行されている
エルキュール・ポワロシリーズ
「ナイルに死す」の表紙


英国の HarperCollinsPublishers 社から出ている
アガサ・クリスティー作「ナイルに死す」のグラフィックノベル版の表紙
(Cover Design and Illustration by Ms. Nina Tara)-
ポワロ達が乗船したナイル河の遊覧船が立ち寄るアブ・シンベル神殿の像と
ピラミッドが描かれている。


・「死との約束(Appointment with Death → 2021年3月13日付ブログで紹介済)」(1938年)


英国の HarperCollinsPublishers 社から発行されている
エルキュール・ポワロシリーズ
「死との約束」の表紙


等の作品に結実したのである。


(38)旅行(travels)



上記の作品に限らず、夫マックス・マローワンと一緒に、いろいろと旅したアガサ・クリスティーの経験は、1939年の「そして誰もいなくなった(And Then There Were None)」となって、頂点を迎える。同作品は、世界中で最も受けた推理小説となるのである。

本ジグソーパズルでは、物語の終盤、
秘書や家庭教師を職業とするヴェラ・エリザベス・クレイソーン(Vera Elizabeth Claythorne)が、
もう一人生き残った元陸軍中尉のフィリップ・ロンバード(Philip Lombard)を
謎のオーウェン氏(Mr. Owen)だと思い、銃で射殺する場面が描かれている。

英国の HarperCollinsPublishers 社から出ている
アガサ・クリスティー作「そして誰もいなくなった」のグラフィックノベル版の表紙
(Cover Design and Illustration by Ms. Nina Tara)-
表紙と裏表紙の両方で、兵隊島に集まった招待客8人と召使夫婦の計10人が、
一人また一人と、正体不明の何者かによって殺害されていくことが暗示されている。


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