![]() |
英国の Harper Collins Publishers 社から以前に出版されていた アガサ・クリスティー作「エンドハウスの怪事件」の ペーパーバック版の表紙 - ニック・バックリーが住む古びた屋敷であるエンドハウスを イメージしているものと思われる。 |
英国の Orion Publishing Group Ltd. から2023年に発行されている「エルキュール・ポワロの世界(The World of Hercule Poirot)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているエルキュール・ポワロシリーズの登場人物や各作品に関連した112個の手掛かりについて、引き続き、紹介したい。
前回に引き続き、各作品に出てくる登場人物、建物や手掛かり等が、その対象となる。
![]() |
| ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の完成形 <筆者撮影> |
(32)腕時計(wristwatch)
ジグソーパズルの下段中央の左手にあるテーブルの左端に、腕時計が置かれている。
(33) 遺言書(will)
ジグソーパズルの中段の一番左手にあるテーブルの上に、遺言書が一番下に置かれている。
これらから連想されるのは、アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1932年に発表した「エンドハウスの怪事件(Peril at End House → 2024年7月13日 / 7月21日 / 7月25日付ブログで紹介済)」である。
「青列車の謎」は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第12作目に、そして、エルキュール・ポワロ(Hercule Poirot → 2025年10月11日付ブログで紹介済)シリーズの長編としては、第6作目に該っている。
なお、「エンドハウスの怪事件」の場合、出版社によっては、「邪悪の家」という邦題を使用しているケースあり。
ちなみに、作者のアガサ・クリスティーは、自伝において、「『エンドハウスの怪事件』もまた、まるで印象に残っていない長編で、それを書いていた時のことさえ思い出せない。」と綴っている。
「エンドハウスの怪事件」は、「コーニッシュ リヴィエラ(Cornish Riviera)」と呼ばれるコンウォール州(Cornwall)のセントルー村(St. Loo - 架空の場所)が、舞台となる。
セントルー村に近いマジェスティックホテル(Majestic Hotel)のテラスにおいて、エルキュール・ポワロは、相棒で、友人でもあるアーサー・ヘイスティングス大尉(Captain Arthur Hastings → 2025年10月12日付ブログで紹介済)と一緒に、優雅な休暇を楽しんでいた。
![]() |
| エルキュール・ポワロは、 ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の中央に立っている。 <筆者撮影> |
![]() |
| アーサー・ヘイスティングス大尉は、 ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の中央に立つ エルキュール・ポワロの左斜め後ろに居る。 <筆者撮影> |
なお、マジェスティックホテルについても、架空のホテルで、実際には、デヴォン州(Devon)のトーキー(Torquay → 2023年9月1日 / 9月4日付ブログで紹介済)内に所在するインペリアルホテル(Imperial Hotel → 2015年1月10日付ブログで紹介済)が、そのモデルとなっている。
![]() |
| インペリアルホテルの建物正面外観 <筆者撮影> |
![]() |
| インペリアルホテルの下にある展望台から見たトーベイ湾(Torbay) <筆者撮影> |
一方、新聞では、世界一周飛行に挑戦中の飛行家であるマイケル・シートン大尉( Captain Michael Seton)が、太平洋上で行方不明になっていることを伝えていた。
![]() |
| 画面右手前が、ポワロとヘイスティングス大尉が宿泊しているホテル マジェスティックで、 画面左手奥に、ニック・バックリーが住むエンドハウスが建っている。- Harper Collins Publishers 社から出ている アガサ・クリスティー作「エンドハウスの怪事件」のグラフィックノベル版(→ 2020年12月6日付ブログで紹介済)から抜粋。 |
テラスから庭へと通じる階段でポワロが足を踏み外したところ、丁度運良くそこに通りかかったニック・バックリー(Nick Buckley - 本名:マグダラ・バックリー(Magdala Buckley))に助けられ、事なきを得る。
彼女は、ホテルからほんの目と鼻の先にある岬の突端に立つやや古びた屋敷エンドハウス(End House)の若き女主人であった。
また、彼女は、父のフィリップ(Philip)と母のエイミー(Amy)を早くに亡くしており、祖父のサー・ニコラス・バックリー(Sir Nicholas Buckley)に育てられた。そのため、祖父が「Old Nick」、そして、彼女自身が「Young Nick」と呼ばれ、彼女は、「ニック」と言う愛称を得たのである。
![]() |
| ホテル マジェスティックにおいて出会ったニックから、 ポワロとヘイスティングス大尉は、彼女が3日間に3度も命拾いをしたことを聞く。- Harper Collins Publishers 社から出ている アガサ・クリスティー作「エンドハウスの怪事件」のグラフィックノベル版から抜粋。 |
ニック・バックリーがポワロを助けた後、蜂か何かが彼女の頭の方に飛んで来たようで、彼女はそれを追い払う仕草をする。
ポワロ達と少し話をした後、ニック・バックリーはエンドハウスへと帰ったが、彼女はそれまでかぶっていた日除け帽子をテラスのテーブルの上に忘れて行った。ポワロが残された帽子を手に取ってみると、帽子のつばには穴があいており、その上、近くには弾丸が落ちていたのである。と言うことは、ニック・バックリーが蜂による一刺しだと思ったのは、実際には、銃による狙撃だったのだ!











0 件のコメント:
コメントを投稿