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セントジェイムズ宮殿の建物正面 <筆者撮影> |
ステュアート朝の第6代かつ最後の国王であるアン(Anne Stuart:1665年-1714年 在位期間:1702年ー1714年)が1714年8月1日に崩御したことに伴い、ステュアート朝の第2代国王であるチャールズ1世(Charles I:1600年ー1649年 在位期間:1625年ー1649年 → 2017年4月29日付ブログで紹介済)の姪の長男で、ドイツ神聖ローマ帝国のハノーファー選帝侯であるゲオルク・ルートヴィヒ(Georg Ludwig)が、ジョージ1世(George I:1660年ー1727年 在位期間:1714年ー1727年)として即位し、ハノーヴァー朝(House of Hanover)を開いた。
ハノーヴァー朝における最初の3代の国王である
*ジョージ1世
*ジョージ2世(George II / ジョージ1世の長男で、ハノーヴァー朝の第2代国王:1683年ー1760年 在位期間:1727年ー1760年)
*ジョージ3世(George III / ジョージ2世の孫で、ハノーヴァー朝の第3代国王:1738年ー1820年 在位期間:1760年ー1820年)
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ナショナルポートレートギャラリー(National Portrait Gallery)内で 所蔵 / 展示されている ハノーヴァー朝の第3代英国王であるジョージ3世の肖像画 (By the studio of Allan Ramsay / Oil on canvas / based on a portrait of 1761 - 1762) <筆者撮影> |
は、1698年に第一王宮であるホワイトホール宮殿(Palace of Whitehall)が火事で焼失したため、他の欧州王家の宮殿が誇る豪華さとは全く比べ物にならないセントジェイムズ宮殿(St. James’s Palace)をロンドンにおける第一王宮として引き続き使用。
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ナショナルポートレートギャラリー内で所蔵 / 展示されている ジョージ3世の王妃である ソフィア・シャーロット・オブ・メクレンバーグ=ストレリッツ (1744年ー1818年)の肖像画 (By the studio of Allan Ramsay / Oil on canvas / based on a portrait of 1761 - 1762) <筆者撮影> |
ジョージ3世は、1761年9月8日に、当時17歳のソフィア・シャーロット・オブ・メクレンバーグ=ストレリッツ(Sophia Charlotte of Mecklenburg- Strelitz:1744年ー1818年 在位期間:1761年ー1818年)と挙式を行い、その14日後の同年9月22日に戴冠式を挙行した。ジョージ3世は、シャーロット王妃と一緒に、戴冠式を行うために、即位後1年以上も戴冠式を延期していたと言われている。
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ナショナルポートレートギャラリー内で所蔵 / 展示されている ハノーヴァー朝の第3代英国王であるジョージ3世の肖像画 (By the studio of Sir William Beechey / Oil on canvas / based on a portrait of about 1800) <筆者撮影> |
ジョージ3世は、シャーロット王妃用の私的な隠れ家として、1761年にバッキンガムハウス(Buckingham House)を購入し、1762年から改修工事を開始。
このバッキンガムハウスが、現在のバッキンガム宮殿(Buckingham Palace)となる。
ジョージ3世以降も、
*ジョージ4世(George IV:ジョージ3世の長男で、ハノーヴァー朝の第4代国王:1762年ー1830年 在位期間:1820年ー1830年)
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ナショナルポートレートギャラリー内で所蔵 / 展示されている ハノーヴァー朝の第4代英国王であるジョージ4世の肖像画 (By Sir Thomas Lawrence / Oil on canvas / 1814年頃) <筆者撮影> |
*ウィリアム4世(William IV:ジョージ3世の三男で、ハノーヴァー朝の第5代国王:1765年ー1837年 在位期間:1830年ー1837年)
は、セントジェイムズ宮殿をロンドンにおける第一王宮として引き続き使用した。
ただし、次第に、限られた公式行事、歓迎式典、王家の結婚式や洗礼式等に使用されるだけになっていく。
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ナショナルポートレートギャラリー内で所蔵 / 展示されている ヴィクトリア女王の肖像画 (By Sir George Hayter / Oil on canvas / 1863年 / based on a portrait of 1838) <筆者撮影> |
ウィリアム4世の後を継いで、ハノーヴァー朝(House of Hanover)の第6代女王として即位したヴィクトリア女王(Queen Victoria:1819年ー1901年 在位期間:1837年ー1901年 → 2017年12月10日 / 12月17日付ブログで紹介済)は、セントジェイムズ宮殿からバッキンガムハウスへと引越を行い、バッキンガム宮殿として使用を開始し、同宮殿に居住した最初の君主となった。
その結果、セントジェイムズ宮殿は、ロンドンにおける第一王宮としての役目を終えたのである。
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ナショナルポートレートギャラリー内で所蔵 / 展示されている アルバート公の肖像画 (By Franz Xaver Winterhalter / Oil on canvas / 1867年 / based on a portrait of 1859) <筆者撮影> |
ただし、ヴィクトリア女王が1840年にアルバート公(Albert Prince Consort:1819年ー1861年)と結婚した際、挙式はセントジェイムズ宮殿の Chapel Royal において行われている。
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ヴィクトリア女王の生誕200周年を記念して、 英国のロイヤルメール(Royal Mail)から2019年に発行された切手の1枚 - 画面手前左側の人物がアルバート公で、 画面手前右側の人物がヴィクトリア女王 (By Sir George Hayter / 1842年) |

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