2025年6月5日木曜日

アガサ・クリスティー作「そして誰もいなくなった」<英国 TV ドラマ版>(And Then There Were None by Agatha Christie )- その1

2016年9月15日に、アガサ・クリスティー没後40周年に際して、
英国のロイヤルメール(Royal Mail)が発行した記念切手6種類のうちの
1枚である「そして誰もいなくなった」 -
デヴォン州(Devon)の沖合いに浮かぶ兵隊島(Soldier Island)を陸地から見たシーンが描かれている。
夜間のシーンで、兵隊島内に建つ屋敷の窓には、明かりが灯っている。
よく見ると、兵隊島が人間(男性?)の顔の形になっている上に、明かりが灯る屋敷の窓が目に該っている。
兵隊島の前の海に浮かぶ黄色い物には、
オーウェン夫妻の名前を略した「U. N. Owen」が逆さまに表示されている。
更に、画面の左下には、童謡「10人の子供の兵隊」の内容が、これも同様に逆さまに記載されている。
この童謡は、マザーグースの一つとして分類されるが、大元の「Ten Little Nigger Boys」は、
英国の作詞家フランク・グリーン(Frank Green)が1869年に翻案した作品のため、
「Frank Green 1869」と表示されている。


アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1939年に発表したノンシリーズ作品「そして誰もいなくなった(And Then There Were None)」は、英国の BBC(British Broadcasting Corporation)が TV ドラマとして映像化の上、2015年12月26日、12月27日および12月28日の3夜に渡って放映されている。


なお、本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第26作目に該り、彼女の作品の中でも、代表作に挙げられている。


HarperCollins Publishers 社から2009年に出ている
アガサ・クリスティー作「そして誰もいなくなった」の
グラフィックノベル版の表紙
(Cover Design and Illustration by Ms. Nina Tara)-
表紙と裏表紙の両方で、兵隊島に集まった招待客8人と召使夫婦の計10人が、
一人また一人と、正体不明の何者かによって殺害されていくことが暗示されている。


HarperCollins Publishers 社から2009年に出ている
アガサ・クリスティー作「そして誰もいなくなった」の
グラフィックノベル版の裏表紙
(Cover Design and Illustration by Ms. Nina Tara)


BBC の TV ドラマ版における主な登場人物は、以下の通り。

なお、順番は、謎のオーウェン氏(Mr. Owen)による告発順である。


(1)エドワード・ジョージ・アームストロング(Edward George Armstrong): Toby Stephens

医師で、Louisa Mary Clees(患者)を殺したと告発された。


(2)エミリー・キャロライン・ブレント(Emily Caroline Brent): Miranda Richardson

信仰心の厚い老婦人で、Beatrice Taylor(使用人の娘)を殺した告発された。


(3)ウィリアム・ヘンリー・ブロア(William Henry Blore): Burn Gorman

元巡査部長(Detective Sergeant)で、James Stephen Landor(無実の人間)を殺したと告発された。

BBC の TV ドラマ版の場合、元「巡査部長」と言う設定になっているが、アガサ・クリスティーの原作の場合、元「警部(Detective Inspector)」となっている。


(4)ヴェラ・エリザベス・クレイソーン(Vera Elizabeth Claythorne): Maeve Dermody

秘書や家庭教師を職業とする若い女性で、Cyril Ogilvie Hamilton(家庭教師をしていた子供)を殺したと告発された。


(5)フィリップ・ロンバード(Philip Lombard): Aidan Turner

元陸軍中尉で、東アフリカにおいて先住民族21人(21 men, members of an East African tribe)を殺したと告発された。


招待客が兵隊島に到着した日の晩餐会において、
謎の声(オーウェン氏)による告発により、招待客8人と召使夫婦が戦慄する場面
(HarperCollins Publishers 社から2009年に出ている
アガサ・クリスティー作「そして誰もいなくなった」のグラフィックノベル版から抜粋)


(6)ジョン・ゴードン・マッカーサー(John Gordon MacArthur): Sam Neill

退役した老将軍(General)で、Henry Richmond(妻の愛人だった部下)を殺したと告発された。


(7)アンソニー・ジェイムズ・マーストン(Anthony James Marston): Douglas Booth

遊び好きの上、生意気な青年で、John Coombes と Lucy Coombes(二人の子供)を殺したと告発された。


(8)ローレンス・ジョン・ウォーグレイヴ(Lawrence John Wargrave): Charles Dance

高名な元判事で、Edward Seton(無実の被告)を殺したと告発された。


(9)トマス・ロジャーズ(Thomas Rogers): Noah Taylor

(10)エセル・ロジャーズ(Ethel Rogers): Anna Maxwell Martin

Jennifer Brady(仕えていた老女)を殺したと告発された。 


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