(90)ドクニンジン(Hemlock)
ドクニンジンの化学式(構造式)- Bloomsbury Publishing Plc から出版された キャサリン・ハーカップ作「アガサ・クリスティーと14の毒薬 (A is for Arsenic - The Poisons of Agatha Christie by Kathryn Harkup)」の ペーパーバック版から抜粋。 |
目:セリ目(Apiales)
科:セリ科(Apiaceae)
属:ドクニンジン属(Conium)
ドクニンジンは、古代ギリシアの哲学者であるソクラテス(Socrates:紀元前470年頃ー紀元前399年)の処刑の際、毒薬として使用されたと言われており、そのため、欧州において、茎にある紫紅色の斑点が、「ソクラテスの血」と呼ばれたりする。
原産:欧州(特に、地中海沿岸)を原産とする「Conium maculatum」と北アフリカを原産とする「C. chaerophylloides」の2種類がある。
最近では、かつては自生していなかった日本(北海道や東日本)、アジア各地、北アメリカやオーストラリア等に持ち込まれて、帰化植物となっている。
多年生草木
茎:高さは2m位 / 毛がなく、つるつるした緑色 / 下半分には、紫紅色の斑点があり、生長すると、暗紫色に変わる。
根:肉色をしており、枝分かれしていない。
葉:三角形をしており、レース状に分かれている。
花:小さな白い花が密集して、多く咲く。
ドクニンジンは、植物全体が臭気を放っていることが特徴で、この臭いが、食用植物と区別する基準となる。
ドクニンジンは、全草、特に、果実に猛毒成分を含んでいる。
ただし、用法や用量を守って使用する限り、有用であり、鎮静剤や痙攣止め等の用途に使われてきた。
ドクニンジンを誤食した場合や大量に摂取した場合の副作用として、コニイン(Coniine - 神経毒)を初めとする各種の毒性アルカロイドにより、
*嘔吐
*下痢
*呼吸困難
*麻痺
*言語障害
等を引き起こし、最悪の場合には、死に至るので、取扱いに注意が必要。
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