2026年7月3日金曜日

フィリップ・パーサー=ハラード作「シャーロック・ホームズ / 人間消失」(Sherlock Holmes / The Vanishing Man by Philip Purser-Hallard) - その4

英国の Titan Publishing Group Ltd. の Titan Books 部門から
2019年に出版された
フィリップ・パーサー=ハラード作「シャーロック・ホームズ:人間消失」の表紙(部分)
(Images : Shutterstock)


読後の私的評価(満点=5.0)


(1)事件や背景の設定について ☆☆☆半(3.5)


英国のファンタジー / SF / 推理作家であるフィリップ・パーサー=ハラード(Philip Purser-Hallard:1971年ー)が、Titan Publishing Group Ltd. から、「シャーロック・ホームズの更なる冒険(The further adventures of Sherlock Holmes)」シリーズとは別シリーズの「シャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes)」シリーズの一つとして、2019年に発表した「人間消失(The Vanishing Man)」の場合、1896年9月14日(月)から9月15日(火)にかけて、トマス・ケルウェイ(Thomas Kellway)と名乗る人物が「テレキネシス(Telekinesis)」を使って、物体を移動する実験を、リッチモンド(Richmond)にあるサー・ニューナム・スペイト(Sir Newham Speight - The Society for the Scientific Investigation of Psychical Phenomena の会長(Chairman))の自宅 Parapluvium House 内に設けれらた実験室で実施した際、衆人環視の中、トマス・ケルウェイが隔離された室内から姿を消してしまうと言う非常に不可思議な事件が発生したため、サー・ニューナム・スペイトは、シャーロック・ホームズに対して、助けを求める。


ヴィクトリア女王の生誕200周年を記念して、
2019年に英国のロイヤルメール(Royal Mail)から発行された切手の1枚


ハノーヴァー朝(House of Hanover)の第6代女王であるヴィクトリア女王(Queen Victoria:1819年ー1901年 在位期間:1837年ー1901年 → 2017年12月10日 / 12月17日付ブログで紹介済)が統治していたヴィクトリア朝(1837年ー1901年)、産業革命(Industrial Revolution)による経済の発展が成熟して、大英帝国は絶頂期に達した時代である。

ヴィクトリア朝の後期(1870年代ー1901年)、特に1890年代に神智学(theosophy)やその他のオカルト趣味が勃興しており、フィリップ・パーサー=ハラード作「人間消失」事件は、丁度この時期に該っている。


リッチモンドにあるサー・ニューナム・スペイトの自宅 Parapluvium House 内に設けられた
実験室の見取り図 - 
Titan Publishing Group Ltd. の Titan Books 部門から
2019年に出版された
フィリップ・パーサー=ハラード作「シャーロック・ホームズ:人間消失」から抜粋。


(2)物語の展開について ☆☆半(2.5)


サー・ニューナム・スペイトから依頼を受けたシャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンは、トマス・ケルウェイによるテレキネシス実験に立ち会ったサー・ニューナム・スペイト、タルボット・ライヌ(Talbot Rhyne - サー・ニューナム・スペイトの助手)や The Society for the Scientific Investigation of Psychical Phenomena の会員達から事情聴取を行うが、実験に立ち会った関係者の数が多く、この事情聴取にページ数が割かれており、残念ながら、話がなかなか進まない。


リッチモンドにあるサー・ニューナム・スペイトの自宅 Parapluvium House 内で行われた
実験における見張りのスケジュール / 組み合わせ - 
Titan Publishing Group Ltd. の Titan Books 部門から
2019年に出版された
フィリップ・パーサー=ハラード作「シャーロック・ホームズ:人間消失」から抜粋。


(3)ホームズ / ワトスンの活躍について ☆☆☆(3.0)


ページの大部分が、ホームズ / ワトスンによる関係者の事情聴取に取られてしまい、話がなかなか進まない上に、活躍の場が少ない。


(4)総合評価 ☆☆☆(3.0)


フィリップ・パーサー=ハラード作「人間消失」の場合、衆人環視の中、トマス・ケルウェイが隔離された室内から姿を消してしまうと言う非常に不可思議な事件が発生。本格推理小説的な事件である。

シャーロック・ホームズシリーズ作品に対して、本格推理小説的な解決を求めることは、正直なところ、酷なことなのかもしれないが、事件の真相は平凡で、あまり魅力的ではない。

前述の通り、ページの大部分が、ホームズ / ワトスンによる関係者の事情聴取に取られてしまい、話がなかなか進まない上に、活躍の場が少なく、物語のカタルシスを感じられない。


2026年7月2日木曜日

ロンドン コートールドギャラリー(Courtauld Gallery)- その1

コートールドギャラリーの4階(3F)にある
ルーム「Bloomsbury Group」内へ入った左手の壁に展示されている
ヴァージニア・ウルフの姉ヴァネッサ・ベルによる絵画2作品
<筆者撮影>


