2024年8月15日木曜日

ロンドン ハンプトンコート宮殿(Hampton Court Palace)- その3

英国のロイヤルメール(Royal Mail)から、
2018年7月31日に発行されたハンプトンコート宮殿の記念切手の1枚 -
Hampton Court Palace : Palace Pond Gardens

ハノーヴァー朝(House of Hanover)に入ると、第2代国王であるジョージ2世(George II:1683年ー1760年 在位期間:1727年ー1760年)がハンプトンコート宮殿(Hampton Court Palace)の更なる改築を行うとともに、英国の建築家 / 造園家であるウィリアム・ケント(William Kent:1685年ー1748年)を招き、宮殿内の家具を新たにデザインさせた。

にもかかわらず、ジョージ2世が、ハンプトンコート宮殿に居住する最後の君主となった。


英国のロイヤルメール(Royal Mail)から、
2018年7月31日に発行されたハンプトンコート宮殿の記念切手の1枚 -
Hampton Court Palace : Maze


1760年に即位したハノーヴァー朝の第3代国王であるジョージ3世(George III:1738年ー1820年 在位期間:1760年ー1820年)を含め、以降の君主達は、ロンドン中心部の宮殿に居住することを好んだため、ハンプトンコート宮殿は、王宮としての役割を終えることになる。


英国のロイヤルメール(Royal Mail)から、
2018年7月31日に発行されたハンプトンコート宮殿の記念切手の1枚 -
Hampton Court Palace : Great Fountain Garden


ジョージ3世による統治時の1796年、ハンプトンコート宮殿内の大ホール(Great Hall)の復旧工事が開始。

1838年に大ホールの復旧が竣工したことに伴い、ハノーヴァー朝の第6代君主であるヴィクトリア女王(Queen Victoria:1819年ー1901年 在位期間:1837年ー1901年)は、ハンプトンコート宮殿を一般に開放した。


ナショナルポートレートギャラリー
(National Portrait Gallery)
で販売されている
ヴィクトリア女王の肖像画の葉書
(Sir George Hayter / 1863年 - based on a work of 1838 / Oil on canvas
2,858 mm x 1,790 mm) 

上記以降、ハンプトンコート宮殿は、主要な観光名所となったが、1989年に国王の居室が火災に遭ったため、大規模改修工事が行われて、1995年に竣工。

その際、庭園についても、フランス生まれのオランダ人の建築家 / 造園家であるダニエル・マロ(Daniel Marot:1661年ー1752年)が造園した当時の状態に復元された。

庭園は、毎年開催される「ハンプトンコート宮殿フラワーショー(RHS Hampton Court Palace Flower Show)」の会場となっている。


現在、ハンプトンコート宮殿は、Historic Royal Palaces によって管理されており、「第一級建造物(Grade I listed)」に指定されている。


ハンプトンコート宮殿には、ジェイン・シーモア(Jane Seymour:1508年-1537年)とキャサリン・ハワード(Catherine Howard:1521年頃ー1542年)の幽霊が出没すると言われている。


ヘンリー8世の3番目の王妃である
ジェイン・シーモアの肖像画
(英国の Dorling Kindersley Limited から2001年に出版された

「Kings and Queens - A Royal History ofEngland & Scotland」から抜粋)

ジェイン・シーモアは、テューダー朝(House of Tudor)の第2代イングランド王であるヘンリー8世(Henry VIII:1491年ー1547年 在位期間:1509年ー1547年)の3番目の王妃である。

2番目の王妃で、後のエリザベス1世(Elizabeth I:1533年ー1603年 在位期間:1558年ー1603年)の生母でもあるアン・ブーリン(Anne Boleyn:1501年頃ー1536年)の処刑後の1536年5月30日、ヘンリー8世と結婚。

翌年の1537年10月12日、世継ぎの男子で、後のエドワード6世(Edward VI:1537年ー1553年 在位期間:1547年ー1553年)を出産したが、12日後の同年10月24日、産褥死した。

これ以降、ジェイン・シーモアの幽霊が、ハンプトンコート宮殿内の階段に頻繁に出没すると言われており、特に、エドワード6世の誕生日に該る10月12日に現れると言う。


ヘンリー8世の5番目の王妃である
キャサリン・ハワードの肖像画
(英国の Dorling Kindersley Limited から2001年に出版された

「Kings and Queens - A Royal History ofEngland & Scotland」から抜粋)

また、キャサリン・ハワードは、ヘンリー8世の5番目の王妃である。

1540年7月28日に、ヘンリー8世と結婚するも、遠縁や元恋人との姦通を疑われ、逮捕の上、1542年2月13日に処刑された。

王の護衛に逮捕された際、夫であるヘンリー8世に直訴しようとしたキャサリン・ハワードは、ハンプトンコート宮殿内の廊下を悲鳴を上げながら走ったと言われており、無実を訴えようとする彼女の幽霊が、当該廊下に未だに出没する、とのこと。


ナショナルポートレートギャラリーで販売されている
アン・ブーリンの肖像画の葉書
(Unknown artist / 1535 - 1536年頃 / Oil on panel
543 mm x 416 mm) 


ケンブリッジ大学創立800周年を記念して、
英国の児童文学作家 / イラストレーターであるクェンティン・ブレイクが描いた
ヘンリー8世とキングスカレッジ合唱団の絵葉書
<筆者がケンブリッジのフィッツウィリアム博物館(Fitzwilliam Museum
→ 2024年7月20日 / 7月24日付ブログで紹介済)で購入>


ジェイン・シーモアとキャサリン・ハワードの2人に加えて、2番目の王妃だったアン・ブーリンやヘンリー8世自身の幽霊も現れると言う報告も為されている。


          

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