2024年4月4日木曜日

アガサ・クリスティーの世界<ジグソーパズル>(The World of Agatha Christie )- その40

英国の Orion Publishing Group Ltd. から出ている「アガサ・クリスティーの世界(The World of Agatha Christie)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)の生涯や彼女が執筆した作品等に関連した90個の手掛かりについて、前回に続き、紹介していきたい。


今回も、アガサ・クリスティーが執筆した作品に関連する手掛かりの紹介となる。


(89)ベラドンナ(Belladonna)



本ジグソーパズル内において、アガサ・クリスティーが腰掛けている椅子の右側にある窓の外に、「ベラドンナ」が植えられている。


これから連想されるのは、アガサ・クリスティーが1947年に発表したエルキュール・ポワロシリーズ作品の短編集「ヘラクレスの冒険(The Labours of Hercules)」である。


英国の Harper Collins Publishers 社から出版されている
アガサ・クリスティー作エルキュール・ポワロシリーズ
「ヘラクレスの冒険」のペーパーバック版の表紙

名探偵エルキュール・ポワロは、「ヘラクレス(Hercules)と言う同名の英雄とは、似ても似つかない。」と、彼の友人であるバートン医師(Dr. Burton)から馬鹿にされて、プライドを大いに傷付けられた。

そこで、ポワロは、ほんの僅かな関わりでも構わないので、神話の中の英雄ヘラクレスが挑んだ有名な難業に関連するものに限り、探偵稼業から引退する前に、12の事件だけを引き受けることに決めた。

そして、英雄ヘラクレスと同様に、ポワロが挑む事件が、以下の12件である。


*「ネメアのライオン(The Nemean Lion)」(1939年)

*「レルネーのヒドラ(The Learnean Hydra)」(1939年)

*「アルカディアの鹿(The Arcadian Deer)」(1940年)

*「エルマントスのイノシシ(The Erymanthian Boar)」(1940年)

*「アウゲイアス王の大牛舎(The Augean Stables)」(1940年)

*「ステュムパロスの鳥(The Stymphalean Birds)」(1939年)

*「クレタ島の雄牛(The Cretan Bull)」(1939年)

*「ディオメーデスの馬(The Horses of Diomedes)」(1940年)

*「ヒッポリュテの帯(The Girdle of Hyppolita)」(1939年)

*「ゲリュオンの牛たち(The Flock of Geryon)」(1940年)

*「ヘスぺリスたちのリンゴ(The Apples of Hesperides)」(1940年)

*「ケルベロスの捕獲(The Capture of Cerberus)」(1947年)


上記の12件のうち、「クレタ島の雄牛」において、エルキュール・ポワロは、ダイアナ・メイベリー(Diana Maberly)と言う若い女性から、相談を受ける。

彼女によると、ヒュー・チャンドラー(Hugh Chandler)と言う男性と婚約していたのだが、突然、彼がその婚約を解消した、とのこと。彼曰く、彼の家系には、祖父や大伯母をはじめ、代々、狂気が遺伝しており、自分自身も間もなく狂人になると恐怖していたのである。

ダイアナ・メイベリーから相談を受けたポワロは、問題のヒュー・チャンドラーの家を訪れるのであった。

本作品において、ベラドンナが使用されている。


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