ロンドンの中心部シティー・オブ・ウェストミンスター区(City of Westminster)のストランド地区(Strand)にあり、テムズ河(River Thames)を見下ろす絶好のロケーションに建つサマセットハウス(Somerset House → 2016年7月17日)内に設けられているコートールドギャラリー(Courtauld Gallery)には、英国の小説家 / 評論家であるヴァージニア・ウルフ(Virginia Woolf:1882年ー1941年)が、彼女の姉で、英国の画家 / インテリアデザイナーであるヴァネッサ・ベル(Vanessa Bell:1879年ー1961年)達と一緒に結成した「ブルームズベリーグループ(Bloomsbury Group)」と呼ばれる著述家や芸術家の知的サークルの作品が所蔵 / 展示されているので、今回紹介したい。


「ブルームズベリーグループ」のメンバーによる作品は、
コートールドギャラリーの4階(3F)にある
ルーム「Bloomsbury Group」内に展示されている。


コートールドギャラリーは、ロンドン大学(University of London → 2016年8月6日付ブログで紹介済)附属コートールド美術研究所(Courtauld Institute of Art)の美術館で、比較的小規模であるものの、印象派や後期印象派のコレクションで非常に有名である。


コートールドギャラリーの4階(3F)にある案内標識
<筆者撮影>


(1)ヴァネッサ・ベル(1879年ー1961年)- 英国の画家 / インテリアデザイナー


'A Conversation' by Vanessa Bell
Around 1913 - 1916 / Oil paint on canvas
<筆者撮影>

'Lilies and Iris' by Vanessa Bell
Around 1919 / Oil paint on canvas
<筆者撮影>

'Still Life at a Window' by Vanessa Bell
1922 / Oil paint on canvas
<筆者撮影>

'Study of Duncan Grant' by Vanessa Bell
1944 / Oil paint and bodycolour on wove paper
<筆者撮影>


(2)ダンカン・ジェイムズ・コロウ・グラント(Duncan James Corrowr Grant:1885年ー1978年)- 英国の画家 / 織物・陶芸・舞台美術・服飾デザイナー


'Seated Woman, Ka (Katherine) Cox' by Duncan Grant
1912 / Oil paint on wooden papel
<筆者撮影>


(3)ロジャー・エリオット・フライ(Roger Eliot Fry:1866年ー1934年)- 英国の画家 / 芸術批評家


'Copy after a Self-Portrait by Cezanne' by Roger Fry
1925 / Oil paint on cardboard
<筆者撮影>

ロジャー・フライが1913年に設立した
Omega Workshops Ltd. が制作した陶磁器 -
残念ながら、Omega Workshops Ltd. の経営はうまく行かず、
1919年に閉鎖となった。
<筆者撮影>

’Rug design' by Omega Workshops
1913 - 19 / Graphite and bodycolour on wove paper
<筆者撮影>


コートールドギャラリーに所蔵 / 展示されている作品の多くは、前述のロジャー・エリオット・フライが所有していたもので、彼が1934年に亡くなった際、彼の妹であるサラ・マージェリー・フライ(Sara Margery Fry:1874年ー1958年)がコートールドギャラリーに対して寄付したのである。


なお、ロジャー・エリオット・フライの妹サラ・マージェリー・フライは、英国の刑務所改革指導者(prison reformer)で、後に治安判事(magistrate)になった最初の女性の一人である。また、彼女は、オックスフォード(Oxford)にあるサマーヴィルカレッジ(Somerville College)の学長(principal)も務めてる。


2026年7月1日水曜日

メアリー女王の庭園 - 薔薇園(Queen Mary's Gardens - Rose Gardens)- その3

Rosa - You're Beautiful(その1)
<筆者撮影>

メアリー女王の庭園(Queen Mary's Gardens → 2026年5月4日 / 5月10日 / 5月15日付ブログで紹介済)内にある薔薇園(Rose Gardens)において、主だった薔薇の写真を撮ってきたので、3回に分けて、御紹介したい。今回は、3回目です。なお、品種によっては、最盛期を過ぎている薔薇があるが、御容赦願います。

Rosa - Norwich Castle
<筆者撮影>

Rosa - Precious Time
<筆者撮影>

Rosa - Princess Anne
<筆者撮影>

Rosa - Rock & Roll
<筆者撮影>

Rosa - Saffie-Rose
<筆者撮影>

Rosa - Scarborough Fair
<筆者撮影>

Rosa - Tiamo
<筆者撮影>

Rosa - You're Beautiful(その2)
<筆者撮影>

Rosa - Your Lovely Eyes
<筆者撮影>