2022年12月24日土曜日

「アガサ - アガサ・クリスティーの実像」<グラフィックノベル版>(Agatha - The Real Life of Agatha Christie )- その1

英国の Metro Media Ltd. から、
Self Made Hero シリーズの一つとして、2016年に出版されている
「アガサ - アガサ・クリスティーの実像」のグラフィックノベル版の表紙

アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)は、その生涯の間に、数々の名探偵を生み出している。

なお、彼女は、1890年9月15日、米国人の実業家である父親のフレデリック・アルヴァ・ミラー(1846年-1901年)と彼の従妹である母親のクララ・ベーマー(1854年ー1926年)の次女として、英国南西部にあるデヴォン州(Devon)トーキー(Torquay)に出生した。そして、1976年1月12日、静養先であるオックスフォード州(Oxfordshire)ウォリングフォード(Wallingford)の自宅ウィンターブルックハウス(Winterbrook House)において、85歳の生涯を終えている。


(1)エルキュール・ポワロ(Hercle Poirot)- 初登場作品:長編「スタイルズ荘の怪事件(The Mysterious Affairs at Styles)」(1920年)

(2)トマス・ベレズフォード(Thomas Beresford - 愛称:トミー(Tommy))/ プルーデンス・カウリー(Prudence Cowley - 愛称:タペンス(Tuppence)- 初登場作品:長編「秘密機関(The Secret Adversary)」(1922年)

(3)ミス・ジェイン・マープル(Miss Jane Marple)- 初登場作品:(書籍として出版された順番で言うと、)長編「牧師館の殺人(Murder at the Vicarage → 2022年10月30日 / 10月31日付ブログで紹介済)」(1930年)/ (厳密に言うと、)1927年12月から雑誌に掲載された短編「火曜クラブ(The Tuesday Night Club)」→ 短編集「ミス・マープルと13の謎(The Thirteen Problems)<米題: 火曜クラブ(The Tuesday Club Murders)」(1930年)に収録

(4)ハーリー・クィン(Harley Quin)- 初登場作品:短編集「謎のクィン氏(The Mysterious Mr. Quin)」(1930年)

(5)パーカー・パイン(Parker Pyne)- 初登場作品:短編集「パーカー・パイン登場(Parker Pyne Investigates)<米題: Mr. Parker Pyne, Detective)」(1934年)


英国の Metro Media Ltd. から、
Self Made Hero シリーズの一つとして、2016年に出版されている
「アガサ - アガサ・クリスティーの実像」のグラフィックノベル版の裏表紙


上記の通り、数々の名探偵を生み出したアガサ・クリスティーの生涯を記したグラフィックノベルが出版されている。


本作品のグラフィックノベル版は、元々、Anne Martinetti と Guillaume Lebeau が構成を、そして、Alexandre Franc が作画を担当して、2014年にフランスの Hachette Livre (Marabout) から出版された後、英国の Metro Media Ltd. から、Self Made Hero シリーズの一つとして、2016年に英訳版が出版されている。


英国の Metro Media Ltd. から、
Self Made Hero シリーズの一つとして、2016年に出版された
「Agatha - The Real Life of Agatha Christie」からの一場面 -
自宅を出た後、行方不明となったアガサ・クリスティーが
運転していた自動車が、
サリー州(Surrey)内のある湖の近くに
乗り捨てられているのが発見された


本作品「アガサ - アガサ・クリスティーの実像(Agatha - The Real Life of Agatha Christie)」は、1926年12月3日に発生したアガサ・クリスティー(当時36歳)の失踪事件から始まる。


「アクロイド殺し(The Murder of Roger Ackroyd → 2022年11月7日付ブログで紹介済)」(1926年)にかかるフェア・アンフェア論争により、アガサ・クリスティーの知名度は大きく高まり、ベストセラー作家の仲間入りを果たした。


一方で、同年、アガサ・クリスティーは、最愛の母親を亡くしたことに加えて、夫であるアーチボルド・クリスティー(Archibald Christie:1889年ー1962年)に、別に恋人が居ることが判明して、精神的に不安定な状態にあった。

当時、ロンドン近郊の田園都市であるサニングデール(Sunningdale)の自宅スタイルズ荘(Styles - 「茶色の服の男(The Man in the Brown Suit → グラフィックノベル版については、2021年1月18日付ブログで紹介済)」(1924年)の出版により得たまとまった収入で購入し、処女作に因んで命名)に住んでいたアガサ・クリスティーは、同年(1926年)12月3日、住み込みのメイドに対して、行き先を告げず、「外出する。」と伝えると、当時珍しかった自動車を自分で運転して、自宅を出たまま、行方不明となってしまう。


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