2024年5月31日金曜日

ロバート・J・ハリス作「悪魔の業火」(The Devil’s Blaze by Robert. J. Harris)- その2

英国の Birlinn Ltd から、Polygon Book として
2022年に刊行されている
 ロバート・J・ハリス
作「悪魔の業火」の
ペーパーバック版裏表紙

(Cover images : Alamy Stock Photo /
Cover design by Abigail Salvesen


1943年5月19日、ベーカーストリート221B(221B Baker Street)のシャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの元へ、スコッとヤードのジョージ・レストレード警部(Inspector George Lestrade)が、事件の相談者であるウィンスロー・バステイブル(Mr. Winslow Bastable - ケント州(Kent)コブルストーン村(Cobblestone)に在住)とオリヴァー・ポール巡査部長(Detective Sergeant Oliver Pole - ケント州警察の警官)を連れて来たが、ホームズは、その事件を立ち所に解決してしまう。


事件の相談者2人を帰らせたレストレード警部は、そのまま居残ると、オフェーリア・フェイス(Ophelia Faith)と言う女性福音伝道者(evangelist)が配っている小冊子を、ホームズとワトスンに見せる。彼女の小冊子は、「神の審判は下された!(The Day of Judgement Has Arrived!)」と唱えていた。

レストレード警部によると、オフェーリア・フェイスが民衆のパニックを先導する危険性がることから、スコットランドの上層部から、彼女の言動を注視するよう、指示を受けていたのである。


丁度その時、ハドスン夫人(Mrs. Hudson)が、ホームズの元へ電報を急いで持って来る。

電報は、英国政府からで、その電報によると、


*マイクロフト・ホームズ(Mycroft Holmes)は、現在、英国首相に帯同して、米国へ出張中。

*彼に代わり、シャーロック・ホームズを明日の朝に開催される国家公安委員会(Intelligence Inner Council)の会議に招待したい。


とのことだった。


翌朝、ホームズとワトスンの2人は、国家公安委員会の会議に出席するべく、アドミラルティーアーチ(Admiralty Arch → 2015年12月27日付ブログで紹介済)へと向かう。

そこで、2人は、驚くべく話を聞かされた。


(1)タルマン少将(Major General Talman)- スタッフとの打ち合わせ中、突然、炎に包まれて、焼死。

(2)サー・レオポルド・ダンビー(Sir Leopold Denby)- 妻と一緒に自宅に居る際、突然、炎に包まれて、焼死。

(3)ウォレス・カルー博士(Dr. Wallace Carew)- 通りを歩いている時、突然、炎に包まれて、焼死。


更に、会議に出席していたローランド・ショア大尉(Captain Roland Shore)も、突然、炎に包まれて、焼死してしまった。


会議メンバーの一人であるサー・アンソニー・ロイド(Sir Anthony Lloyd)からの指示を受けて、ホームズとワトスンは、昨年の事件で知り合った女性科学者のエルスペス・マックレディー博士(Dr. Elspeth Mac Ready - 「深紅色の研究(A Study in Crimson → 2024年5月6日 / 5月12日 / 5月16日付ブログで紹介済)」(2020年)を参照)の協力を得ることになる。


更に、サー・アンソニー・ロイドからの指示で、ホームズとワトスンは、ロンドン北西部のバッキンガムシャー州(Buckinghamshire)内に所在する「ハンターズウッド(Hunterswood)」と呼ばれる施設へと連れて行かれる。

そこで、2人は、チェスのチャンピオン、言語学者やクロスワードパズルの専門家等を見かけた。

一体、「ハンターズウッド」において、何が行われているのか?


ホームズとワトスンの2人は、「ハンターズウッド」を統括しているジェイムズ・モリアーティー教授(Professor James Moriarty)を紹介される。

モリアーティー教授によると、「ハンターズウッド」では、ドイツ軍の暗号を解析するための機器を開発している、とのことだった。モリアーティー教授は、ホームズに対して、「ドイツ軍とヒトラーを倒す目的は、君(ホームズ)と一緒だ!」と告げるが、ホームズは、ワトスンに対して、「今起きている事件の背後には、モリアーティー教授が居る。」と囁く。


モリアーティー教授に「ハンターズウッド」を案内される途中、体育館において、ホームズとワトスンは、警備の責任者であるセバスチャン・モラン大佐(Colonel Sebastian Moran)に出会う。

ホームズのことを快く思わないモラン大佐は、ホームズに対して、フェンシングの決闘を仕掛けるのであった。


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