ビル・ブラッグ氏が描く 「ミス・マープル最後の事件簿」の一場面 |
アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)の作品を出版している英国の Harper Collins Publishers 社から出ているミス・ジェイン・マープル(Miss Jane Marple)シリーズのペーパーバック版の表紙を使った2023年カレンダーのうち、14番目(最後)を紹介したい。
(14)「ミス・マープル最後の事件簿(Miss Marple’s Final Cases)」(1979年)
「ミス・マープル最後の事件簿」は、1979年に英国で出版されたアガサ・クリスティーによる短編集で、ミス・ジェイン・マープルが登場する短編6作とその他の短編2作の合計8作が収録された。
なお、米国において、本短編集に収録された作品のほとんどが雑誌に掲載済だったこともあり、当初、本短編集は、米国では出版されなかった。
短編集「ミス・マープル最後の事件簿」には、以下の8編が収録されている。
・「ミス・マープルの思い出話 / ミス・マープルは語る(Miss Marple Tells a Story)」→ 英国(1935年)の雑誌に掲載された際の原題は、「Behind Closed Doors」
・「仄暗い鏡の中に / 暗い鏡のなかに(In a Glass Darkly)」
・「奇妙な冗談 / 風変わりないたずら(Strange Jest)」→ 米国(1941年)と英国(1944年)の雑誌に掲載された際の原題は、「The Case of the Buried Treasure」
・「昔ながらの殺人事件 / 巻尺殺人事件(Tape-Measure Murder)」→ 英国(1942年)の雑誌に掲載された際の原題は、「The Case of the Retired Jeweller」
・「管理人事件 / 管理人の老婆(The Case of the Caretaker)」
・「申し分のないメイド / 申し分のない女中(The Case of the Perfect Maid)」→ 英国(1942年)の雑誌に掲載された際の原題は、「The Perfect Maid」
・「教会で死んだ男(Sanctuary)」
・「洋裁店の人形(The Dressmaker’s Doll)」
なお、「仄暗い鏡の中に / 暗い鏡のなかに」と「洋裁店の人形」については、ミス・マープルシリーズに属する作品ではない。
2014年に英国の HarperCollinsPublishers 社から出版された 「エルキュール・ポワロとグリーンショア屋敷の阿房宮」のハードカバー版本体の見開き画 (By Mr. Tom Adams) |
上記を受けて、現在、「ミス・マープル最後の事件簿」には、エルキュール・ポワロを探偵役とした中編 / 長編からミス・マープルを主人公に変更した短編「グリーンショウ氏の阿房宮」を含めた9編が収録されている。
カレンダーには、「ミス・マープルの思い出話 / ミス・マープルは語る」の場面と思われるシーンが描かれている。
Harper Collins Publishers 社から出版されている「ミス・マープル最後の事件簿」のペーパーバック版の表紙には、ビル・ブラッグ氏(Mr. Bill Bragg)によるイラストが、ジグソーパズルのグラスの形に切り取られているものが使用されている。
0 件のコメント:
コメントを投稿