翌朝、ロンドン郊外のセントメアリーミード(St. Mary Mead)のハイストリートにおいて、教会の司祭(vicar)を務めるレナード・クレメント牧師(Reverend Leonard Clement)は、治安判事かつセントメアリーミード村の教区委員であるルシアス・プロセロウ大佐(Colonel Lucius Protheroe)と偶然出会った際、耳が遠くなりかけている人にありがちで、自分以外の人間も耳が遠いと思い込んでいるプロセロウ大佐は、当日の午後の約束を大声で念押ししつつ、約束の時間も午後6時15分へと変更された。
クレメント牧師が牧師館に戻ると、セントメアリーミード村に滞在している肖像画家のローレンス・レディング(Lawrence Redding)が立ち寄って、「(プロセロウ大佐の妻である)アン・プロセロウ(Anne Protheore)との不倫関係を清算して、明日、村を去るつもりだ。」と、クレメント牧師に告げる。
緊急の電話を受けたレナード・クレメント牧師は、 ロウアーファームのアボット氏の元へと向かう。 |
その日の午後5時半頃、クレメント牧師は電話を受け、「ロウアーファーム(Lower Farm)のアボット氏(Mr. Abbott)が危篤状態なので、側に居てほしい。」と頼まれる。クレメント牧師は、今からロウアーファームまで出かけると、プロセロウ大佐との約束の午後6時15分までに牧師館へ戻ることは難しいと判断して、プロセロウ大佐には書斎で待っていてもらうよう、メイドに頼むと、急いでロウアーファームへと向かった。
クレメント牧師がロウアーファームのアボット氏の元を訪れると、驚くことに、本人は全くピンピンとしていて、先程の電話は悪戯であったことが判明する。
レナード・クレメント牧師が、ロウアファームから牧師館へと戻ると、 肖像画家のローレンス・レディングが、非常に取り乱した様子で、 牧師館から立ち去るところだった。 |
午後7時頃、クレメント牧師が牧師館へと戻った際、非常に取り乱した様子のローレンス・レディングが大慌てで牧師館から立ち去るところだった。
不思議に思ったクレメント牧師が書斎に入ると、プロセロウ大佐が拳銃で撃たれて、牧師の書き物机の上に突っ伏してたまま、息絶えているのを発見したのである。
レナード・クレメント牧師が書斎に入ると、 そこには、拳銃で撃たれて息絶えたルシアス・プロセロウ大佐の姿があった。 |
アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)作「牧師館の殺人(The Murder at the Vicarage)」(1930年)のグラフィックノベル版は、全体を通して、丁寧にまとめられていると思う。
今回、探偵役を務めるミス・ジェイン・マープル(Miss Jane Marple)のキャラクターについても、個人的には、割合とイメージに近い。
ミス・ジェイン・マープルが初登場する場面 |
レナード・クレメント牧師の妻である グリゼルダ・クレメント |
ルシアス・プロセロウ大佐の妻であるアン・プロセロウ |
当初、レナード・クレメント牧師は、 妻のグリゼルダの隣りで、甥のデニスの真向かいに座っていた。 |
最後には、レナード・クレメント牧師は、 妻のグリゼルダの真向かいで、甥のデニスの隣りに座っている。 |
(1)卓上ランプの後ろにある引出しと書き物棚の位置が途中で入れ替わってしまうこと
(2)卓上ランプの後ろにある一番上の棚(3つに分かれている)の一番左側には、何も入っていなかったにもかかわらず、途中で何かが入っていたり、真ん中と一番右側に入っているものが、途中で違うものに変わっているように見えること
(3)書き物机の真ん中にある棚の中にある時計が、当初、午後4時を指していたのに、最後には、午後3時35分を指していること
ルシアス・プロセロウ大佐の娘であるレティス・プロセロウが、 牧師館の書斎において、 レナード・クレメント牧師と話をする最初の場面 |
レティス・プロセロウがレナード・クレメント牧師の元を去る場面 - 牧師の書き物机の上に関して、 作画上のミスがとても多い。 |
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