2020年10月31日土曜日

シャーロック・ホームズ記念切手4「踊る人形」(Sherlock Holmes - The Adventure of the Dancing Men)

英国 BBC が制作した TV ドラマ「シャーロック」の放映10周年を記念して
発行された6種類の切手に加えて、
4種類のシャーロック・ホームズシリーズの記念切手が、
2020年8月18日に発行された。
今回紹介するのは、そのうちの一つである「踊る人形」。

サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)原作のシャーロック・ホームズシリーズを翻案して、舞台をヴィクトリア朝時代のロンドンから21世紀のロンドンに置き換え、自称「コンサルタント探偵」のシャーロック・ホームズが、同居人かつ相棒であるジョン・ヘイミッシュ・ワトスンと一緒に、スマートフォンやインターネット等の最新機器を駆使して、事件を解決する様を描くTVドラマ「シャーロック(Sherlock)」が2010年7月に英国 BBC1 で放映されてから10周年を記念して、2020年8月18日に英国ロイヤルメール(Royal Mail)から6種類の記念切手が発行された。

それらと一緒に、コナン・ドイル原作のシャーロック・ホームズシリーズについても、4種類の記念切手が発行された。

2014年10月17日から2015年4月12日まで、
ロンドン博物館(Museum of London)において開催された
シャーロック・ホームズ展
(Sherlock Holmes - The Man Who Never Lived and Will Never Die) では、
博物館の入口周辺に、「踊る人形」をテーマにした装飾が施されていた。



4番目に紹介するのは、「踊る人形(The Adventure of the Dancing Men)」である。

本作品は、56ある短編小説のうち、27番目に発表された。

英国では、「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1903年12月号に掲載された後、1905年発行の第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還(The Return of Sherlock Holmes)」に収録されている。なお、米国では、「コリアーズ ウィクリー」の1903年12月5日号に掲載された。




ノーフォーク州(Norfolk)一番の旧家で、リドリングソープ屋敷(Ridling Thorpe Manor)に住むヒルトン・キュービット氏(Hilton Cubitt)が、ある相談のため、ベーカーストリート221B(221B Baker Street)に住むシャーロック・ホームズの元を訪れる。

彼によると、ヒルトン・キュービット邸に、踊っているように見える奇妙な人形の落書きが残され、彼が最近結婚した米国出身の妻であるエルシー・パトリック(Elsie Patrick)が、これらの落書きを見て、非常に怯えている、とのこと。ジョン・H・ワトスンは、「子供の落書きではないか?」と推測するが、ホームズは、「それ程簡単なものではなく、何か重要なメッセージを伝えるものではないか?」と考えているようだった。




その後も、キュービット邸の道具小屋の壁や日時計の上等にも、踊るような人形の落書きが続き、事態が急を告げていることに気付いたホームズが、ワトスンと一緒に、翌朝一番の汽車で、ノーフォーク州のキュービット邸へと向かったが、残念ながら、一歩遅く、既に悲劇が起きており、キュービット氏と妻のエルシーが撃たれて、キュービット氏は亡くなっていたのである。




記念切手には、ノーフォーク州のリドリングソープ屋敷において、何者かが道具小屋の壁に踊るような人形の落書きをしているのを、ヒルトン・キュービット氏が室内から様子を窺っている場面が描かれている。



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