2022年1月3日月曜日

英国海軍艦(その3) - HMS ビクトリー(Royal Navy Ship 3 - HMS Victory)

英国海軍の500周年を記念して、
2019年に英国のロイヤルメールが発行した8種類の記念切手のうち、
3番目に紹介するのは、
1805年の「トラファルガーの海戦」において、
英国海軍提督の初代ネルソン子爵ホレーショ・ネルソンが座乗して、
旗艦を務めた「HMS ビクトリー」。


英国のロイヤルメール(Royal Mail)が2019年に王立海軍こと英国海軍の500周年を記念して発行した8種類の切手のうち、3番目に紹介するのは、「HMS ビクトリー(HMS Victory)」である。


地下鉄チャリングクロス駅(Charing Cross Tube Station)の改札口への向かう地下道に描かれている
「トラファルガーの海戦」のタイル画


「HMS ビクトリー」は、1758年7月14日の発注に基づき、英国の造船技師であるトマス・スレード(Sir Thomas Slade:?ー1771年)によって設計された後、チャタム造船所(Chatham Dockyard)において、1759年7月23日に着工され、約6年後の1765年5月7日に進水式を迎えた。そして、1778年に就役した。


「トラファルガーの海戦」前に作戦を練るネルソン提督


「HMS ビクトリー」は、英国海軍の104門1等戦列艦で、


全長: 約69m

重量: 約 3,500t

兵装: 合計104門(上砲列 - 30門 / 中砲列 - 28門 / 下砲列 - 30門 / 後甲板 - 12門 / 船首楼 - 4門)


そして、乗組員は約850名にのぼる。


「トラファルガーの海戦」における英国勝利を伝える新聞(タイムズ紙)とネルソン提督―
地下鉄チャリングクロス駅のベーカールーライン(Bakerloo Line)のプラットフォームの壁に描かれている


就役後の「HMS ビクトリー」の主な戦歴は、以下の通り。

(1)第一次ウェサン島の海戦(First Battle of Ushant - 1778年)

(2)第二次ウェサン島の海戦(Second Battle of Ushant - 1781年)

(3)スパルテル岬の海戦(Battle of Cape Spartel - 1782年)

(4)サン・ヴィセンテ岬の海戦(Battle of Cape St. Vincent - 1797年)


その後、「HMS ビクトリー」は、1805年の「トラファルガーの海戦(Battle of Trafalgar)」において、英国海軍提督の初代ネルソン子爵ホレーショ・ネルソン(Horatio Nelson, 1st Viscount Nelson:1758年ー1805年)が座乗して、旗艦となった。旗艦「HMS ヴィクトリー」を含む英国艦隊は、ポーツマス(Portsmouth → 2016年9月17日付ブログで紹介済)を出航し、フランスとスペインの連合艦隊を打ち破っている。ただし、ネルソン提督は、この海戦において命を落としている。


「トラファルガーの海戦」中、敵艦隊からの狙撃を受け、
戦死するネルソン提督


1922年、「HMS ビクトリー」は、ポーツマスの乾ドック(dry dock)へと移され、記念艦(museum ship)となった。

その後、「HMS ビクトリー」は、ポーツマス軍港の港湾司令官や第二海軍卿の旗艦を務めていたが、2012年10月以降、第一海軍卿(First Sea Lord)の旗艦となっている。

「HMS ビクトリー」は、今も現存する唯一の戦列艦であるとともの、世界最古の現役艦でもある。


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