2024年6月15日土曜日

バッキンガムシャー州(Buckinghamshire)ブレッチリーパーク(Bletchley Park)

英国のロイヤルメール(Royal Mail)から
2012年4月10日に発行された記念切手「UK A - Z Part 2」のうち、
ブレッチリーパークの切手を抜粋。


スコットランドのダンディー(Dundee)出身の学者 / 作家であるロバート・J・ハリス(Robert. J. Harris:1955年ー)は、第二次世界大戦(1939年ー1945年)時に時代設定を置いたシャーロック・ホームズシリーズを刊行しており、第1作目に該る「深紅色の研究(A Study in Crimson → 2024年5月6日 / 5月12日 / 5月16日付ブログで紹介済)」(2020年)に続く第2作目である「悪魔の業火(The Devil’s Blaze → 2024年5月27日 / 5月31日 / 6月4日付ブログで紹介済)」(2022年)の場合、1943年の英国において、政府の要人達が不審な状況下で焼死する事件が連続して発生する。


英国の国家公安委員会(Intelligence Inner Council)メンバーの一人であるサー・アンソニー・ロイド(Sir Anthony Lloyd)からの指示を受けて、シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンは、ロンドン北西部のバッキンガムシャー州(Buckinghamshire)内に所在する「ハンターズウッド(Hunterswood)」と呼ばれる施設へと連れて行かれる。そこで、2人は、チェスのチャンピオン、言語学者やクロスワードパズルの専門家等を見かけた。

ホームズとワトスンの2人は、「ハンターズウッド」を統括しているジェイムズ・モリアーティー教授(Professor James Moriarty)を紹介される。モリアーティー教授によると、「ハンターズウッド」では、ドイツ軍の暗号を解析するための機器を開発している、とのことだった。モリアーティー教授は、ホームズに対して、「ドイツ軍とヒトラーを倒す目的は、君(ホームズ)と一緒だ!」と告げるが、ホームズは、ワトスンに対して、「今起きている事件の背後には、モリアーティー教授が居る。」と囁くのであった。


ロバート・J・ハリス作「悪魔の業火」内に出てくる「ハンターズウッド」は、架空の施設であり、実在の施設である「ブレッチリーパーク(Bletcheley Park)」をモデルにしていると思われる。


ブレッチリーパークは、英国バッキンガムシャー州(Buckinghamshire)ミルトンキーンズ(Milton Keynes)内に所在する庭園と邸宅を指す。

なお、ミルトンキーンズは、ロンドンの北西約80㎞のところにあり、オックスフォード(Oxford)とケンブリッジ(Cambridge)のほぼ中間の丘陵地に所在する都市である。


英国のロイヤルメール(Royal Mail)から
2012年4月10日に発行された記念切手「UK A - Z Part 2」のうち、
ブレッチリーパークにかかる説明を
プレゼンテーションパック(presentation pack)から抜粋。

第二次世界大戦中、ブレッチリーパークには、英国の暗号解読センターの政府暗号学校が設置されたが、秘密裡の施設だった関係上、「ステーションX(Station X)」の暗号名で呼ばれた。

政府暗号学校では、英国の数学者、論理学者、暗号解読者兼コンピューター科学者であるアラン・マシソン・テューリング(Alan Mathison Turing:1912年ー1954年)が勤務して、ドイツ軍が使用したエニグマ暗号機(Enigma)による通信の解読に成功する等の成果を上げたことで有名である。


現在、ブレッチリーパーク内には、第二次世界大戦の暗号解読等をテーマにした国立コンピューティング博物館(The National Museum of Computing (TNMOC))が開設されている。

同博物館は、歴史的なコンピューターの収集と復元に特化した施設で、2007年に開設された。


0 件のコメント:

コメントを投稿