2025年7月16日水曜日

ロンドン ホーリートリニティー教会(Holy Trinity Church)

マリルボーンロードを間に挟んで、
対岸の地下鉄グレイトポートランド駅の前から、
ホーリートリニティー教会の建物全体を見たところ。


米国のペンシルヴェニア州(Pennsylvania)に出生して、英国人のクラリス・クルーヴス(Clarice Cleaves)との結婚後、1932年から1946年にかけて英国のブリストル(Bristol)に居を構えていた米国の推理作家で、「不可能犯罪の巨匠」とも呼ばれているジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr:1906年ー1977年)が1935年に発表した推理小説で、ギディオン・フェル博士(Dr. Gideon Fell)が登場するシリーズ第5作目に該る「死時計(Death-Watch → 2025年4月30日 / 5月4日付ブログで紹介済)」に出てくるサー・ジョン・ソーンズ博物館(Sir John Soane’s Museum → 2025年5月22日 / 5月30日 / 6月3日 / 6月13日付ブログで紹介済)は、英国の新古典主義を代表する建築家で、1788年にロバート・テイラー(Robert Taylor:1714年ー1788年)の後を継いで、イングランド銀行(Bank of England → 2015年6月21日 / 6月28日付ブログで紹介済)の建築家に就任し、その後、1833年まで45年間にわたり、その任を務めたサー・ジョン・ソーン(Sir John Soane:1753年ー1837年)の邸宅兼スタジオを使用しており、彼が手掛けた建築に関する素描、図面や建築模型、更に、彼が収集した絵画や骨董品等を所蔵している。


英国の肖像画家であるサー・トマス・ローレンス
(Sir Thomas Lawrence:1769年ー1830年)が描いた
「サー・ジョン・ソーン(76歳)の肖像画 (Portrait of Sir John Soane, aged 76)」
(1828年ー1829年)
の絵葉書
Oil on canvas 
<筆者がサー・ジョン・ソーンズ博物館で購入>


今回は、サー・ジョン・ソーンが設計したホーリートリニティー教会(Holy Trinity Church)について、紹介したい。



ナポレオン戦争(Napoleonic Wars:1803年ー1815年 / フランスの第一執政期と第一帝政期における一連の戦争の総称)に勝利を収めた英国政府は、その勝利を祝い、当時の金額で1百万ポンド(現在の価値で言うと、約1億ポンド)の資金を捻出して、Church Building Act 1818 を制定。この資金を使用して、英国各地で教会の建設が進められた。


ホーリートリニティー教会の正面外壁を見上げたところ。-
入口に4本の柱が見える。

ロンドンの中心部であるシティー・オブ・ウェストミンスター区(City of Westminster)のマリルボーン地区(Marylebone)でも、ホーリートリニティー教会の建設が決まり、1818年にサー・ジョン・ソーンが設計して、1828年に竣工。

ホーリートリニティー教会の場合、入口を4本の柱が支える特徴を有している。


門越しに、ホーリートリニティー教会の入口を見たところ。

サー・ジョン・ソーンの設計に基づいて建設されたホーリートリニティー教会であったが、1930年代には、教会として使われなくなり、1936年には、出版社である Penguin Books 社により、本の倉庫として使用された。

1937年にPenguin Books 社が移転したことに伴い、The Society for Promoting Christian Knowledge (SPCK) が入居して、2006年までその本部として使われた。  

2018年からは、世界最初の結婚式専門のデパートが入力して、地下階(basement)と1階(Ground Floor)は結婚式用のドレス等の展示スペースとして、2階(First Floor)はイヴェントスペースとして使用されている。


オスナバーストリート沿いの
ホーリートリニティー教会の建物外壁の東側

ホーリートリニティー教会は、現在、地下鉄リージェンツパーク駅(Regent’s Park Tube Station)の前を通り、地下鉄ベイカーストリート駅(Baker Street Tube Station)へと延びるマリルボーンロード(Marylebone Road)を挟んで、地下鉄グレイトポートランド駅(Great Portland Tube Station - 南側)と向かい合うように、通りの北側に建っている。


オスナバーテラス沿いの
ホーリートリニティー教会の建物外壁の北側

南側はマリルボーンロードに、東側はオスナバーストリート(Osnaburgh Street)に、北側はオスナバーテラス(Osnaburgh Terrace)に、そして、西側はアルバニーストリート(Albany Street)に囲まれた浮島に、ホーリートリニティー教会は、教会単独で所在している。

なお、ホーリートリニティー教会の住所は、「マリルボーンロード1番地(1 Marylebone Road)」に該っている。


アルバニーストリート沿いの
ホーリートリニティー教会の建物外壁の西側

ホーリートリニティー教会は、歴史的な建造物の一つとして、「グレード I(Grade I)」に指定され、保存されている。


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