2023年5月15日月曜日

ウィリアム・ブレイク(William Blake)

ウィリアム・シェイクスピア作の喜劇「夏の夜の夢」を題材にして、
英国の詩人 / 画家 / 銅版画職人であるウィリアム・ブレイクが、
水彩画「オーベロン、ティターニア、パックと妖精の踊り」を描いている。
画面左側から、「
妖精の王オーベロン」、「妖精の女王ティターニア」、

「悪戯好きの妖精パック」、「蛾の羽の妖精」、「芥子の種の妖精」、

蜘蛛の巣の妖精」、そして、「豆の花の妖精」が登場している。

この水彩画を所蔵しているテイト・ブリテン美術館で購入した絵葉書から抜粋。


今回は、イングランドの劇作家 / 詩人であるウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare:1564年ー1616年)作の喜劇「夏の夜の夢(A Midsummer Night’s Dream)」(1595年ー1596年)を題材にした絵画について、紹介したい。

それは、ウィリアム・ブレイク(William Blake:1757年ー1827年)による水彩画「オーベロン、ティターニア、パックと妖精の踊り(Oberon, Titania and Puck with Fairies Dancing)」(1786年頃)である。


ウィリアム・ブレイクは、英国の詩人、画家で、銅版画職人でもあった人物で、1757年11月28日、ロンドンのソーホー地区(Soho)内に所在するブロードウィックストリート28番地(28 Broadwick Street)に、靴下商人である父ジェイムズ・ブレイクと母キャサリンの第3子として出生し、同年12月11日に、ピカデリー地区(Piccadilly)内に所在するセントジェイムズ教会(St. James’s Church → 2018年10月13日付ブログで紹介済)において、洗礼を受けた。


ピカデリー通り(Piccadilly)側から見たセントジェイムズ教会


ウィリアム・ブレイクは、幼少期から絵の才能を開花し、絵画の学校に入学。また、1772年に、彫刻家であるジェイムズ・バサイア(James Basire)に弟子入り。

長じると、彼は、銅版画家、そして、挿絵画家として、生計を立てた。


1787年頃、ウィリアム・ブレイクは、新しいレリーフ・エッチングの手法を発明し、言語テクストと視覚テクストを同列に表現できるようにしたことに加えて、出版者に頼らず、自分の印刷機を使って、自分の本を印刷できるようになった。


上記の通り、ウィリアム・ブレイクは、後の出版印刷業界に対して、大きな影響を与えることになったものの、実際には、世に殆ど認知されないまま、極貧の生活を辿り、1827年8月12日に亡くなり、シティー(City → 2018年8月4日 / 8月11日付ブログで紹介済)のバンヒルフィールズ(Bunhill Fields)に埋葬された。


2020年に英国のロイヤルメール(Royal Mail)から発行された
英国の詩人を特集した切手10種類の一人として、
ウィリアム・ブレイクが選ばれている。


ウィリアム・ブレイクが1786年頃に制作し水彩画「オーベロン、ティターニア、パックと妖精の踊り」には、左側から、


・妖精の王オーベロン(Oberon)

・妖精の女王ティターニア(Titania)

・悪戯好きの妖精パック(Puck)

・蛾の羽(Moth)の妖精

・芥子の種(Mustardseed)の妖精

・蜘蛛の巣(Cobweb)の妖精

・豆の花(Peaseblossom)の妖精


が描かれており、蛾の羽、芥子の種、蜘蛛の巣、そして、豆の花の4人の妖精たちは、両手を繋ぎ、輪になって踊っている。

なお、この水彩画は、1910年に Mr. Alfred A. de Pass によって寄贈され、現在、テイト・ブリテン美術館が所蔵している。


追加になるが、米国の作家 / 推理作家であるウィリアム・トマス・ハリス3世(William Thomas Harris III:1940年ー)が1981年に発表した「レッドドラゴン(Red Dragon)」において、ウィリアム・ブレイクによる水彩画「巨大な赤い龍と太陽の衣を纏った女(The Great Red Dragon and the Woman Clothed in the Sun)」(1805年頃)が重要な役割を果たしていることで知られている。


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