2025年10月14日火曜日

ロンドン ヘイマーケット通り(Haymarket)- その2

ヘイマーケット通りの東側から
ヒズ・マジェスティーズ劇場を見上げたところ(その1)
<筆者撮影>

米国のペンシルヴェニア州(Pennsylvania)に出生して、英国人のクラリス・クルーヴス(Clarice Cleaves)との結婚後、1932年から1946年にかけて英国のブリストル(Bristol)に居を構えていた米国の推理作家で、「不可能犯罪の巨匠」とも呼ばれているジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr:1906年ー1977年)が1936年に発表した推理小説で、ギディオン・フェル博士(Dr. Gideon Fell)が登場するシリーズ第7作目に該る「アラビアンナイトの殺人(The Arabian Nights Murders → 2025年8月30日付ブログで紹介済)」の場合、クリーヴランドロウ(Cleveland Row → 2025年9月5日付ブログで紹介済)沿いに建つウェイド博物館(Wade Museum - 大富豪であるジェフリー・ウェイドが10年程前に開設した私立博物館で、中近東の陳列品(Oriental Art)を展示する他、初期の英国製馬車で、素晴らしい逸品も保存)が、殺人事件の舞台となる。


東京創元社から創元推理文庫として出版された
ジョン・ディクスン・カー作「アラビアンナイトの殺人」の表紙
(カバー:山田 維史)


天下の奇書アラビアンナイトの構成にならって、スコットランドヤードのお歴々である(1)ヴァインストリート(Vine Street → 2025年9月19日付ブログで紹介済)署勤務のジョン・カラザーズ警部(Inspector John Carruthers - アイルランド人)、犯罪捜査部(CID)のデイヴィッド・ハドリー警視(Superintendent David Hadley / イングランド人)と(3)副総監であるハーバート・アームストロング卿(スコットランド人)が、三人三様の観察力と捜査法を駆使して、この事件を解説する。

彼らの話の聞き手は、南フランスで4ヶ月間の休暇を楽しんで、アデルフィテラス1番地(1 Adelphi Terrace → 2018年11月25日付ブログで紹介済)の自宅に戻ったばかりのギディオン・フェル博士(Dr. Gideon Fell)だった。


サヴォイプレイス(Savoy Place → 2017年1月29日付ブログで紹介済)から見上げた
アデルフィテラス
<筆者撮影>


アデルフィテラスにある
「アデルフィ(The Adelphi)」と呼ばれる新古典主義の集合住宅(テラスハウス)の記念碑
<筆者撮影>


ヴァインストリート署勤務のジョン・カラザーズ警部が、腹ごしらのために、コーヒーとサンドイッチを売っている屋台店が出ていたパントンストリート(Panton Street)へと向かった際、ホスキンズ巡査部長と危うくぶつかりかけたヘイマーケット通り(Haymarket)は、ロンドンの中心部であるシティー・オブ・ウェストミンスター区(City of Westminster)のセントジェイムズ地区(St. James’s)内の東端にある通りである。


ヘイマーケット通りの西側から
ロイヤル・ヘイマーケット劇場を眺めたところ
<筆者撮影>


ヘイマーケット通りの「ヘイ(Hay:干し草)」が示すように、ピカデリーサーカス(Piccadilly Circus)とパル・マル通りを結ぶ同通り沿いでは、主に家畜用の飼料や農産物等が売られ、発展していった。


ロイヤル・ヘイマーケット劇場の入口を下から見上げたところ
<筆者撮影>


その後、ヘイマーケット通り沿いには、ホテル、レストランやカフェ等が建ち並び、更に劇場や映画館等も進出。


ヘイマーケット通りの東側から
ヒズ・マジェスティーズ劇場を見上げたところ(その2)
<筆者撮影>


同通り沿いに建つロイヤル・ヘイマーケット劇場(Theatre Royal Haymarket → 2016年2月13日付ブログで紹介済)やヒズ・マジェスティーズ劇場(His Majesty’s Theatre)が、数多くの観客を集めている。


ヒズ・マジェスティーズ劇場では、
1986年10月9日の世界初演以降、
ミュージカル「オペラ座の怪人」がロングランを継続中。
<筆者撮影>


特に、ヒズ・マジェスティーズ劇場の場合、1986年10月9日の世界初演以降、ミュージカル「オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)」が40年近くのロングランを続けている。


ヘイマーケット通り沿いにあった映画館は、現在、閉鎖されたままで、
映画館の看板が、今は広告用に使用されている。
<筆者撮影>


残念ながら、同通り沿いにあった映画館は、営業がうまくいかず、現在は閉鎖されており、次の先がまだ決まっていない。


「Nicholson - Super Scale - London Atlas」から
ピカデリーサーカス周辺の地図を抜粋。


現在、ピカデリーサーカス近辺の交通量緩和のため、一方通行策が採られており、ヘイマーケット通りの場合、ピカデリーサーカスからの下り専用で、ヘイマーケット通りの西側にあるロウワーリージェントストリート(Lower Regent Street)の場合、ピカデリーサーカスへの上り専用となっている。 


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