HarperCollinsPublishers から出ている アガサ・クリスティー作「ハロウィーンパーティー」のグラフィックノベル版の表紙 (Cover Design and Illustration by Ms. Nina Tara)- ハロウィーンの日に飾られるカボチャのランタンが描かれている。 |
8番目に紹介するアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)によるグラフィックノベル版は、「ハロウィーンパーティー(Hallowe’en Party)」(1969年)である。
本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第60作目に該り、エルキュール・ポワロシリーズに属する長編のうち、第31作目に該っている。
HarperCollinsPublishers から出ている アガサ・クリスティー作「ハロウィーンパーティー」のグラフィックノベル版の裏表紙 (Cover Design and Illustration by Ms. Nina Tara) |
ウドリーコモンの中心的な存在であるロウィーナ・ドレイク夫人宅である「リンゴの木荘」において、 ハロウィーンパーティーが行われようとしていた。 そして、そのパーティーには、女性推理作家であるアリアドニ・オリヴァー夫人も参加していた。 |
女性推理作家として有名なアリアドニ・オリヴァー夫人(Mrs. Ariadne Oliver)は、ロンドンから30ー40マイル程離れた町ウッドリーコモン(Woodleigh Common)に住む友人のジュディス・バトラー(Judith Butler)宅に滞在していた。
ウッドリーコモンの中心的な存在であるロウィーナ・ドレイク夫人(Mrs. Rowena Drake)が、学校の生徒達のために、ハロウィーンパーティーを主催することになり、オリヴァー夫人も参加する運びとなった。
ドレイク夫人宅で行われたハロウィーンパーティーに参加していた 生徒の一人である13歳のジョイス・レイノルズが、突然、 「ずっと前に殺人を目撃したことがある。」と言い出したが、 他の生徒達は、誰も、彼女の言うことを信じなかった。 |
ジョイスの話を聞いた他の生徒達は、日頃からジョイスが人の関心を惹くために、いろいろと嘘をつくので、彼女を全く相手にしない。ドレイク夫人宅に準備の手伝いに来ていたオリヴァー夫人も、ジョイスが推理作家である自分の気を引こうとしているものと思い、彼女の話を本気にしなかった。
ドレイク夫人宅において、ハロウィーンパーティーが行われた日の翌日の晩、 オリヴァー夫人が、ポワロの元を訪れる。 彼女によると、ハロウィーンパーティーが終わった後、 ジョイス・レイノルズが、ドレイク夫人宅の図書室において、殺されているのが、見つかったのである。 |
ドレイク夫人宅において、ハロウィーンパーティーが行われた日の翌日の晩、オリヴァー夫人が、ロンドンのエルキュール・ポワロ宅に電話をかけてきた後、慌ててやって来る。オリヴァー夫人は、ポワロに対して、ヒステリー気味に話を始める。
ハロウィーンパーティーが終わった後、以前殺人を目撃したことがあると言っていたジョイスが、ドレイク夫人宅の図書室において、リンゴが浮かぶブリキのバケツに頭を押し込まれて、溺死しているのが見つかったのである。
オリヴァー夫人からの依頼を受けて、ポワロは、早速、 ウドリーコモンに住む古い友人であるスペンス元警視の元を訪ねた。 |
ポワロは、古い友人であるスペンス元警視(ex Superintendent Spence)の元を訪れる。偶然にも、スペンス元警視は、引退後、ジョイスが殺害された町ウッドリーコモンに住んでいた。
ポワロは、スペンス元警視に、過去数年間にウッドリーコモン周辺で殺された人物、あるいは、殺害された可能性のある人物のリストを作成してもらい、一つ一つ捜査を進める。
果たして、この中に、ジョイスが目撃したと言う殺人事件が含まれているのだろうか?
グラフィックノベル版の場合、被害者となるジョイス・レイノルズが突然「殺人を目撃したことがある。」と言い出すのは、アガサ・クリスティーの原作(ハロウィーンパーティーを晩に控えた午後)とは異なり、ドレイク夫人宅においてハロウィーンパーティーが行われているその場に変更されている。これは、50ページ弱(46ページ)と言う分量の制約上のことかと思われるが、物語の進行的には、非常にスムーズになっている。
殺されたジョイスの姉であるアン・レイノルズの部屋の壁には、 アガサ・クリスティーの原作の時代を反映して、ローリングストーンズのポスターが貼られている。 |
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