2025年3月10日月曜日

ロンドン キングスロード(King’s Road)- その2

東側の起点であるスローンスクエア方面のキングスロードを望む


アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)によるエルキュール・ポワロシリーズの短編で、1960年に刊行された短編集「クリスマスプディングの冒険(The Adventure of Christmas Pudding)」に収録されている「二十四羽の黒つぐみ(Four-and-Twenty Blackbirds → 2025年3月5日 / 3月6日付ブログで紹介済)」(1940年)は、ある夜、エルキュール・ポワロが、チェルシー地区(Chelsea)内のキングスロード(King’s Road)沿いにあるレストラン「ギャラント エンデヴァー(Gallant Endeavour)」において、友人のヘンリー・ボニントン(Henry Bonnington)と食事をしている場面から始まる。



ポワロと彼の友人であるヘンリー・ボニントンの2人が食事をしたレストラン「ギャラント エンデヴァー」があるキングスロードは、ロンドンの中心部の一つであるケンジントン&チェルシー王立区(Royal Borough of Kensington and Chelsea)のチェルシー地区内に所在する通りである。





キングスロードの東側は、地下鉄のサークルライン(Circle Line)/ ディストリクトライン(District Line)が停まる地下鉄スローンスクエア駅(Sloane Square Tube Station)があるスローンスクエア(Sloane Square)を起点として、テムズ河(River Thames)に沿うように、チェルシー地区内を南西方面へと延びる。


ソーホースクエアガーデンズ(Soho Square Gardens)内に
設置されているチャールズ2世像 -
デンマーク人の彫刻家 Caius Gabriel Cibber (1630年―1700年)が制作


王政復古(Restoration)後のステュアート朝(House of Stuart)国王であるチャールズ2世(Charles II:1630年ー1685年 在位期間:1660年ー1685年)が、ロンドンの南西部にあるキュー(Kew)へと向かう際に使用した私的な道路が、キングスロードの始まりである。そして、国王が使用した道路と言うことが、「キングスロード」と呼ばれるようになった所以である。





キングスロードは、1830年まで英国王室所有の道路であったが、ロンドン内の交通状況を改善するために、英国王室関係者や一般に解放された。




1960年代後半から1980年代前半にかけて、ヒッピーやパンク文化等に感化された若者達がキングスロード界隈を闊歩し、若者文化の中心地として、ソーホー地区(Soho)内にあるカーナビーストリート(Carnaby Street)界隈とともに注目された。




現在は、チェルシー地区内におけるメイン通り(High Street)として、ロンドン内で最もファッショナブルな通りとして知られている。


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