2025年12月26日金曜日

エルキュール・ポワロの世界 <ジグソーパズル>(The World of Hercule Poirot )- その18A

英国の HarperCollinsPublishers 社から以前に出版されていた
アガサ・クリスティー作「エッジウェア卿の死」
(米国版タイトル:晩餐会の13人)のペーパーバック版の表紙 -
エッジウェア卿が住むリージェントゲート
(Regent Gate → 2025年3月23日付ブログで紹介済)の
邸宅をイメージしているものと思われる。


英国の Orion Publishing Group Ltd. から2023年に発行されている「エルキュール・ポワロの世界(The World of Hercule Poirot)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているエルキュール・ポワロシリーズの登場人物や各作品に関連した112個の手掛かりについて、引き続き、紹介したい。

前回に引き続き、各作品に出てくる登場人物、建物や手掛かり等が、その対象となる。


ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の完成形
<筆者撮影>


(34)魚の目を切るナイフ(corn knife)



ジグソーパズルの下段中央の左手にあるテーブルの前方の角に、魚の目を切るナイフが置かれている。


(35) 鼻眼鏡(pince-nez)



ジグソーパズルの下段中央の右手にあるテーブルの下段の中央に、鼻眼鏡が置かれている。


これらから連想されるのは、アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1933年に発表した「エッジウェア卿の死(Lord Edgware Dies → 2025年3月29日付ブログで紹介済)」である。

「エッジウェア卿の死」は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第13作目に、そして、エルキュール・ポワロ(Hercule Poirot → 2025年10月11日付ブログで紹介済)シリーズの長編としては、第7作目に該っている。

なお、「エッジウェア卿の死」の場合、米国版のタイトルは、「晩餐会の13人(Thirteen at Dinner)」が使用されている。


ちなみに、作者のアガサ・クリスティーは、自伝において、「私はルース・ドレーバーの演技を見に行った後で、また一つの案を思い付いた。実に手際がよく、役に成り切っていると思った。 - 口煩い女房から大聖堂にひざまづく田舎娘に至るまで、その姿を変えるさまの素晴らしさと言ったらなかった。彼女のことを考えているうちに、私は『エッジウェア卿の死』の着想を得た。」と綴っている。


「エッジウェア卿の死」の場合、エルキュール・ポワロとアルゼンチンから一時帰国したアーサー・ヘイスティングス大尉(Captain Arthur Hastings → 2025年10月12日付ブログで紹介済)の2人が、米国からロンドン/パリ公演ツアーに来ている女芸人カーロッタ・アダムズ(Carlotta Adams)の舞台を観たところから、その物語が始まる。


エルキュール・ポワロは、
ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の中央に立っている。
<筆者撮影>


アーサー・ヘイスティングス大尉は、
ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の中央に立つ
エルキュール・ポワロの左斜め後ろに居る。

<筆者撮影>


背景や衣装等を必要としない彼女の「人物模写演技」は完璧で、一瞬で顔つきや声音等を変えて、その人自身になりきるのであった。第4代エッジウェア男爵ジョージ・アルフレッド・セント・ヴィンセント・マーシュ(George Alfred St. Vincent Marsh, 4th Baron Edgware)/ エッジウェア卿(Lord Edgware)と結婚している米国出身の舞台女優ジェーン・ウィルキンスン(Jane Wilkinson)の物真似に関しても見事の一言で、ポワロは深く感銘を受ける。

更に、驚くことには、ポワロとヘイスティングス大尉の真後ろの席には、ジェーン・ウィルキンスン本人と映画俳優のブライアン・マーティン(Bryan Martin)の2人が、カーロッタ・アダムズによるジェーン・ウィルキンスンの人物模写演技を楽し気に観劇していた。


サヴォイホテルの正面玄関
<筆者撮影>


女芸人カーロッタ・アダムズによる舞台が終わった後、ポワロとヘイスティングス大尉は、サヴォイホテル(Savoy Hotel → 2016年6月12日付ブログで紹介済)へと移動して、夕食をとる。

その夕食の途中、ブライアン・マーティンと一緒に居たジェーン・ウィルキンスンが、ポワロの席を訪れて、内密の会話を求めるのであった。


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